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2019 全豪オープン 準々決勝 錦織 対 ジョコビッチ 錦織リタイアで敗戦

 1月23日(水)ナイトセッションで、錦織選手の全豪オープンQF(5回戦)が行われます。相手は言わずと知れた最強選手ジョコビッチです。

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昨シーズン完全復活

 

 生涯グランドスラムを達成した後のジョコビッチはそれまでと別人のジョコビッチでした。昨年の全仏当たりまでは全盛期には遠いできで、本人もフラシュとレーションをためていました。

 しかし、バイダコーチを昨年4月に再び陣営に迎え入れると、7月のウインブルドンでは相手にテニスをさせて全て受け止めての完勝を連発し、全盛期を思わせる復活の片りんを見せると、その後の北米シーズンや上海マスターズでも勝ち続けました。

 パリやファイナルでは若手選手に屈する部分に全盛期を知る人には物足りなさを感じるものの、それでもランキング1位の座を盤石に固めつつあります。

 

どうしても勝てず、ついに14連敗

 2014年の全米SFで錦織はジョコビッチを破り決勝に進出しましたが、それ以降、その年のパリマスターズでの対戦から数えて実に14連敗となっています。その中でジョコビッチが不調期と言われた時期にも3試合程試合をしていますが、いずれも勝てませんでした。

 内容で押していても最後はジョコビッチが勝ちます。しかし、それは数少ない試合であり、多くの試合では錦織はジョコビッチに勝機すら見いだせずに敗戦する場合が多いです。

 ジョコビッチは精神的に大きく揺さぶりをかけてきます。そしてそれを可能にする守備力があります。厳しいコースに打っても読みのよさから悉く拾っていきます。最も最近は脱力して気を抜く場面と力を入れる場面で分けてセーブしつつ試合をこなしている節があります。この部分はフェデラーにも見られる通り、年により体力のペース配分を考えたプレイスタイルの変化とも言えるでしょう。以前のように圧倒的な勝利という場面は少なくなりましたが、それでも最後に勝っているのがジョコビッチです。

 

互いに疲れのある中での試合

 4回戦が終わった後、ジョコビッチはインタビューで対戦相手は5時間の激闘を叩かていると聞くと「グレイトニュース!」とオドけて笑いを誘いましたが、本心でもあるでしょう。

 本大会のジョコビッチは危なげなく勝ち上がってはいますが、体力的にはオフシーズン上りという事もありまだ出来上がっていない印象で持続力に掛ける部分が多く見られます。それが、シャポバロフ戦やメドベデフ戦のセットダウンにも表れます。最も彼ら若手選手が恐れを抱かないテニスをしているのもありますが、以前のように圧力で抑えつけるにはまだ体力をシーズン仕様にし切れていない部分もあるのでしょう。

 とは言え、グランドスラムを良く知っている選手でもあり、ペース配分であればむしろ錦織の方に大きな不安があります。1,2,4回戦とフルセットマッチを戦っており、その2回が10ポイントタイブレークまで持ち込まれています。この2試合は普通のタイブレークであれば負けていた2試合であり、ある意味幸運も味方しています。とは言え10ポイントを見据えてしっかりとルールにアジャストした結果でもあります。

 ただ、内容を見ればそれを抜きにしてもどっちに転ぶかわからないロングマッチで体力のリカバリーを本人も何度も口にしており、どれだけ回復できるかにかかります。

 

 これまでの相性や勝ち上がり方、双方がこの4年で15度目の対戦と、頻繁に対戦する事もあり、いつも通りのやり方では難しい試合となるでしょう。

 

試合開始

 試合は23日の日本時間の17;30以降にロッドレーバーアリーナ(センターコート)での試合開始となります。

 気候は快晴の中、現地時間19;30とやや涼しくなったロッドレーバーアリーナでの試合開始を待ちます。

 

 

1stセット

 第1ゲーム、ジョコビッチのサービス。やや緩慢な入りをした錦織のエラーが続き、ジョコビッチがラブゲームキープする。

 第2ゲーム、錦織のサービス。センターからの引き付けたフォアを決める錦織。しかしこのプレイが続かず長いデュース合戦になる。ジョコビッチにサイドラインから攻められブレークポイントを握られると、バックハンドリターンをネットにかけ、ジョコビッチがブレーク先行となる。

