2017 ATP1000 マドリードマスターズ 2回戦 ジョコビッチ、ナダルが苦戦の末勝利 ワウリンカ敗退
5月10日(水)残りシード選手が続々と登場する中、ジョコビッチ選手とナダル選手が大苦戦の末勝利を収めました。(以下選手敬称略)
2017 ATP1000 マドリードマスターズ 2回戦 錦織対シュワルツマン
ATP大会の日程の規定に関して ナダル選手は延期でなくルール上認められる権利
ジョコビッチ 対 アルマグロ
1st | 2nd | 3rd | 4th | 5th | Result | |
ジョコビッチ | 6 | 4 | 7 | 2 | ||
アルマグロ | 1 | 6 | 5 | 1 |
1stセットはいきなりブレークされたものの、その後は相手のミスを誘う戦術に徹して6連続ゲームを奪い上々の立ち上がりを見せる。
所が、2ndセットに数あるブレークチャンスを逃すと、第10ゲームに見事なショットをアルマグロに叩き込まれてセットオールとなる。
3rdセットになるとアルマグロの攻めに伸びが出てきてブレークを含む3ゲーム連取で後がなくなるジョコビッチは、しかし、アルマグロが攻め急ぎでエラーを連発すると、これを凌ぎブレークバックし、以降もスライスを多用した守りのテニスでアルマグロのミスによりブレーク先行し、そのまま勝利を収めました。
スタッツのエースやエラー数に現れない程アルマグロが攻め、ジョコビッチが守るという構図が鮮明でした。3rdセットの終盤は特にジョコビッチはスライスにより凌ぎ切った感じです。ジョコビッチ本人も試合内容に納得しておらず、喜びもほとんどない勝利の舞を見せていました。以前の鉄壁の強さという物ではなく、うまい選手が勝利した・・・そんな印象の試合でした。まだまだテニスファンが求めるジョコビッチの強さは見えません。
ナダル 対 フォニーニ
1st | 2nd | 3rd | 4th | 5th | Result | |
ナダル | 7 | 3 | 6 | 2 | ||
フォニーニ | 6(3) | 6 | 4 | 1 |
こちらの試合は間違いなく痺れるような試合でした。
ナダルは耳の感染症により試合日程を変更する程で、調整も満足に行えてないのが見え、らしいプレイとらしくない凡プレイを交互に見せます。また長いラリーでの粘りもいつもより欠けている感じでした。
これに対してフォニーニは常に強気で、相手の逆をつくクロスや逆クロス、ナダルがネットに出ても冷静に打ち返すなど、この日のフォニーニは気性が荒いだけではないスーパーなフォニーニでした。
1stセットはフォニーニが終始押して、互いにブレークを取り合う白熱した戦い。しかしタイブレークになるとフォニーニにミスが目出し、ナダルがそこを逃さず劣勢の中でセットを取ります。
2ndセットで対戦相手の心を折りたいナダルは、しかしフォニーニは全く折れずやる気満々。ドロップや軽やかなロブ、鋭いコースにショットを次々に決めてナダルも対応に追われ、ネットに掛ける場面が増え始め、フォニーニがセットを取り返します。
3rdセットも簡単にはいかないものの互いにキープが続く中、6ゲーム目にナダルの良いショットや、フォニーニのフレームショットやダブルフォルトにより3つのブレークポイントを握ると、フォニーニのストレートのリターンがアウトし、ナダルがブレーク先行。このまま試合を押し切るかと思いきや、ナダルのSFMの8ゲーム目、ナダルのフォアの逆クロスが精度を欠きアウトになり、ブレークバックを許す。
第9ゲーム、フォニーニのサービスゲームでデュースの末ナダルがマッチポイントを迎え、外に意識を集中させたショットでフォニーニの態勢を崩しリターンがアウトすると、ナダルは渾身の雄叫びをあげて勝利の味をかみしめます。
エース、エラー数、そしてブレークポイントを見てもフォニーニが攻めの姿勢を崩さず試合の大部分を支配していました。しかしながら、観客の対応に不満を漏らし主審と話し込むなど、試合に集中できていない時にはリターンも雑になったりと勿体ない部分も見えました。しかしそこがフォニーニらしいと言えばらしいです。
ナダルは体調不良もあり強く攻め込めない状況でしたが、ここぞの時には守るのではなく、強気のサーブやライン際のリターンを打ち込んでくるなど、勝負所での強さは見せました。ピンチを数多く迎えながら最小限で抑えて勝ち切ったという印象です。
試合時間は2時間57分と、3セットマッチとしてもとても長く、疲労の残る試合になった事でしょう。
ナダルの調子に関しては感染症による調整不足をどこまで補えるかにかかってます。元々体力は十分に持つ選手でメンタルもとても強いです。体調さえ整えれば本命には違いなのですが・・・3回戦の相手は現状若手で最も実力が抜きんでているキリオスとの対戦が待っています。
ワウリンカ、チリッチが初戦で敗退
その他のシード選手は日本時間の深夜に行われたゲームは概ね順調に勝ち上がっていましたが、日本時間の早朝に行われたワウリンカ選手、ペール選手が敗退しました。
ワウリンカはペールにフルセットの末敗退
ワウリンカはフランスのペール選手に敗退しました。ワウリンカの調子は悪くなさそうでしたが、ペール選手のフォアが素晴らしく、ワウリンカ選手もそれに意地になって対抗するわけでもなくという感じでした。雨での中断の影響もあったかもしれません。あるいはペール選手とは普段から仲がよいためやり難さもあったのでしょうか。
チリッチはAズべレフにフルセットの末敗退
こちらは白熱した戦いとなり、チリッチのよいショットが決まり苦戦のズべレフが凌ぐ格好から徐々にイーブンに持っていき、決して調子の悪くないチリッチに正面からぶつかって勝利しました。試合時間は2時間30分を超える激戦でした。