プレミアリーグ 相次ぐ補強不手際 コンテ解任現実味
以前にも監督問題が浮上しながらオフシーズンという事もあり沈静化したコンテ監督続投問題だが、7月に入りいよいよプレシーズンも迫って各チームの戦力移動が徐々に行われる中、再度コンテ監督の去就に不穏な動きがもたらされそうな情勢となってしまっております。
フロントの後手後手の補強手段
今シーズン決定している補強
控えキーパー カバジェロ
今シーズンの放出が決定している選手
FW <完全>ソランケ(リバプール) 19歳若手の気鋭選手
DF <完全>ネイサン・アケ(ボーンマス) DFのユーティリティープレイヤー
FW <完全>トラオレ(リヨン) サイドやセンターなど多ポジションで機能する若手選手
GK <完全>アスミール・ベゴビッチ 頼れる第二GK
控えキーパーのみの補充にとどまる一方、今後を担うと目され、試合でも使われていた若手選手が次々と放出され、更にはMFチャロバ、ケネディ、DFズマ、クリステンセンなどの有望株にも移籍の噂が続出しています。
これだけ若手を放出していながら、大きな獲得の噂がある移籍交渉は全くといっていい程進展しておりません。来週にはチーム合流する現状において年を取ってダブついている不要戦力の整備は全く進んでおらず、現状の編成状態は良いとはとても言えない状況です。
噂のある選手の補強は全て停滞
ロメロ・ルカク
本人にチェルシー復帰の意思があり、またコンテ監督が求める人材と目されているルカクはその移籍金の高さから交渉が停滞しているうちにBBCなどの有力情報筋からマンチェスターユナイテッドの合意が報道されています。
アルバロ・モラタ
こちらもユベントス時代に指揮を取っており、監督の獲得希望選手であるものの、交渉の席にもついていないとの情報です。
バカヨコ(モナコ)
中盤センターでのボール奪取にやバランス感覚に優れたMFで、コンテが中盤の質向上に適任と目される選手ですが、移籍合意報道が出てから全く動きがなく、停滞及び破談している可能性も出てきています。
サンドロ(ユベントス)
ユベントス不動の左サイドバックで絶え間なく繰り返す上下動に高水準の守備と攻撃性能を持つ完成されたサイドプレイヤーでコンテが熱を入れて獲得を要望しているとの事ですが、こちらも報道とは裏腹に全く進んでいません。
メンディー(モナコ)
まだ若く、サンドロ程完成されてはいないものの、その運動量や攻撃センスに未来を感じさせる選手で、かつメンディー自体がチェルシー移籍を望んでいるという事ではあるものの、コンテの1stチョイスでない事からかフロントも主な動きは見せていない模様。マンチェスターシティーが移籍を熱望する選手でもある。
7月のスポンサー変更タイミングで移籍続々発表のはずが・・
当初の予定では6月に満了を迎えるスポンサー契約の変更を待って移籍選手が次々発表されるとの噂でした。実際にカバジェロに関してはかなり早い段階で合意があったものの7月に入って発表されたのを見ればスポンサー絡みであったのは間違いないでしょう。
しかし、続々と発表されるはずの移籍決定はこれだけにとどまるのを見ると、チェルシーの補強のアプローチがうまく行ってないのは明白です。
昨年の補強のドタバタぶり
思えば昨年もコンテ監督の陣容を揃えていたわけではありませんでした。
サイドプレイヤーのマルコス・アロンソはコンテ監督の希望ではあったものの第一希望ではなく(サンドロの移籍を熱望する当り)、また土壇場で決まったダビド・ルイスに関してもフロント手動での買戻しでした。
しかし、コンテはレンタル目前だったビクター モーゼスを陣容に加え、上記獲得選手もチームに組込み、見事プレミアリーグを制覇しました。
とは言え、昨シーズン補強がうまくいかなかったのは事実であり、今シーズンも同じようなフロントの動きの場合、コンテがその状況に耐えられるでしょうか?無理と判断するのが自然です。
