中国歴史ドラマ 三国志 超子龍伝説 #42 長坂の戦い
WOWOWで毎週土曜日の11時、12時より2話連続で放送されています、中国歴史ドラマ 、三国志「超子龍伝説」趙雲伝。
この物語は後漢末期の三国志という有名な物語の趙雲子龍を中心にして繰り広げられる歴史ドラマです。その物語は概ね羅漢中の三国志演技に基づいて人物設定がされてはいるものの、オリジナルのキャラも登場し、そのオリジナルキャラと歴史上の人物の融合も見所の一つです。三国志を知っている人でもある程度楽しめるドラマとなっていますが、武将の感情移入の仕方によっては賛否両論はどうしても出てくるのは仕方のない所でしょうか。
第42話は趙雲が三国志史上で最も活躍の場を与えられた長坂の戦いに関しての物語となっております。
この超子龍伝説は今年の春先から放送が開始され、現在42話となっておりますが、最終的には60話までのドラマとなっているようです。
また、WOWOWオンデマンドでは最新話から1週間遡っての合計4話の視聴が可能となっております、見逃したりもう一度見たい場合に視聴可能です。
趙雲一番の見せ場 長坂の戦い
返り血を浴び疲労困憊の趙雲子龍 映像
オリジナルキャラに関しても随時説明を加えていきます。
奥方と阿斗を探し敵陣深く趙雲は潜入して行く
場面は曹操が大群を率いて荊州攻略を開始した最中の場面。
一度は博望坡で勝利を収め意気上がる劉備軍ではあるものの、多勢に無勢により新野の民を引き連れて襄陽に向かう劉備軍。
しかし、民との行動により行軍の速度は遅く次々に武将が捕虜とされていく。
そんな中、趙雲は奥方と劉備の一人息子の阿斗の安否を気遣い、単騎で引き返し、曹操軍が迫ってくる後軍に潜入して行く。
趙雲は麋竺を捉えた淳于導の軍と遭遇し、淳于導を一撃で倒し、敵軍は離散し麋竺の救出に成功する。
麋竺が言うには、奥方と阿斗とは共に行動していたものの、淳于導の軍に自身が捉えられ、奥方と阿斗の安否は不明との事。
趙雲は更に深く潜入して行くと、古びた小屋の一角に甘夫人一行が隠れているのを見つけ、麋夫人と阿斗の安否は不明との事を聞く。
趙雲が曹操軍に寝返る?
一方曹操軍の追手を張飛の活躍で凌いだ劉備一行の元に傷だらけで戻った麋ホウが「趙雲が寝返った」と報告する。麋ホウが言うには趙雲が曹操軍の中に単騎で掛けていった事から寝返ったとの事である。
張飛は頭にきていきり立つものの、劉備はこれを信じない。
夏侯恩との対峙
趙雲は尚も曹操軍の中を進んでいくと、夏侯恩の軍に遭遇する。趙雲は夏侯恩を一撃の元に倒すと、その背中にしまわれている青釭剣を手に取り、父の形見を手に入れる(超子龍伝説では父超安が皇帝から託された2剣の1つという設定)
麋夫人、阿斗を発見
尚も進む趙雲は、逃げる群衆より夫人が足を怪我して隠れているという情報を元に屋敷を探すと、阿斗を抱えた麋夫人を発見する。
麋夫人はこれで阿斗は救われると安心し、阿斗を趙雲に託す。趙雲は麋夫人も助けようと馬に跨がせようとするも、敵陣では自分が足手まといになるといい馬には乗ろうとしない。その最中曹操軍が迫ってくるのが見える。
麋夫人は趙雲の迷いを絶つために自ら井戸に身を投げる。趙雲はそれを阻む間もありませんでした。
趙雲は深く悲しむもその井戸の傍の壁を壊し曹操軍に暴かれるのを避け、槍を突き冥福の意を示す。
更には阿斗を体に縛り付けて帰陣を図る。
長坂で曹操軍に遭遇
しかしその最中、長坂坡で曹操が自ら率いる軍勢に出くわしてしまう。
主君の前で功績を挙げようと次々と曹操軍の武将が趙雲に襲い掛かるも趙雲は次々に打ち取っていく。その姿に曹操は見入ってしまう。虎のような猛将ぶりに武将コレクターの曹操が手に汗を握る。そして、曹操は次のように発する。
「矢を射てはならぬ、趙雲を生け捕りにせよ!」
ドラマの見どころであるバトルシーンが繰り広げられる
趙雲は大群の率いる曹操軍に単騎で突っ込んでいく。
趙雲は取り囲まれながらも次々に曹操軍兵士をなぎ倒していく。
