週末はスポーツ観戦

テニス中心に、サッカー、野球などの観戦記や思った事を徒然に赴くままに

2018 ATPツアーファイナル 錦織のグループステージ突破可能性 2位なのに自力突破消滅の理由

 ツアーファイナルに出場している錦織選手は、1戦目のフェデラーにストレート勝ちしながらも、2戦目のアンダーソンにストレートの完敗を喫しました。

 この結果、錦織選手はフェデラー対ティエムの結果、フェデラーがストレート勝利を収めた事で、自力での突破の可能性が消滅しました。

 

 

 

現時点での成績

 

f:id:chiyasyas:20181114165932j:plain

 現時点では上記表の通り、錦織はフェデラーを抑えて2位という状況です。

 その理由は当該者同士の対決で錦織がフェデラーに勝利しているためです。

 本来であれば、この状況から錦織は勝てばグループリーグ突破、少なくてもストレート勝利すれば突破確定に見えますが、そうではありません。

 

2勝1敗だとしても敗退濃厚な原因、ゲーム差で絶対的不利

  現在、フェデラーと錦織の勝敗により錦織の順位が上にすぎず、セット差では互角で、ゲーム得失ではフェデラーが錦織を大きく12も上回っています。このゲーム得失が大きく響く展開になりかねません。

 逆にフェデラーはストレート勝利で1位突破が確定します。セット数差で錦織がストレート勝ちでも3竦みの状態となり当該者同士の成績が適用されず、現在のゲーム差を考えると、錦織がティエムを6-0,6-0のダブルベーグルでもフェデラーが7-6,7-6のタイブレストレート勝利ですらフェデラーが上回ります

 フェデラーがフルセット勝利以下の場合に、錦織がティエムにストレート勝利がほぼ条件となります。

 

試合順も錦織に味方せず

 

 更には錦織はフェデラーより前に試合をします。明日15日のデイセッションでの試合となり、フェデラーの結果ではなく、まずは自分の結果に集中する必要があります。

 とすれば、錦織はストレート勝利以外は突破できないと思い臨むべきでしょう。

 仮に1セットでも取られた場合は、この時点で3竦みの関係性になる事が消滅するため、セット差と当該者成績の結果で勝ち上がりが決まる事になります。

 

要点整理

 

 錦織〇パターン

 1)錦織ストレート勝利、フェデラーフルセット勝利以下

 2)錦織フルセット勝利、フェデラーフルセット勝利以下

 3)錦織フルセット敗戦、フェデラーフルセット敗戦以下

 

 錦織×パターン

 上記以外、以下の2パターンでも敗退パターン

 4)錦織ストレート勝利(ダブルベーグル6-0,6-0)、フェデラーストレート勝利(7-6,7-6)。

 ゲーム差で10ゲーム縮まるも、現在のゲーム差が12なため、2つ及ばず。

 =このパターンは3試合目のゲーム数に関わらず錦織の敗退が確定。

 5)錦織ストレート敗戦(6-7,6-7)、フェデラーストレート敗戦(0-6,0-6)。

 ティエム、フェデラー、錦織がセット差ー2で横並びとなる。

 ティエムが得失G -8

 錦織が得失G  -10

 フェデラー得失G -8

 上記となり、錦織が4位敗退が確定。ストレート負けの最上位の展開で錦織敗退=3試合目のゲームカウントに関わらず錦織敗退が確定。

 

 以上となります。

 

 

2018 ATPツアーファイナル 錦織 対 アンダーソン 屈辱的大敗を喫する

 ファイナルツアー2戦目、錦織は1戦目でフェデラーに勝利しており、この試合に勝つと自動的に勝ち上がりが決定する試合となります。

 しかし、そのテニス内容はそれほど良いものではなく、フェデラーのミスに助けられての勝利という印象で予断は許さないといっていいでしょう。

 コートサーフィスとあってないのか信じられないリターンミスも何度も喫しており、様子を見なければいけません。

 

 

f:id:chiyasyas:20181114000059p:plain

 

試合経過

 

