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2019 全豪オープン 準々決勝 錦織 対 ジョコビッチ 錦織リタイアで敗戦

 1月23日(水)ナイトセッションで、錦織選手の全豪オープンQF(5回戦)が行われます。相手は言わずと知れた最強選手ジョコビッチです。

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昨シーズン完全復活

 

 生涯グランドスラムを達成した後のジョコビッチはそれまでと別人のジョコビッチでした。昨年の全仏当たりまでは全盛期には遠いできで、本人もフラシュとレーションをためていました。

 しかし、バイダコーチを昨年4月に再び陣営に迎え入れると、7月のウインブルドンでは相手にテニスをさせて全て受け止めての完勝を連発し、全盛期を思わせる復活の片りんを見せると、その後の北米シーズンや上海マスターズでも勝ち続けました。

 パリやファイナルでは若手選手に屈する部分に全盛期を知る人には物足りなさを感じるものの、それでもランキング1位の座を盤石に固めつつあります。

 

どうしても勝てず、ついに14連敗

 2014年の全米SFで錦織はジョコビッチを破り決勝に進出しましたが、それ以降、その年のパリマスターズでの対戦から数えて実に14連敗となっています。その中でジョコビッチが不調期と言われた時期にも3試合程試合をしていますが、いずれも勝てませんでした。

 内容で押していても最後はジョコビッチが勝ちます。しかし、それは数少ない試合であり、多くの試合では錦織はジョコビッチに勝機すら見いだせずに敗戦する場合が多いです。

 ジョコビッチは精神的に大きく揺さぶりをかけてきます。そしてそれを可能にする守備力があります。厳しいコースに打っても読みのよさから悉く拾っていきます。最も最近は脱力して気を抜く場面と力を入れる場面で分けてセーブしつつ試合をこなしている節があります。この部分はフェデラーにも見られる通り、年により体力のペース配分を考えたプレイスタイルの変化とも言えるでしょう。以前のように圧倒的な勝利という場面は少なくなりましたが、それでも最後に勝っているのがジョコビッチです。

 

互いに疲れのある中での試合

 4回戦が終わった後、ジョコビッチはインタビューで対戦相手は5時間の激闘を叩かていると聞くと「グレイトニュース!」とオドけて笑いを誘いましたが、本心でもあるでしょう。

 本大会のジョコビッチは危なげなく勝ち上がってはいますが、体力的にはオフシーズン上りという事もありまだ出来上がっていない印象で持続力に掛ける部分が多く見られます。それが、シャポバロフ戦やメドベデフ戦のセットダウンにも表れます。最も彼ら若手選手が恐れを抱かないテニスをしているのもありますが、以前のように圧力で抑えつけるにはまだ体力をシーズン仕様にし切れていない部分もあるのでしょう。

 とは言え、グランドスラムを良く知っている選手でもあり、ペース配分であればむしろ錦織の方に大きな不安があります。1,2,4回戦とフルセットマッチを戦っており、その2回が10ポイントタイブレークまで持ち込まれています。この2試合は普通のタイブレークであれば負けていた2試合であり、ある意味幸運も味方しています。とは言え10ポイントを見据えてしっかりとルールにアジャストした結果でもあります。

 ただ、内容を見ればそれを抜きにしてもどっちに転ぶかわからないロングマッチで体力のリカバリーを本人も何度も口にしており、どれだけ回復できるかにかかります。

 

 これまでの相性や勝ち上がり方、双方がこの4年で15度目の対戦と、頻繁に対戦する事もあり、いつも通りのやり方では難しい試合となるでしょう。

 

試合開始

 試合は23日の日本時間の17;30以降にロッドレーバーアリーナ(センターコート)での試合開始となります。

 気候は快晴の中、現地時間19;30とやや涼しくなったロッドレーバーアリーナでの試合開始を待ちます。

 

 

1stセット

 第1ゲーム、ジョコビッチのサービス。やや緩慢な入りをした錦織のエラーが続き、ジョコビッチがラブゲームキープする。

 第2ゲーム、錦織のサービス。センターからの引き付けたフォアを決める錦織。しかしこのプレイが続かず長いデュース合戦になる。ジョコビッチにサイドラインから攻められブレークポイントを握られると、バックハンドリターンをネットにかけ、ジョコビッチがブレーク先行となる。

 第3ゲーム、ダブルファーストでの失敗をする余裕のあるジョコビッチがラリーでの優位を離さず楽にキープする。

 第4ゲーム、体が重い錦織は2ndサーブで120キロ台のサーブになるなどする。更にはジョコビッチの深いクロスリターンでデュースに。しかしドロップショットは打った瞬間顔を上げるようなミスショットとなるなどピリっとしない。結局錦織の2ndサーブをジョコビッチがリターンオーバーし、辛くもキープする。

 第6ゲーム、気分が落ちている様子がうかがえる錦織が簡単にジョコビッチにブレークされて2ブレークアップを許す。

 第7ゲーム、ジョコビッチのサービンフォーザセット。覇気の無い錦織を尻目にジョコビッチがラブゲームでこのゲームを取る。

 

 6-1 ジョコビッチが何もせずにセットを取る。

 

 ベンチに座ると錦織はセット間の時間を利用しドクターを呼ぶ。太もも辺りの違和感を訴える。

 試合としては錦織が19本のアンフォーストエラーに見えるように、ショットの精度が厳しい状況です。

 錦織はセット間の時間に更にテクニカルタイムアウトを使い入念に右太ももをマッサージし、厚いテーピングで巻く。

  

2ndセット

 第1ゲーム、錦織のサービス、体の動きは変わらないものの何とかキープする。

 第3ゲーム、ロングラリーに持ち込むと錦織はこらえきれない。3つのブレークポイントを握られるとリターンをネットに掛け先行ブレークを許す。錦織は重い足取りでベンチへと向かう。

 第5ゲーム、錦織の動きは戻らない。観客が湧く事もなくジョコビッチがブレークする。

 

 すると錦織がゆっくりと主審に歩み寄り、試合は終了します。

 

 この後ジョコビッチはインタビューで残念な気持ちと、試合に足を運んでくれた客のためにかなり長いインタビューを披露しました。

 

残念な結末も苦手の現れ

 

 今回は残念な結果に終わってしまいました。しかし、そこにはやはり強烈な苦手意識があったのは拭えません。

 リカバリーという意味ではカルロビッチ戦の方がデイセッションだった事もあり苦しかったはずです。ジョコビッチを相手にすると体力の回復だけでなく、心の回復も必要だったという事でしょう。その点でうまく調整できなかった事は残念でなりません。

 引き返す素振りからこの試合で痛めたというよりは上記のような要因の蓄積と見るのが普通であり、今後のツアー日程に大きな変更はないものと見ています。

 

 

 

 

 

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