 第3ゲーム、ダブルファーストでの失敗をする余裕のあるジョコビッチがラリーでの優位を離さず楽にキープする。

 第4ゲーム、体が重い錦織は2ndサーブで120キロ台のサーブになるなどする。更にはジョコビッチの深いクロスリターンでデュースに。しかしドロップショットは打った瞬間顔を上げるようなミスショットとなるなどピリっとしない。結局錦織の2ndサーブをジョコビッチがリターンオーバーし、辛くもキープする。

 第6ゲーム、気分が落ちている様子がうかがえる錦織が簡単にジョコビッチにブレークされて2ブレークアップを許す。

 第7ゲーム、ジョコビッチのサービンフォーザセット。覇気の無い錦織を尻目にジョコビッチがラブゲームでこのゲームを取る。

 

 6-1 ジョコビッチが何もせずにセットを取る。

 

 ベンチに座ると錦織はセット間の時間を利用しドクターを呼ぶ。太もも辺りの違和感を訴える。

 試合としては錦織が19本のアンフォーストエラーに見えるように、ショットの精度が厳しい状況です。

 錦織はセット間の時間に更にテクニカルタイムアウトを使い入念に右太ももをマッサージし、厚いテーピングで巻く。

  

2ndセット

 第1ゲーム、錦織のサービス、体の動きは変わらないものの何とかキープする。

 第3ゲーム、ロングラリーに持ち込むと錦織はこらえきれない。3つのブレークポイントを握られるとリターンをネットに掛け先行ブレークを許す。錦織は重い足取りでベンチへと向かう。

 第5ゲーム、錦織の動きは戻らない。観客が湧く事もなくジョコビッチがブレークする。

 

 すると錦織がゆっくりと主審に歩み寄り、試合は終了します。

 

 この後ジョコビッチはインタビューで残念な気持ちと、試合に足を運んでくれた客のためにかなり長いインタビューを披露しました。

 

残念な結末も苦手の現れ

 

 今回は残念な結果に終わってしまいました。しかし、そこにはやはり強烈な苦手意識があったのは拭えません。

 リカバリーという意味ではカルロビッチ戦の方がデイセッションだった事もあり苦しかったはずです。ジョコビッチを相手にすると体力の回復だけでなく、心の回復も必要だったという事でしょう。その点でうまく調整できなかった事は残念でなりません。

 引き返す素振りからこの試合で痛めたというよりは上記のような要因の蓄積と見るのが普通であり、今後のツアー日程に大きな変更はないものと見ています。

 

 

 

 

 

2019 全豪オープン 4回戦 錦織 対 カレーニョブスタ 起伏最高潮の接戦を錦織が大逆転で制す!

 1月21日(月)現地時間の18時(日本時間の16時以降)に、マーガレットコート(セカンドコート)において、錦織選手の全豪オープン4回戦が始まります。

 相手はスペインの27歳、ランキング24位のカレーニョブスタです。

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2017年にブレークしたカレーニョブスタ、だがその背景には・・

 

 カレーニョブスタは2009年にメジャーデビューしてからしばらくは表立った活躍はありませんでしたが、2016年のサンパウロのクレーの大会でツアー初の決勝に進むと、8月のウィンストンで優勝。

 そして2017年は全仏ベスト8、全米でSFに進出するなどして一気にランキングを上げて、ツアーファイナルも補欠ながらも最終戦で出番が回り、最終的には10位でシーズンを終了しました。またこの年もツアー優勝を重ね、2年間で3勝をあげています。

 しかし、2017年と言えば主だったトップ選手が負傷等で戦列を離れている時期であり、トップ選手不在の中で上がったランキングだった事は否めません。

 2018年は怪我と体調不良もあり、年間でツアー決勝に一度も進めずにランキングを落としました。

 カレーニョブスタはクレーコートを得意としますが、コートの不得手は特になく安定したプレイを披露します。逆にいうと強い武器を持っていないとも言えます。

 

初対戦

 