1stセット

 第2ゲーム、錦織のサービス。錦織のサーブが入らず、ブレークポイントを3度握られると、フォアショットがアウトとなり、いきなりのブレーク先行を許す。

 その後も錦織はサーブが入らず、フォアのショットは一か八かの淡泊なショットを繰り返し、第4ゲームもブレークされる。

 第6ゲーム、錦織はネットの下を叩きつけるような信じられないミスなどもありセットポイントを握られると、アンダーソンのリターンがネットに当たりながら相手コートに落ちて、1stセットをベーグルで奪われる。

 

 錦織のプレイレベルは悪く、どこか集中力も途切れているように見受けられます。トイレットブレーク後のプレイで変化が見られなければこのまま押し切られるでしょう。

 

 

2ndセット

 第1ゲーム、アンダーソンはサーブで攻め難なくキープする。

 第2ゲーム、錦織のサーブ。錦織のリターンがよくならず、更には大きく外れるダブルフォルトでブレークポイントを奪われると、クロスショットについていけず、アンダーソンがこれで8ゲーム連取となる。

 第3ゲーム、アンダーソンが難なくキープし9ゲーム連取となる。

 第4ゲーム、錦織のサービス。簡単にストロークでラインを割る錦織のリターンで観客も静まり返る。更には力んだリターンをネットに掛けると、落胆のため息が会場に流れる。更にラリーからの錦織のリターンがネットにかかり、アンダーソンに3つのブレークポイントが来る。そしてセンターのリターンを錦織がネットに掛け、観客も静まり返るアンダーソンの10ゲーム連続奪取となる。

 第5ゲーム、アンダーソンがポイントを重ねる。錦織もよいショットは時折あるものの次のショットで簡単にエラーし、アンダーソンがキープし11ゲーム連続奪取される。

 第6ゲーム、このままではダブルベーグルという不名誉が見えてしまっている錦織。アンダーソンが鋭いアングルショットを見せて会場を沸かせる。ここから錦織が角度のないアングルショットをやり返し、この試合初のキープを果たす。

 第7ゲーム、アンダーソンのサービンフォーザマッチ。センターのサービスエースでスタートするアンダーソン。更には深いショットで錦織を攻め2つのマッチポイントを握ると、錦織のリターンは大きく浮き、この瞬間、アンダーソンが6-0、6-1の完勝で試合を終えます。

 

 

f:id:chiyasyas:20181114003412p:plain

 スタッツは嘘をつかない試合となりました。

 アンダーソンは強烈なサーブで錦織に満足なリターンを与えず、更にはダブルフォルトもありませんでした。その上で主にクロスリターンを用いて錦織をラリーでも圧倒しました。

 対する錦織は第4ゲームから早くも集中力が切れたようなネットにかけるリターンを連発すると、バックハンドの精度もどんんどん悪化し、頼れる武器を失って最後は一か八かのショットを連発してしまいました。冷静なアンダーソンはそれをあざ笑うかのように深く角度のあるリターンで返すと、錦織は踏ん張る事ができませんでした。

 フォア15本のエラーが盛んに報道されていますが、今年の錦織はフォアの安定性はイマイチでそこに変化があったわけではなく、むしろ正確なバックハンドで7本のエラーがあった方が錦織の不調ぶりを表しています。メンタルが崩れていたといってもいいでしょう。

 

 ここは切り替えて次の試合に挑むしかありません。

 現時点ではフェデラー戦も内容は良くなかっただけに、多くを期待できる状況ではありませんが、せっかく目標にしていたファイナルの部隊で、これまでのように厳しい試合程パフォーマンスを出せない部分を克服していきたい所です。

 

 

2018 ATPツアーファイナル 錦織選手出場

 2018年男子シングルスもメジャー大会は最後の大会となる、ツアーファイナルがロンドンで開催されますが、錦織選手の出場も決定しています。

 

f:id:chiyasyas:20171108193753p:plain

 

 

 

出場選手成績

 

f:id:chiyasyas:20181108164534j:plain

 デルポトロが膝蓋骨の骨折、ナダルも手術によりファイナル出場を断念し、繰り上がりで、錦織、イズナーの2選手の出場がする事になります。

 出場選手を見ますと、フェデラーが最も少ない大会数で勝率もずば抜けて高いです。

 ジョコビッチはウインブルドンからはわずか2敗しかしていませんが、前半は負けが込んでおり、年間で11敗しています。それ程出場数を必要としないトップ選手にあって、大会に出続けたとも言えます。それだけ勝利に飢えていたという事でしょう。