チームの懐状況
現在チェルシーの財政事情はCEOであるグラノフスカヤ女子が握っています。
まだ若干42歳で人目にも出ないこの女子はアブラモビッチの最も信頼する腹心の1人であり、2014年に就任当初はモウリーニョのチェルシー2次政権の復帰、ジエゴ・コスタやセスク・ファブレガスやエデン・アザールの獲得にも人力した敏腕CEOと言われていました。
しかし、現状を見ればそれほど有能なCEOとは思えない部があります。少なくてもアザールが彼女のおかげて獲得できたという具体的な根拠はない。それと、ジエゴ・コスタやセスク・ファブレガスの移籍はモウリーニョ手動の元に行われており、CEOの交渉術が巧だったかどうかは伺わしいです。
更にはモウリーニョの3年目の補強はお粗末という言葉すら生ぬるい補強に終始し、DFでは実力が未知数のジロポジ、高額移籍金を要したサイドバックのババ・ラーマン、更には明らかに旬を過ぎたファルカオを補強してあてがったが、これらの選手は全くチームにフィットできなかった。8月終盤に獲得したペドロは今年こそ活躍したものの、初年度は徐々にパフォーマンスを落とし、その当時では成功補強とは言い難いできに終始しました。
現在チェルシーは新スタジアム建設の関係で懐事情が思わしくないと言われています。しかしながら、オスカルの売却費用や若手選手の売却益を考えれば補強に使う費用は十分確保できるはずであり、これは言い訳に他なりません。何より補強が必要とコンテが訴え、かつCLでの上位進出するためにはまだまだ色々と改革すべきところがあるはずであり、そのリソースをコンテは求めています。所がフロントはどの交渉でも移籍金のシビアに対応しており、それがもとでエバートンのストーンズやナポリのクリバリ、ローマのナインゴランを逃しており、かつ現在もビックディールと言われる移籍は1つも成立していません。
コンテのそのような要求と、フロントが求める「必要最小限」との間には大きな溝があるように感じられます。
来週コンテがバカンスから戻ってから局面は動くかというと・・
コンテ監督就任時はある程度の補強権限が与えられるという条件での入団との噂ではあったものの、現状そうはなっていないのは明白です。
コンテ監督がバカンスから戻りチーム編成に首を突っ込むとの事ですが、コンテの性格ならバカンス中でもフロントには補強リストは出してあるはずです。そしてチームに戻った時にはある程度の陣容を揃えておいて欲しいという要望も上がっているはずでしょう。それはコンテがユベントスを退団した経緯を遡れば容易に想像がつく事であり、現状の補強状況が、コンテがチームに戻ってから劇的に動くとはとてもではないが言えない状況下にあります。
暗黒期突入の地獄絵図
モウリーニョ2次政権の3年目はチームの内輪もめからドクター問題と自滅した格好でチームは沈みましたが、それには補強の杜撰さも間違いなく絡んでおり、今年のチェルシーにはその時と同じような不穏な情勢を覆せない負の空気が立ち込めています。コスタはもはやチームに心がなく、若手は次々にチームを去り、CLの両立を図りチーム内の選手層を厚くしなければならない現状に逆行しています。
すべては時が立つことにより、より鮮明に見えてくる事ではありますが、このままではコンテにもチームを見限られ、優秀な人材が敬遠するような状況となり得ます。
そうした場合、現在チームに残っている一流選手はそのままチーム愛を示してくれるでしょうか?出戻りとなったルイスは最後までチームのために戦うでしょうが、アザールやクルトワなどのマドリードに興味を持たれている面々がそのままチームに残るとは考えにくく、暗黒期まっしぐらに向かう事も否定はできないという状況になりかねません。それだけは何としても阻止したい所ですが、、、、どうなってしまうのでしょうか。