 カレーニョブスタが27歳、錦織が29歳と中堅所の対決ながら、この対決はツアーでの初対決となります。

 その背景としては、錦織が順調にランキングを上げたのに対して、カレーニョブスタはしばらくはトップ100前後を彷徨いながら2015年頃からトップ30安定に至り、そして2016年中盤以降から活躍した選手です。

 錦織は2016年は活躍したものの2017年に入ると不安定なテニスとなり、更には8月に手首の故障で戦列を離れていたため、活躍の時期が見事に入れ違いになっています。またクレーを主戦場としている事も対戦が少なかった一因でもあるでしょう。

 

 錦織の速いテニスと、カレーニョブスタの粘りのプレイを考えると、サーブなどのショートポイントの試合にはならず、ストレートで勝負が付かない限りは長い試合となる事が予想されます。

 

初物にてこずるイメージの錦織、だが

 

 錦織選手は、初対戦の相手に我武者羅に向かってこられると受けに回り苦戦する傾向にあります。しかし、カレーニョブスタに関しては初対戦とは言え、知らない相手という事もなく、これまでにも何度も練習をこなしている選手です。

 また、プレイスタイルも攻撃一辺倒でミスも恐れぬ攻撃力を見せつけるタイプとは遠いスタイルであり、じっくり構えて互いの動きを見定めるようなテニスをしてきます。こうなれば攻めが早い錦織の方が一日の長があると考えるのが普通であり、初対戦だから序盤の立ち上がりで苦戦するという感じはしません。

 

 1stセット

 互いにブレーク合戦でスタートしたこの試合は、序盤5ゲームで互いに4ブレークをする展開でスタート。

 第5ゲーム、錦織のサービス、ブレークポイントを握られると浅いスライスのドロップを繰り出し、錦織がネットに掛けてブレークされる展開。

 この後は互いに深いラリーの応酬となるもキープし続けタイブレークへ。

 タイブレークは互いに攻めあうもネットに掛ける場面が目立ち、互いにミニブレークを取り合う展開となる。先にカレーニョブスタにフォアを撃ち込まれセットポイントを握られるも、クロスリターンエースで凌ぐ錦織。

 

 6(8)-7 終盤に好プレーを連発したカレーニョブスタが押し切る

 

2ndセット

 第3ゲーム、錦織のサービス。このセット立ち上がりから劣勢を強いられる錦織、ブレークポイントを握られると、リターンから圧力を強められ、最後は前に出てフォアを炸裂されブレークを喫する。錦織は両手を膝に当てて厳しい表情を見せる。

 第8ゲーム、錦織は攻めブレークポイントを握るも、カレーニョブスタは怯まず打ち込み、更には引き付けてのドロップショットなどで錦織を翻弄し、バモースの雄たけびと共にキープされる。

 第9ゲーム、錦織のリターンが読まれ2つのセットポイントを握られるも、錦織が開き直ったフォアショットやサービスエースを繰り出しキープする。しかし錦織の表情にそれほどの笑みは見られない

 第10ゲーム、カレーニョブスタのサービンフォーザセット。錦織はドロップやロブを見せるもカレーニョブスタに対応され3つのセットポイント。ここから錦織の横を抜くフォアショットを炸裂され、錦織は2セットダウンと追い込まれる。

 

 4-6 カレーニョブスタがミスの少なさと果敢な攻撃により翻弄される

 

3rdセット

 第3ゲーム、錦織のサービス。デュースが行きかう長いゲーム。最後は引き付けてのフォアでカレーニョブスタのリターンのバックアウトを誘い、カモーンの雄叫びと共にキープする。

 第5ゲーム、リターンを力なくネットに掛け2つのブレークポイントを奪われると、ワイドサーブで前に出る所を完全に読まれてストレートで撃ち込まれてバモースの雄叫びと共にブレーク先行される。

 第6ゲーム、カレーニョブスタが40-15まで持っていかれるも、デュースに持ち込む。ここからバランスを崩しながらのリターンエースでブレークポイントを握ると、カレーニョブスタのリターンがネットに掛かり、ブレークバックに成功する。