しかしあまりにも大群の曹操軍、趙雲は数百の兵士を同時に相手にし続け、返り血を浴び、疲労もたまっていくと、趙雲が跨る夜照玉も曹操軍の兵士により討たれてしまい、1人で数百の兵士に囲まれてしまう趙雲。
ここから槍を使い曹操軍兵士の足元を掬い、更には槍で何人もの兵士を同時にくし刺しにするなどの描画を見せる。
しかし槍が数十の兵士により食い止められてしまうと今度は背にした青釭剣で次々となぎ倒す。
だがそれでも無数の兵士は趙雲に襲い掛かり、趙雲の動きを止めに掛る。
その最中単騎で突入してきた斧使いの武将(説明はないが只ならぬいで立ちからおそらくは徐晃と推測)の斧の一撃が顔に当り趙雲は意識を失ってしまう。
そして曹操軍は馬車軍で趙雲に止めを刺しにかかるも、意識を失っている最中、それまでに戦っては倒れていった仲間や主君の事を思い意識を回復させ、間一髪で馬車軍をかわし、その一角を乗っ取る。
更に曹操軍は新手の馬車軍で趙雲に襲い掛かると趙雲はその馬車を切り離し曹操軍に放り込み混乱させる。
馬車から放り投げられた趙雲は、しかし夜照玉(趙雲が跨っていた白馬)を呼ぶと、夜照玉が復活し、単騎で曹操軍を蹴り倒しながら趙雲の元に向かっていき、趙雲は夜照玉にまたがり、ついに曹操軍を突破に成功する。
劉備、阿斗を投げ捨てる
趙雲はついに張飛や劉備の待つ軍に追いつく。劉備は感激し趙雲を出迎える。
趙雲は麋夫人が井戸に身を投げた事と阿斗の無事を報告する。
劉備は「この息子のせいで子龍を失う所だった」として阿斗を振り下ろそうとするが、趙雲がなだめ、甘夫人が受け止める。
更には漢王朝の護国神器の青釭剣を漢王朝復興の主の劉備にささげようとするも、劉備はこれは自分より趙雲に相応しく、父超安が託された品が再び息子に戻った天意として受け取って欲しいと趙雲に返す。
以上が42話の話となりました。
やや大味な戦闘シーン
全体の攻勢は趙雲の活躍が如実に披露されている攻勢となっており、オリジナルキャラの公孫宝月や夏侯軽衣の部分を除けば三国志演技を忠実に再現している感じは伝わる内容となっておりました。
ただ、その戦争シーンは、その戦闘で本当に単騎で軍を破れるのだろうか?とかなり無謀に思える描写でした。
数十に取り囲む曹操軍の中で馬を失った趙雲が一人で槍を振り回しているのはさすがに脱出が不可能に思える描写でしたし、曹操軍が趙雲を目がけて攻撃する際その照準が1点に向きすぎてるのには違和感しかありませんでした。
ただし、それは曹操が「生け捕りにせよ」という指示のもと、殺さずに趙雲を捕獲するという点に重点を置いていたというのであれば、そのシーンはまだ納得が行くといえばいきます。
しかし、その後の馬車軍が突っ込む場面は・・・明らかに趙雲を生け捕るつもりがないように感じました。完全に轢きころしに掛っているようにしか見えませんでした。
更には馬車軍を切り離した後、突破手段を失ったはずの趙雲が夜照玉の名を叫ぶと、曹操軍に打たれたはずの夜照玉が突如起き上がり曹操軍をなぎ倒すのは流石に・・とは思いました。
単騎で曹操軍を抜け出すというのは三国志演技の造作ではあるものの、もう少し単騎で突破できるような描写として描けると完璧ではなかったか?とは思います。
とはいえ、迫力はあり悪い描写というわけではありません。これはこれで良いとは思います。ただし、三国志演義の趙雲の長坂の戦いでの描写として見た場合は無理があるかなぁとは感じました。
後は余談ですが、趙雲の意識を失わせる程の活躍をした斧使いの武将は名前の説明すらあがりませんでした・・・・。曹操の前で功績を挙げようとしたザコキャラ的な武将の名前は表記があったのに対してこの斧使いの名前も表示させてよかったのでは??と思います。文中にもありましたが、曹操軍の中で斧使いは限られており、この時点で曹操軍している武将を考えると徐晃以外は考えられないと思い、勝手にそう推測しています。
次回
次回の43話では題名からするとオリジナルキャラが主体となる話となるでしょう。その中でも趙雲の思いの恋人の夏侯軽衣が世を去るという内容と見ます。