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2019 グランドスラム 全豪オープン マレー衝撃の今シーズン限りでの選手生活に終止符

 1月14(月)から二週間にかけてオーストラリア・メルボルンで今シーズン最初のグランドスラムが開幕します。

 しかし、プレスカンファレンスの中で最も衝撃的な出来事がおこりました。

 今シーズン限りで選手生活に終止符を打つ事をマレーが表明してしまいました。

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 臀部の痛みが引かず、涙を浮かべての会見

  マレーはプレスカンファレンスに神妙な面持ちで挑みましたが。言葉言葉に詰まる部分が見られ、臀部の痛みが引かず、このままの状態でプレイを続けるのは本意ではない。できれば、ウインブルドンまでプレイしたいが、その確証は持てない。。と悲痛に満ちたプレスカンファレンスでした。

 

1月14日センターコート第4試合に試合 相手はバウティスタ・アグート

 昨年手術でほぼ1シーズンを棒に振ったマレーですが、今シーズン初めに行ったジョコビッチとのエキシビジョンでも第2セット途中で試合を切り上げ、心配そうによりそうジョコビッチの様子が映し出されていました。

 本日試合となりますが、どう考えても万全の状態で挑む事はできないでしょう。ましてや相手はトップ20に長く君臨するバウティスタ・アグート。派手さはないものの安定したプレイぶりでミスの少ない選手です。今の状態のマレーとしては最も崩しにくいタイプの選手と言えるでしょう。

 

 

シード選手

 

 

 シード1 ノバク・ジョコビッチ

 シード2 ラファエル・ナダル

 シード3 ロジャー・フェデラー

 シード4 アレクサンダー・ズべレフ

 シード5 ケヴィン・アンダーソン

 シード6 マリン・チリッチ

 シード7 ドミニク・ティエム

 シード8 錦織 圭

 

 シード9 ジョン・イズナー

 シード10 カレン・ハチャノフ

 シード11 ボルナ・チョリッチ

 シード12 ファビオ・フォニーニ

 シード13 カイル・エドマンド

 シード14 ステファーノ・チチパス

 シード15 ダニエル・メドべデフ

 シード16 ミロシュ・ラオニッチ

 

 シード17 マルコ・チェッキナート

 シード18 ディエゴ・シュワルツマン

 シード19 ニコラス・バシラシビリ

 シード20 グリゴール・ディミトロフ

 シード21 ダビド・ゴファン

 シード22 ロベルト・バウティスタ・アグート

 シード23 パブロ・カレーニョブスタ

 シード24 チョン・ヒョン

 

 シード25 デニス・シャポバロフ

 シード26 フェルナンド・ベルダスコ

 シード27 アレックス・デミノー

 シード28 ルーカス・プイユ

 シード29 ジル・シモン

 シード30 ガエル・モンフィス

 シード31 スティーブ・ジョンソン

 シード32 フィリップ・コールシュライバー

 

 シード選手の恩恵は3回戦までシード選手と当たらない事です。

 また、1~8位と25位~32位が3回戦で当たるため、シード8の錦織選手はジョコビッチ等のトップ選手との対戦はSFまで避けられる事になります。 

 

日本人選手予選

 日本人選手では、ストレートインが既に決まっている錦織、ダニエル太郎、西岡の他に、予選から伊藤の4人の参加者となりました。

 


 


 

ドロー表

  デルポトロが昨年上海での膝の膝蓋骨の骨折からまだ復帰できず欠場になり、またマレーが万全とは程遠い状態での強行出場、昨年ほとんど活躍できなかったベルディヒが初戦のエドマンドとどのような戦いをするか、初日から注目が集まるドローとなります。

 

Aブロック ジョコビッチへの挑戦権をだれが掴むか・・・

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本命 ジョコビッチ

対抗 錦織、メドべデフ

 絶対的強さを取り戻したジョコビッチに対するグループ。とはいえトップ選手の数は少なく、番狂わせも起きにくく感じます。

 錦織の勝ち上がりの障害はなさそうですが、ダニエル太郎の初戦の相手は予選上がりながらも強烈な攻撃性能を持つコキナキスが相手と厳しいです。昨年のマイアミ初戦でフェデラーを倒しているのもあり、ハマった時の攻撃性能はトップクラスです。