 このセットはこのままキープが続きタイブレークへ。

 タイブレーク 左 錦織 右 カレーニョブスタ

 0-1 錦織S 錦織がリターンをネットにかけるミニブレーク

 1-1 カレーS 錦織の早いクロスリターンにカレーニョブスタがネットに掛ける。ミニブレークバック。

 1-2 カレー 錦織のブロックリターンを力強くリターンされる。

 2-2 錦織 錦織のボレーが決まる

 3-2 錦織 錦織のワイドサーブのポイント

 4-2 カレー ネットに出てのリターン合戦を錦織が制す。ミニブレーク。

 5-2 カレー カレーニョブスタに劣勢を強いてリターンが大きく浮く。2ミニブレーク。

 5-3 錦織 11本のラリーで錦織のフォアが大きく浮く。1ミニブレークバック。

 6-3 錦織 錦織がボレーで持ち上げる。3セットポイント。

 6-4 カレー カレーニョブスタのセンターサーブに錦織がネットに掛ける

 7-4 カレー カレーニョブスタのリターンがサイドラインを割る。

 

 7-6(4) 錦織が粘りのショットで1セットを取り返す

 

4thセット

 第1ゲーム、カレーニョブスタのサービス。クロスリターンで攻める錦織がブレークポイントを握ると、引き付けてのドロップショットでカレーニョブスタのリターンをネットに掛け、いきなりのブレークスタートとなり波に乗る。

 第4ゲーム、錦織のサービス。攻め急いだリターンをネットにかけ2つのブレークポイントを握られると、バックハンドリターンのコントロールを大きく崩し、ブレークバックされる。

 第5ゲーム、互いに1stサーブの入りが悪くなる。するとカレーニョブスタも攻め急ぎリターンをネットに掛け錦織にブレークポイントが来る。するとまたもカレーニョブスタのリターンがネットに掛かりラケットを叩き落とす。錦織は再びブレークを先行させる

 第10ゲーム、錦織のサービンフォーザセット。長いラリーからのカウンターにもしっかり対応できるようになった錦織は、サービスエースも絡めてこのゲームラブゲームキープし、セットカウント2セットオールで追いつく。しかし最後はカレーニョブスタの左右に振ったラリーからのフォアストレートが決まり、カレーニョブスタが10-8で接戦のセットを制す。

 

 6-4 錦織フルセットに持ち込む。

 

ファイナルセット

 第1ゲーム、カレーニョブスタのサービス。互いにトイレットブレークを取り迎えたファイナルセット。カレーニョブスタは気分を入れ替え厳しいコースに打ち分けてキープする。

 第2ゲーム、錦織のサービス、コートをワイドに広く使いカレーニョブスタを揺さぶりキープする。

 この時点で試合時間は4時間を超え、ここまでの最長試合時間となる事が確定する。

 第3ゲーム、錦織がクロスラリーから逆を突くフォアストレートで0-30とリードする。更には深いライン際のリターンにカレーニョブスタのリターンがネットを越えず3つのブレークポイントを握る。そしてカレーニョブスタの2ndサーブをバックハンドでダウンザラインにリターンエースを強烈に決めて、先行ブレークを果たす。錦織は雄叫びを挙げながらラケットを空中に放り投げる。

 第4ゲーム、カレーニョブスタに1stポイントをうまくリターンされるも、そこからはネットに出るなど、常にラリーを支配しキープする。

 第5ゲーム、カレーニョブスタが回り込んでのフォアを決めると、サービスエースでラブゲームキープする。

 第6ゲーム、3分程のインターバルの後試合再開。20本以上に及ぶ意地のラリーから錦織がネットに出てボレーで沈め1stポイントを取る。しかし、早いラリーからのカレーニョブスタの低い弾道のリターンを錦織がネットにかけカレーニョブスタに2つのブレークポイント。ここから錦織のリターンがイレギュラーする幸運もありデュースに。アドバンテージを握ってもリターンをネットに掛けるなどし、激しいデュースが行きかう。そして最後は深いクロスの応酬からの深いリターンをカレーニョブスタがアウトし、拳を突き上げるキープを果たす。コーチのマイケルチャンも顔を紅潮させながら歯を食いしばりガッツポーズをするなど、このゲームがいかに厳しかったかを物語る。