 イズナー以外は年間40勝以上しており、ファイナルに相応しい面子とも言えます。またイズナーも家庭の事情で2回に及ぶ中期離脱があり、その中での出場となっています。

 

未勝利でも安定していた錦織

 

 タイトル数でみると、唯一錦織の未勝利となっています。しかし、決勝にはマスターズ1回、ATP500で2回、全米でSFとグレードの高い大会でかなりの成績を残しています。

 更にはマスターズでは1回戦で2度の敗退がありますが、それも、ジョコビッチとワウリンカというトップクラスの選手に対しての敗戦であり、概ね格下と目される相手との対決では安定した強さを見せていました。パリマスターズで優勝する事となったハチャノフに対しても直前のエルステバンクオープンでは2回戦で対戦し、何もさせずに圧勝を収めています。

 
グランドスラム成績で見て取れるズべレフの課題

 更に興味を引く要素としてはグランドスラムの年間成績です。

 出場できなくなったナダルが年間22勝でトップ、2大会優勝したジョコビッチは全豪、全仏での成績の不振があった上で21勝到達とずば抜けていますが、3大会のみ出場となったフェデラーも14勝と安定しています。ナダルと共に出場を辞退したデルポトロも17勝と安定しております。

 デルポトロを加えたNEWビック4に続き、ここ数年で大きな大会で安定した成績を収めるようになったチリッチが15勝、全仏ファイナリストのティエムがハードでも結果を出し始め13勝、ウインブルドンファイナルのアンダーソンが12勝で、3大会のみ出場にとどまった錦織は全仏4回戦、ウインブルドンQF、全米SFと高いレベルで安定し12勝、イズナーもウインブルドンでグランドスラム初のベスト4になる12勝とファイナル出場に相応しいグランドスラムの成績が並びます。

 

 この中でズべレフ。今年は全仏で自身初のグランドスラムQFに到達したものの、ティエムとの対戦では体が持たず完敗しました。2回戦から3試合連続のフルセットマッチが体に影響を与えたからです。更にはその他のグランドスラムでもランキングの高さの割に活躍度も期待度も薄く、10勝という成績も出場選手の中で最も少なくなっています。

 マスターズでは既に3勝、準優勝も3度と結果を残しているだけに、5セットマッチの対応、及びメンタルコントロールが不安定な時期に不調期が長いという欠点も克服していく必要があるでしょう。

 

フェデラー、アンダーソン、ティエム、錦織のグループに

 

 ファイナルツアーは2つのグループによりグループステージ3試合が行われますが、その中で錦織はフェデラー、アンダーソン、ティエムのグループに振り分けられています。上位ランク1or2、3or4、5or6と当たるドローであった事も考えると、錦織にとっては悪くない組合せのように見えます。

 

対 フェデラー

 

 フェデラーとの対戦成績はここ最近で5連敗と相性がよくありません。早い攻めには対応できても、局面でミスを引き出されて負けるパターンが目立ちます。ファイナルでも初戦でいきなり対戦の難敵となります。

 

対 アンダーソン

 

 過去の対戦成績ではリードするも、今年は実力的にはややアンダーソンに押され気味です。アンダーソンのサーブ次第の試合となりそうです。

 

対 ティエム

 対戦成績ではリードするも、グランドスラムではほぼ完敗と言える出来で印象がそこまでよくありません。ミスを引き出せるかどうかにかかっており、アンダーソン同様に錦織よりもティエムの調子如何による所が大きくなりそうです。

 

 反対側のグループがジョコビッチ、ズべレフ、チリッチと錦織との相性の悪い選手が揃っている事からも良いグループという見立てですが、トップ選手のみが集う大会でもあり、どの選手も難しい相手となります。それだけに価値のある大会でもあります。

 

 ファイナルを目標にしてきた錦織は、その望みが叶ったとは言え、これで4度目のファイナル出場という事もあり、気負う事なく挑める事でしょう。むしろ初出場のアンダーソン、昨年初出場のティエムよりも精神的アドバンテージを生かしてトーナメント進出を期待したい所です。

 

 

 

 

スポンサーリンク