 

Bブロック 本命不在のブロック

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本命 ズベレフ

対抗 チョリッチ

 ジョコビッチ、ナダル、フェデラーの居ない穴場のグループですが、他の選手を見ても予測が難しいブロックとなります。

 ズベレフはグランドスラムで結果を残しておらず、その面で考えればフェデラーを2度破って大舞台で力を発揮し始めたチョリッチが上がる可能性が高いように感じます。

 

 


 


 

Cブロック 激戦区、フェデラーとチリッチが激突

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本命 フェデラー

対抗 チリッチ

 昨年のファイナリストが同居する激戦区となりました。更にはメキメキと実績を積み上げたハチャノフやチチパスと若手有力株もひしめき、非常に見ごたえのあるブロックとなりました。

 

Dブロック ナダルの前に立ちはだかる巨人

 

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本命 ナダル

対抗 アンダーソン

 昨年の終盤、怪我により欠場したナダル。ここ数年はクレイシーズン以外は怪我との闘いが続くナダルが、この大会にどれ程のパフォーマンスを見せるかは未知数です。

 それを考慮すると、ここ最近は好不調の波もなくなり安定して上位進出するようになったアンダーソンが最大の対抗馬になりそうです。サーブのみならずベースライン付近でのストロークも安定感が増しています。

 同じ巨人のイズナーですが、全豪はどうも相性がよくなく、早期敗退もありそうです。

 


 


 

日本人選手 

錦織(8) ジョコビッチとの対戦まで勝ち抜けるか

 ブリスベンで楽天のリベンジとの言わんばかりにメドべデフを粘りで退けて2年11か月ぶりの優勝を飾った錦織の体調は万全でしょう。

 トーナメントを見る限りはベテランとのシード選手対決、あるいはその他の選手という形で障害とはならない勝ち上がりを期待できます。

 しかし、なんといってもSFにとてつもない大きな壁があります。昨年は重要な局面ですべてこの壁にはじかれましたし、現在13連敗中です。ジョコビッチはシーズンが進めば進むほど盤石の状態になっており、今大会でもその状態のジョコビッチと試合をする事がまずシーズンを始める上で重要になってくるでしょう。

 

伊藤 まずは1勝

 3年ぶりのグランドスラム本選を勝ち取った伊藤に関しては、相手の強さよりもまずは自分のテニスをしての1勝となるでしょう。その相手はグランドスラム常連のエバンスとなりました。シード選手ではないものの場慣れしており、厳しい戦いとなるでしょう。

 

ダニエル太郎 まずは1勝 

 ダニエルの場合は伊藤とは1勝の内容が異なってきます。なぜならばドローがかなり厳しいからです。

 初戦のコキナキスは2年前の全仏で錦織を苦しめ、昨年のマイアミではフェデラーを破る事もできるようにツボにはまった時のテニスはトップ10に匹敵するプレイ強度を見せます。更には2回戦ではおそらくシャポバロフが来ます。攻撃性能に優れたサウスポーで厳しいです。かつこの強敵2人を倒した先には、現在史上最強のジョコビッチと、何重にも壁が分厚く構えます。

 このようなドローであれば1勝でも十分価値があります。自分のテニスをするだけではいずれも勝てないような相手です。相手の攻撃性能を押さえながらミスを少なく、しかし必ずどこかで仕掛けないとセットを取れないでしょう。

 

 

西岡 復活を本格的にしていきたい大会

 昨年の深センの優勝でランキング100以内に突入し、本選からのストレートを今年一杯できそうな位置にいる西岡。昨年はシード選手のコールシュライバーを破りましたが、今年の初戦もサンドグレンと難敵です。サンドグレンは昨年の全豪でベスト8まで進んでおり、このコートを得意とする選手です。

 これを破ると2回戦ではトップ選手の一員となった感のあるハチャノフとの対戦が避けられないでしょう。まずは1勝です。

 

 


 


 

テレビ放送

民放

 民放での放送は予定されていません。錦織選手が勝ち上がった場合にNHKで単独試合の放映権を取る可能性はあります。

CS系

WOWOW、WOWOWオンデマンド 

 グランドスラムの試合はWOWOWが放映権を握っており、日本人選手を中心に注目試合を放送する予定です。

 また、パソコンやタブレットなどでの3チャンネルのオンデマンド放送にも対応しています。

 また、WOWOWオンデマンドは、1回戦1日目の試合が無料で視聴が可能となります

   