 第7ゲーム、カレーニョブスタはあきらめずに力強いフォアクロスを炸裂させるなど、バモースの声を発しながらキープする。

 第8ゲーム、カレーニョブスタは粘る、錦織のロブショットに反応、更にはスマッシュをも大外からのナダル張りのフォアを見せるもわずかにラインを捉えない。更には錦織もギアを上げサービスエースでこのゲームをキープしゲームカウント5-3とする。

 第9ゲーム、カレーニョブスタはダブルファーストサーブを放つなど、最後まで諦めない。最後も攻めのセカンドサーブで錦織のネットを誘いキープする。

 第10ゲーム、錦織のサービンフォーザマッチ。1stポイントは錦織のリターンが大きく浮く。引き付けてのフォアを決め15-15。長いラリーから錦織がフォアクロスを放つもサイドアウトで15-30。ここでコートがあいた所をフォアで決めようとしたショットが力みネットにかかり2つのブレークポイントを握られる。2ndサーブでネットに出たカレーニョブスタの横を抜くショットで30-40.ここで引き付けたフォアがネットに掛かり土壇場でカレーニョブスタがブレークバックに成功してしまう。

 第11ゲーム、この場面でこの日最速の198キロのサーブを繰り出すカレーニョブスタ。終盤にきても力強いプレイが衰えず、バモースの大声と共にキープする。

 第12ゲーム、カレーニョブスタの粘りにリターンを大きく外し1stポイントを失うも、またも粘りが要求されるラリーで凌ぐ。最後はサービスエースで、試合は10ポイントタイブレークに突入する。

 

 10Pタイブレーク 左 錦織 右 カレーニョブスタ

 0-1 カレーS 錦織にチャンスボールが来るもネットに掛けてしまう。

 1-1 錦織S クロスに振りカレーニョブスタのリターンがサイドアウト。

 1-2 錦織S カレーニョブスタのバックハンドクロスが決まりミニブレーク。

 2-2 カレーS カレーニョブスタのバックハンドリターンがネット。ミニブレークバック。

 2-3 カレーS サーブリターンを錦織が大きくアウト。

 2-4 錦織S 錦織有利のラリーだったが、大外からのバックハンドストレートがラインに収まりミニブレーク。

 3-4 錦織S 錦織がフォアの逆クロスを決める。

 3-5 カレーS 錦織のリターンが僅かにアウト。

 4-5 カレーS 緩急のあるラリーからジャンピングバックハンドがライン際に決まり、ミニブレークバック。

 4-6 錦織S カレーニョブスタのリターンがネットにかかりイレギュラーし錦織のリターンがアウトに。ミニブレーク。

 5-6 錦織S 錦織がネットに出てカレーニョブスタにプレッシャーを掛ける。

 5-7 カレーS センターのサービスに錦織のリターンが合わない。

 5-8 カレーS カレーニョブスタが圧力をかけると錦織のリターンがネットに。

 6-8 錦織S カレーニョブスタがネットにかかり落ちたボールを錦織がリターン。アウト判定もカレーニョブスタはチャレンジで成功。しかし、主審がアウトコールがなければ錦織のポイントと判断し、このチャレンジを破棄する。するとカレーニョブスタ陣営共々に怒り猛抗議する。も覆らず。

 7-8 錦織S 錦織のサーブをカレーニョブスタが力強くリターンするもわずかにアウト。

 8-8 カレーS 互いに我慢のラリーも、錦織が左右に揺さぶる際どいショットを放つと、カレーニョブスタは追いつけず大の字になり疲れを表す。ミニブレークバック。

 9-8 カレーS 粘りのラリーからカレーニョブスタのリターンがわずかにアウトとなり、ミニブレークと共にマッチポイントを錦織が握る。

 10-8 錦織S ワイドのサービスエースを決めてこの大接戦を錦織が制しました。

 

 7-6(8) 10ブレーク2試合目も絶対絶命からの大逆転で錦織が制しました。

 

 錦織は大きく喜ばず静かな笑みを浮かべます。しかしカレーニョブスタは悔しさよりも何よりも足早に錦織と握手すると、荷物の入ったバックを大きく地面にたたきつけ、主審に大きな声で暴言を発して会場を後にしてしまいます。

 

