2017 男子テニスATP1000マスターズ BNPパリバオープン 錦織QFソック戦 結果スタッツ
マスターズパリパオープン、第4シードで出場の錦織選手。4回戦まで順当に勝ち進み、QFでデルレイビーチ優勝者の第17シード、ソック選手と対戦しましたが、敗れてしまいました。
安定感がやや欠けた試合
対戦成績では1勝2敗と分が悪いのですが、その理由はソックの高速で帰ってくるリターンの球種が多彩でコントロールを苦手としている所にあります。ただ、毎回それが決まるわけではなく、ミスの多い選手でもあります。
この試合も開始早々に2つのブレークポイントを握りますが、これをものにできません。
すると、逆にバックハンドの精度を欠いた錦織はミスを繰り返し、あっさりとソックにブレークを許してしまいます。
第2セットに入るとソックが1stで抑えていたミスが目立ち始め、錦織選手もフォアのダウンザラインによいショットを決め2つのブレークを奪い、セットを奪い返します。
第3セットは、それまでより両者のミスが繰り返され、ウイナーでのポイントがなかなか出ない展開に。
その中でもソック選手が試合を通じてポイントの取り所になっていたクロスのショットが冴えを見せる。
対する錦織選手はネットに出るなど状況打開を試みるが、チャンスボールやソック選手の逆を付いたショットがことごとくアウトになってしまう。
結局、2ブレークを奪われて、最後はソックのサーブのリターンをあっさりネットにかけるというこの試合を象徴するような終わり方でした。
試合スタッツ
ソック選手は最高速度216キロのサーブを記録しましたが、高速サーブよりもワイドに変化するサーブを多用し錦織選手に的を絞らせませんでした。
また錦織選手は1stは悪くないのですが、2ndの入れに行くサーブを狙われて、リターンに苦労したとみるやソック選手のスマッシュが決まるという展開でした。2ndが40%を切るのはかなり苦しいです。
試合全体で、要所で粘りは見せたものの、ピンチの数が多すぎてそれに耐える事ができませんでした。ピンチの数を純粋に減らせないと難しい展開でした。
ブレークポイントやウイナー、エラー数を見るとソック選手が攻めてたように見えますが、錦織選手も攻めており、攻めた上でのミスが多かった印象です。これはブラジル戦のベルッチ戦にも見られた現象ですが、ベルッチ戦ほどヤケクソ感はありませんでした。
ランキング4位に復帰するものの・・・
今回のQF進出によって、ラオニッチ選手のポイント失効の関係で4位返り咲きが確定しています。しかし、現状は全く楽観視できない状況です。次大会以降の失効ポイントが非常に大きなものとなっています。
マイアミマスターズでは決勝進出でイーブンです。今の状態を見ると決して簡単ではありません。その後の大会でもおおむね決勝まで勝ち進まないとポイントは上昇しません。特に注意すべきはフェデラー選手がこれからの大会ほとんどをポイントを上乗せできる部分でしょうか。
今回のインディアンウェールズのマスターズは対戦相手にも恵まれていただけに、QF進出よりも落胆の方が大きいというのが大方の見方でしょう。
チャンコーチは陣営サイドでずっと無表情で試合を見ていました。どのような指導をすべきかを模索していると思います。
今は試合を反省しつつ、十分に休養してマイアミに備えていってほしいと思います。