 


 

 

 

 

 

2019 グランドスラム 全豪オープン 1回戦 マレー 対 バウティスタ

 衝撃的な今シーズン限りでのプレイ生活に終止符を宣告したマレーの1回戦が1月14日、日本時間午後5時より行われています。

 1回戦の試合にかかわらず超満員に膨れ上がったセンターコート。

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1STセット

 前哨戦では途中で試合を切り上げたように、本調子とは程遠い中迎えるこの大会。先日の会見もあり、1日目から超満員の中試合が行われる。

 相手は、ストローク力に定評があり、ミスの少ないバウティスタ・アグートです。

 

 序盤は互いに探り探りの中のテニスが続く。

 その中でも左右に振られると悲鳴にも似た声で追うマレーの姿がやはり痛々しい。

 プレイレベル的には痛がる素振りもなく、サーブを打つたびに声を張り上げるマレーの姿がある。

 

 第9ゲーム、マレーのサービス。1stサービスイン率が50%を割るマレー。左右上下に揺さぶられたマレーが、このセット2度目のブレークポイントを握られる。更に長いクロスラリーで攻められて、前に出てのリターンをネットにかけ、ついにマレーがブレークを許してしまう。

 

 まだ1セット目にもかかわらず体中に大粒の汗を滴らせるマレー。かなり苦しそうな表情を見せる。

 

 第10ゲーム、バウティスタのサービンフォーザセット。ラリーに食らいつくマレーを嘲笑うようなドロップで崩すバウティスタ。更には鋭角に左右に振るバウティスタ。マレーは食らいつくも取れない。バウティストのサーブにリターンエースをねらうもわずかに外れ3つのセットポイント。そしてセンターへのサービスエースが一度覆るもリターンアウトで第1セットは終盤でバウティスタが差し切る形の6-4でセットを制する。

 バウティスタは対マレー全負で1セットも取ったこともありませんでしたが、これで初セット奪取となりました。

 

 終盤に差し切ってはいるものの、ギリギリの勝負・・・・とは言えません。

 バウティスタがプレイ強度を自在に操っている印象で疲れもほとんどありません。

 対してマレーは声を張り上げ、厳しいボールにも必死にくらいつきますが、プレー精度の面でも「ノーー!」と大声を上げるなど、自分のプレイができてない部分にストレスを感じている部分もあります。かつ大量の汗を見ても痛みを抱えてのプレイが相当負担になっているのが画面越しにもわかります。

 マレーにとっては大変に厳しい状況と言えるでしょう。

 

2ndセット

 第1ゲーム、マレーのサービス。歯を食いしばるマレーがサーブで押し、拳を握りしめるキープを見せる。

 第2ゲーム、左右に振る度に悲鳴を上げながらおいかけるマレーの姿に観客も顔を背けるシーンが映し出される。しかし諦めない精神で動き続けるマレーがライン際からのダウンザラインショットを決め2つのブレークポイントを掴む。しかし、コーナーを突くバウティスタのプレイにブレークできずキープされる。

 第3ゲーム、どんなボールも追いかけるマレーが、強烈なアングルクロスを決めガッツポーズを見せこの試合初のラブゲームキープする。

 第5ゲーム、厳しい攻めで2つのブレークポイントを握られるマレー。ロングラリーから前に出られてボレーで沈められ、マレーがブレークを許す展開となる。

 第10ゲーム、バウティスタのサービンフォーザセット。互いにクロスラインに厳しいリターンで応酬する。しかし守勢に回るマレーは苦しい。リターンが持ち上がらないマレーはセットポイントを握られると、ワイドサーブでこのセットも6-4でバウティスタがとり2セットアップ。マレーは追い込まれる。

 

3rdセット

  第3ゲーム、バウティスタが左右に揺さぶり、それに対応したショットもすべて防がれ0-30に。更にはネットに出てのバックハンドボレーを沈められ、3つのブレークポイントを握られる。そしてセンターのリターンショットがネットに掛かり、このセットも先行ブレークを許すマレー。