 錦織「最後のセットどうやって戦ってたかよくわからなかった。最初の2セットを落としたので1ゲームずつ取るように気を引き締めました。次の相手の事など考えられない、自分の体力をリカバリーする事に注力します。長い試合だったが力を出し切れた。最後のセットは互いに素晴らしいパフォーマンスだったと思う。」

  「素直にうれしい。今は疲れの方が大きいが、タフな試合を勝ててよかったです。5-8になった時は厳しいと思った。7-8でもまだレシーブの劣勢だった。彼もよかったので1stセットより2ndセットはチャンスがなかった。深いボールで攻める場面を増やせたのがよかったかもしれない。とにかく無心でやってるので、最後まえあきらめずにプレイしています。とりあえずリカバリーしてプレイはいい(相手のこと)ので休みます。」

 

 

 非常にタフな試合をモノにした事で錦織がまた階段を1つ上がった試合ともいえるでしょう。第3セットを取ってからは錦織がやや有利な場面が多かったものの、サービンフォーザマッチを落としてからはカレーニョブスタは果敢に攻めてタイブレークでも後手に回る危険な状態でしたが、1つの主審のプレイが曰くつきのものとなってしまったのは残念です。

 

オーバールールの類

 タイブレークでチャレンジが成功していたものの、その選手がポイントを失うという珍しいシーンですが、主審はアウトでなくてもポイントは錦織のものだったとの主張から起こった出来事でオーバールールという主審の特権のようなものです。

 とはいえ、アウトと大きくコールされた事によりカレーニョブスタの反応も落ちていた事、更にはフットワークが素晴らしいできだったカレーニョブスタであればあれは確実に錦織のポイントだったとは言い切れないです。錦織のショットはアウトコールした後に放たれていました。これも大きく、アウトコールがあったからこそのショットだったと言える方が正しいシチュエーションに見えました。ですのでこれはリプレイポイントが妥当と判断すべきでしょう。

 

 2年前のモンテカルロのナダル対ゴファンで誤審によりナダルからポイントを取れずゴファンがそのまま失速した試合が流れが変わった試合として印象的でしたが、この試合は終盤も終盤だっただけに、カレーニョブスタの試合後の怒りのパフォーマンスを攻める気にはなれません。

 それでもポイントでまだ8-6でカレーニョブスタ有利だった事を考えると、この試合に負けた事でなおさら彼のプレイに傷がついてしまわないかが心配な所ではあります。

 

 対する錦織は絶対絶命と、絶好のチャンスを幾度も繰り返すこの試合を結局の所モノにしたのは大きいです。今後も絶対不利な状況から巻き返す力になる可能性は高いです。そしてそれがより上位の選手と戦う時生きていければと思います。

 

 錦織のQFの相手は現在対戦しているジョコビッチ対メドべデフの勝者となります。こちらも接戦となっており、かなり強度のある相手となります。

 

 

 

2019 全豪オープン 3回戦 錦織 対 Jソウザ

 1月18日(土)、オーストラリアのメルボルンで行われるグランドスラム、全豪オープンの3回戦が行われます。

 

 錦織はここまで1、2回戦をフルセットで凌いだものの、ブリスベンの優勝からすると、その勢いを持続して持ってきてはおらず、苦しい戦いが続いています。

 3回戦のソウザは早いサーブと回り込んでのフォアショットに定評はあるものの、くみしやすいタイプの相手にもかかわらず、過去の対戦成績は1勝1敗と差がありません。

 また、錦織選手の試合は早い時間帯の試合開始となり、平日は特に視聴が厳しくなっています。

 

 

1stセット

 第1ゲーム、ソウザのサービス。果敢にネットに出る錦織がブレークポイントをモノにしていきなりのブレーク先行となる。

 第4ゲーム、錦織のサーブ。簡単のリターンをネットに掛け、更にはダブルフォルトで0-30となる。更にはダブルフォルトを連発し2つのブレークポイントを握られる。更に前に出てのスマッシュを放つも大きくラインを割り、ミス連発でブレークバックを許す。

