プレミアリーグ レスター ラニエリ監督解任後の試合でリバプールに3-1の快勝にある一つの事
ラニエリ監督が解任されて、レスターにとって最初の重要な試合は、ホームでリバプールに3-1の快勝を収め、多くの人の予想を裏切りました。
サッカーの試合になるかすら不安があった
試合前に限ればホームではあるものの、レスターには多数のネガティブな雰囲気が渦巻いてました。
・ラニエリ解任
・監督騒動に巻き込まれた選手のコンディション
・ラニエリ支持派と解任派で揺れるチーム内の和
・そもそもの選手の質
・サポーターのサポートが得られるかが心配
・容易に想像できるラニエリリスペクトの応援
サッカーの試合をやる前に様々なストレス及び、内部の人間関係にさらされるレスターはとても不利な状況だと見るのはごく普通の事でした。ここで心機一転!と、まとまれる雰囲気を想像するのは難しかったです。
一方のリバプールはカップ戦もなく2週間の期間はスペイン合宿などで団結を高め、かつ、直前の試合では勢いのあるトッテナムにホームで完勝し、1月の不調を脱したかに思わせました。
ただ前述のように、リバプールの調子はともかく、レスターがサッカーの試合に純粋に向かえるかの疑問の方が多い試合前でした。
解任タイミングが気運を削ぐ可能性が高かった
ラニエリ監督が解任されたタイミングが、CL決勝トーナメント1回戦のアウエーセビージャ戦で圧倒的に押し込まれながらの2-1という貴重なアウエーゴールを奪っての負けであったため、周囲ではラニエリ監督に対する期待はまだまだ残っていた状況でした。
ここで首を切ったため、ファンの間ではどうして?このタイミングで?という悲しみや怒りが大きかったと想像できます。リーグ戦では5連敗中とは言え、雰囲気的には上昇しそうな可能性を少し残していただけに、ラニエリ監督には同情の意見が多く集まりました。
ラニエリ監督の擁護の論調が多いとなると、当然その批判の矛先は選手達に向かいます。
岡崎選手がラニエリ解任の報道に「いいね」をつけたと報道されたり、バーディー、モーガン、ドリクウオーターら主力がラニエリ監督に反目していた等、選手の誰が監督を裏切ったか?で報道が持ちきりになりました。
この事に対して選手自らが火消しをしなければならず、この時点では試合所の騒ぎではなかったはずです。
フロントが出した声明は選手の気持ちを軽くした
そんな中、フロントが動きました。
#LCFC vice-chairman insists it was "our decision alone" to sack Ranieri and says it is "unfair" to accuse the players of disloyalty. pic.twitter.com/5gpyI8pLlU
— James Sharpe (@TheSharpeEnd) 2017年2月27日
「今回の決断はフロントの判断によるものであり、選手を責めるのはアンフェアだし受け入れがたい」
このように報道した事により、選手への批判が今度はフロントに向けられるようになりました。
この言葉により選手へのプレッシャーは幾分が下がったものと推測します。監督解任のタイミングがどうにせよ、これで一旦選手は集中する時間を与えられたと思います。
試合が始まると序盤の時点で既にレスターはリバプールを飲み込んでいました。去年のレスターそのものです。前線からのプレスがかかり早い攻撃。相手のDFの裏を徹底的につき、サイトバックのフクスを経由した攻撃も光りました。
対するリバプールはほとんど反撃もできず、かといって守備面で統率が取れず、中盤は間延びしボールの取り所がありませんでした。試合直前にヘンダーソンの怪我での欠場が響いたという意見もありますが、それだけでこれほどの出来になるのも少し考えにくいです。
何れにせよ、難敵から内容も結果も完璧な手柄を掴んだレスターは復活の機運を一気に高めていけます。
最終的にフロントの判断が正しかったかどうかはシーズン終了でわかる事でしょう。
ただ、それでもラニエリ監督の功績は誰にも消せないのは本人が言う通り間違いありません。