 第4ゲーム、マレーの兄ジェイミー、母親が神妙な面持ちで見守る中、綱に動かされて伸びきった腕から攻めのショットできないマレーに対して、常に膝を曲げて待ち構えて攻守両面に自在にリターンを放つバウティスタの構図は変わらない。ここから逆を突くショットでバウティスタを崩して3ポイントを奪取して一気にブレークポイントを掴むマレー。ここからしぶといショットで粘るマレーがブレークバックに成功する。母親は立ち上がり涙を浮かべ、マレーは疲労はあるものの両手で何度も観客を煽る。

 第5ゲーム、ブレークの後の重要なゲーム。ここで力を振り絞り強度のあるショットを立て続けに決めてラブゲームキープを果たす。

 第9ゲーム、明らかに疲れが見えるマレーがショットに精度を欠きブレークポイントを握られる。ここはダウンザラインのショットで際どく決めてデュースに。更には逆を突くショットを連発し必死のキープを見せる。

 第10ゲーム、鋭いショットで巻き返すマレーがデュースに持ち込む。更にはリターンで攻め、ついにマレーがセットポイントまで持っていく。ここでセンターのラリーの応酬でネットに掛けてしまうマレー。結局取り切れずにバウティスタがキープする。

 第11ゲーム、ここにきてサーブに勢いを増すマレーが最後もセンターのサービスエースを決めキープする。

 第12ゲーム、バウティスタも負けじとセンターのサービスエースを決めタイブレークに。

 

 タイブレーク 左 マレー 右 バウティスタ

 1-0 マレーS 際どいサーブからの攻めでバウティスタのリターンがネット

 2-0 バウティスタS マレーのバックハンドスライスが決まりミニブレーク

 2-1 バウティスタS センターのサービスエース

 3-1 マレーS ワイドのサービスエース

 4-1 マレーS バウティスタのリターンがバックアウト

 4-2 バウティスタS バウティスタのサービスエース

 4-3 バウティスタS バウティスタのドロップショットが決まる。マレーは両ひざに手を当てる。

 5-3 マレーS ワイドのサービスエース

 5-4 マレーS バウティスタのライン際ストレートが決まる。ミニブレークバック。

 6-4 バウティスタS バウティスタがリターンミス。マレー2セットポイント。

 6-5 バウティスタS バウティスタがアングルクロスを決める

 7-5 マレーS ワイドサーブで崩し、ういたボールをグランドスマッシュで沈め雄叫びと共に大きなガッツポーズを見せ、1セットを取り返す。

 

 ベンチに戻ってからも感情が高ぶるマレーが何度もガッツポーズで鼓舞する。この気持ちがあれば、引退撤回もあるかもと思わせるようなそんな仕草にも見えたものの、どうなるでしょうか。

 

4thセット

 第1ゲーム、バウティスタのサービス。ペースを変えないバウティスタがマレーを左右に大きく揺さぶりキープする。

 第2ゲーム、マレーのサービス。第3セットからサービスが向上したマレーはショートポイントの連続でこのゲームをキープする。

 第3ゲーム、マレーは動きを最小限にしようと、ヤマが外れたボールは追おうとせず、取れるポイントに集中しだし30-30とする。しかしクロスリターンでマレーを抜きキープする。

 第6ゲーム、0-30となるも、ここからネットに出るプレイやサーブでレッツゴーの声と共にキープする。

 第10ゲーム、攻撃できるようになってきたマレーは今度はドロップショットにも反応しキープする。

 第11ゲーム、マレーは甘いドロップを叩かれ大声を上げる。さらにはサービスエースでキープする。

 第12ゲーム、近くで大きな花火の音が鳴る中、マレーがサーブで崩しラブゲームキープでまたもタイブレークに。

 