 第5ゲーム、ソウザの攻め急ぎで15-30と錦織が先行するも、連続でサーブポイントを決められてキープを許す。

 ソウザは序盤から正確性を無視して一か八かの強打を連発しており、錦織が少しタイミングを狂わされている印象です。

 第6ゲーム、クロスに正確にストロークする錦織が楽にキープする。

 第8ゲーム、互いに際どいボールを拾いあう27本のラリーを錦織が取り切る。

 第9ゲーム、錦織がベースラインから中に入るプレイでポイントを先行するも、フォアの強打を連発し凌がれキープされる。

 第11ゲーム、左右に激しいラリーからのドロップショットで錦織がブレークポイントを握る。しかし強打やサーブで押し切られキープされる。

 第12ゲーム、ソウザの時間を奪う速攻で錦織がラブゲームキープでタイブレークへ。

 

 タイブレーク 左 錦織 右 ソウザ

 1-0 ソウザS ソウザのリターンが僅かにサイドアウト、ミニブレーク。

 2-0 錦織S センターのサービスを決める。

 3-0 錦織S 深いクロスを決める。

 3-1 ソウザS ソウザが引き付けてのフォアを沈める。

 3-2 ソウザS ワイドサーブを決める。

 4-2 錦織S ソウザの強打がアウト

 5-2 錦織S クロスラリーを錦織が制す

 5-3 ソウザS ワイドサーブが際どくラインに掛かる

 5-4 ソウザS センターのサービスエース。

 6-4 錦織S ソウザがリターンをネットに掛ける。錦織2つのセットポイント。

 6-5 錦織S 錦織が押されて苦し紛れのドロップがアウト。ミニブレークバック。

 6-6 ソウザS 有利なラリーから錦織のフォアクロスがアウト。

 7-6 ソウザS ソウザの強引なフォアリターンがサイドアウト、ミニブレーク&セットポイント。

 8-6 錦織S 錦織のスピンのかかったリターンをソウザがサイドネットに掛け、錦織が辛くもこのセットを取る。

 

 7-6(6) 錦織セットアップ

 

2ndセット

 第1ゲーム、錦織のサービス。やや落ち着きを取り戻した錦織がソウザを左右に振り楽にキープする。

 第2ゲーム、デュースまで持ち込むも、ソウザが食い下がるラリーでキープされる。

 第4ゲーム、深いショットで2つのブレークポイントを掴むと、クロスからのリターンをソウザがネットに掛けブレーク先行する。

 第6ゲーム、深いショットで組み立てを続ける錦織に対して、ソウザは声を荒げナーバスな姿を見せる。そしてフォアの強烈なリターンをバックハンドで返され、このゲームも錦織がブレークに成功し、2ブレークアップとなる。

 

 6-1 錦織2セットアップ

 

3rdセット

 第1ゲーム、ソウザのサービス。錦織が左右に振ると、ソウザのリターンが狂い、ここでも錦織がブレークに成功する。錦織は6ゲーム連取となる。

 第3ゲーム、ソウザのショットが徐々にずれてここでも錦織がリターンショットで厳しく攻め、これで錦織が4連続ブレークで8ゲーム連取となる。

 第8ゲーム、錦織のサービンフォーザマッチーザマッチ。丁寧なストロークでポイントを重ねる錦織。最後はラインに振ってのフォアショットを炸裂させ、錦織がストレート勝利を飾りました。

 

 6-2 錦織がセットカウント3-0で勝利

 

 

 錦織「今日の後半は感覚のよいラリーが出来た。相手の周りこみフォアにもしっかり対応できたと思う。1,2回戦が接戦だったので、今日はうまく試合を運べた。」

 

 

 

 今日は1,2回戦に比べて序盤はサーブの調子が悪く、ソウザの強打のフォアにかなりの苦戦を強いられました。

 しかし僅差の2セットを取ると、第3セットでは相手のプレイをさせながら冷静にコーナーを突き、そして課題のフォアショットのウイナーを量産しました。インタビュアーも言っていたように今日は24本のフォアウイナーを記録したと言及する通り、フォアがいつもよりも回復している事を指摘しておりましたし、試合中でもその様子が見えました。

 

 4回戦の相手はフォニーニ対カレーニョブスタの勝者です。どちらがきてもシード常連選手という事で気の抜けない試合となりそうです。

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