 タイブレーク

 1-0 バウティスタS 深いラリーからマレーが攻めを繰り出しバウティスタのリターンがアウト。ミニブレーク。

 1-1 マレーS バックハンドストレートをミスしミニブレークバック。

 2-1 マレーS サーブでバウティスタを崩す

 3-1 バウティスタS クロスラリーでバウティスタがネットに掛けミニブレーク。

 4-1 バウティスタS クロスのスライスでバウティスタのオーバーを誘い2ミニブレーク。

 5-1 マレーS バウティスタのアングルクロスにマレーがボレーで超反応。

 6-1 マレーS ドロップで前につり出してラインを抜く頭脳的ショット。

 6-2 バウティスタS マレーがショートボレーをネットに掛ける。

 6-3 バウティスタS バウティスタのスマッシュにマレーが反応もこれにバウティスタがボレーで応戦。

 6-4 マレーS クロスラリーでバックハンドリターンをマレーがネットに掛ける。

 7-4 マレーS ワイドサーブを決めマレーが大きくガッツポーズで2セットオールで並ぶ。

 

 マレーの信じられない粘りによりついにファイナルセットに突入します。第3セットでブレークされた場面からのまさかの展開です。

 プレー的には前半に比べてあきらめるときと行く時の取捨選択がハッキリしている事から勝負勘がどんどん戻ってきているのは明らかです。

 更には序盤の1セットで汗だくだった姿から汗が引き、息を切らす場面も減ってきました。疲れはあるはずですが2セットを盛り返した事と、観客の大きな声援がマレーを大きく後押ししています。

 

ファイナルセット

 第1ゲーム、ここまでミスの少なかったバウティスタのリターンにバックアウトが格段に増えだしてきている。マレーはこれを利用し、涼しい表情でキープする。

 第2ゲーム、互いにドロップやロブを追いあい必死にリターンした後、バウティスタが僅かにリターンが外れると観客が大いに沸く。更にクロスリターンがアウト。バウティスタのアウトリターンが更に増え0-30に。この苦しい場面でコーナーのショットでマレーを崩し「バモス」と叫ぶバウティスタ。最後はマレーのフォアクロスがラインの外に外れバウティスタがキープする。

 第3ゲーム、ミスショットを連発しバウティスタに2つのブレークポイントを握られる。するとライン際をえぐられこのバックハンドリターンがネットにかかり、ここにきてバウティスタがブレークを先行させる。

 第4ゲーム、バウティスタがラブゲームキープを淡々とすると会場は静まり返る。

 第5ゲーム、やや辛い表情が増えてきたマレー。ミスショットが増えこのゲームもブレークポイントを握られる。そして深いクロスショットのリターンがネットに掛かり、絶望の2ブレークアップを許す。

 先ほどの自分を鼓舞する表情から、やや諦めにもにた表情で空を見上げるマレー。

 第6ゲーム、マレーのリターンに粘りが見られない。更にはバウティスタは声を張り上げマレーの反撃を許そうとせずキープする。結局あっさりキープし、マレーは追い込まれる。

 第7ゲーム、マレーを鼓舞する観客の声。するとマレーは目にうっすら涙を浮かべ、手を挙げる。左右に振りまくる壮絶なラリーの末、バウティスタが容赦なくライン際にリターンを決める。更にはコードボールの不運もあり30-30に。更にはリターンをネットにかけ、ついにバウティスタにマッチポイントが来る。しかしここはマレーが走り切りデュースに。更にはネットに詰め、サービスエースも決め必死のキープを見せる。しかしマレーの表情は変わらない。

 第8ゲーム、バウティスタのサービンフォーザマッチ。苦しい表情のマレーのリターンは力がない。更にはバウティスタがスマッシュをたたきつけ、バウティスタが3つのマッチポイントを掴む。

 そして最後は深いクロスリターンをバウティスタが決め、大きなガッツポーズを見せこの試合を締めくくる。

 

 本来なら敗れた選手は引き下がるが、マレーはバウティスタが勝利インタビューをしているにも関わらずベンチに座ったままです。

 これが何を示しているかは想像に難しくないでしょう。

 

 そして、、、

 

 マレー「こんな試合になるとは思ってもいなかった。観客の声援が自分のプレイを後押してくれたんだと思う。(言葉に詰まり)いつもはここに戻ってくる事を楽しみにしているんだが・・・。とにかく今日はロベルト(バウティスタ)の陣営の勝利を祝うよ。ただ、自分の陣営もよくやってくれた。このメルボルンでの試合はこれが最後になる。もし、、、もし戻ってくるのなら大きな手術をしなければいけない。。それは確約できない。。」

 ここで色々な選手のメッセージが会場に映し出される。マレーはそれをずっと遠い目ながら見つめる。

 そしてすぐにありがとうの言葉を伝えてその場を去ります。

 

 これはかなり微妙な演出になったように思います。

 マレー自身のこの最後の言葉「大きな手術をすれば・・・」の部分からは、もう一度戻ってこれる可能性を感じたという表現に聞こえました。

 この試合も第3セットのセットダウンからの脅威の粘りを見ると、彼のテニスへの熱が戻ってきている事を思わせるような粘りでした。にもかかわらず惜別のメッセージを贈られた事に多少困惑しているような素振りもありました。マレーの中ではフェデラーのようにコートを絞っての現役続行に光を見ていると感じる所があります。

 

 マレーの今後の動向にはまだまだ予断を許さないでしょう。しかしながら非常に精神力の強い、見たものに訴える試合をしてくれたのは確かです。

 

 

 

 

 

 

 

2019 ATP250 ブリスベン 決勝 錦織 対 メドべデフ  錦織が2年11か月ぶりのツアー優勝を飾る!

 2019年最初の大会となるオーストラリア、ブリスベン大会の決勝。錦織はディミトロフ、シャルディを倒して決勝に駒を進めます。

 対するは楽天オープン決勝で苦杯をなめたロシアのメドべデフとなりました。

 

 

1stセット

 バックハンドを主体に攻める錦織が内容も優勢に試合を進め1ブレークを守り切り6-4でこのセットを取る。

 

2ndセット

 1stセットを取った事により、攻めに行くのでなくしっかり待ってメドべデフのミスを待ち8度のブレークポイントを掴む錦織は、しかしものにできず、第7セットの唯一のブレークポイントをものにされて、優勢に進めながらも、3-6でまさかのセットダウンとなり、セットオールとなる。

 

ファイナルセット

 嫌な形のファイナルセットの出だしはメドべデフが攻勢、これに対して錦織のバックハンド精度が狂いピンチを迎えるも凌ぐ。

 すると、メドべデフが攻め急ぎ錦織が第4ゲームにして先行ブレークを奪う。

 更には第6ゲームで深いショットでメドべデフに時間を作らせず、ボールがポケットから落ちてポイントを奪えないシーンがあったものの、このゲームもブレークし2ブレークアップを取る。

 第7ゲーム、錦織のサービンフォーザチャンピオンシップ。しかし、サーブでポイントを失い、更にコードボールを強烈にリターンされるなどして、このゲームをブレークバックされてしまう。

 第8ゲーム、ダブルフォルトから早い仕掛け、更にはサイドに振ってのリターンで錦織が3つのチャンピオンシップポイントを掴む。

 そしてサーブで前に出てくるメドべデフをしっかりと見定めてのバックハンドクロスのパッシングが決まり、この瞬間錦織はようやく試合が終わったという疲れのガッツポーズの表情を見せる。

 

 試合後、両者がネット越しに握手をした後にメドべデフが錦織を呼び止め、満面の笑みで会話する2人の姿が印象的です。おそらくは、楽天では優勝しちゃってゴメンみたいな会話がされていたと推測されます。

 

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試合内容

 シーズンの初試合としては素晴らしい大会となりました。

 錦織の試合らしく、楽な場面と凌ぐ場面が目まぐるしく入れ替わるものの最後は意地をむき出しにして執拗にバックハンドに拘り勝利を手繰り寄せました。

 シーズン始まったばかりとは思えないようなサーブやバックハンドの精度はさすがプロというだけあってしっかり全豪に仕上げてきている感があります。ただやはりフォアハンドのコントロールに課題があるのが見えた大会でもあり、おそらく1年を通しての課題となりそうです。

 

 1月中旬から早くも全豪オープンが始まりますが、1試合1試合、長い試合でないにもかかわらず大粒の汗でまみれている程の酷暑の中、選手がどのようなパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか。

 

錦織「やっと、やっとです、7,8回目で優勝できました。そしてメドべデフお疲れ様。東京では負けてるので何とか勝てました。(笑)コーチのみんなもありがとう。去年は怪我からの試合だったがここまで回復できてよかった。スポンサーの皆様もありがとう、また来年ここに戻ってきます。」

 

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