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コンテ辞任の可能性 コスタ、セスク、クラブでの未来不透明、補強行き詰まり チェルシーに渦巻く不穏な空気 プレミアリーグ

 プレミアリーグで2年ぶりの優勝を果たしたチェルシー。昨年の10位から巻き返し、限りある戦力をうまく駆使して優勝に持って行ったコンテ監督。尚且つプレミア記録となるシーズン30勝(勝ち点93は歴代3位)を飾るなど、実りある年になったはずのチェルシー。それは、FA杯決勝でアーセナルに完敗した事でも覆る事はないはずであった。

 しかし、現状のチェルシーは来季への期待より、不安の方が高まっている状況であります。

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出典:Esky.sport

主力コスタの放出劇

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gettyimage

 コスタの口から明かされたコンテからの戦力外メールの件に関しては、本人が再三口に出している事からも真実でしょう。

 「やぁジエゴ。今シーズンは共に働いてとてもエキサイティングな1年を過ごせたよ。来年も君の活躍を祈るよ。ただ、君は私のプランには含まれないがね。」

 コスタ「See(わかった)」

 上記のようなやり取りがあったとの事ですが、コスタがロンドンがそこまで好きでなく、かつアトレティコに戻りたいと思っているのは本人も言及している通りです。

 今冬は中国への移籍の話を具体的に聞きたい旨を代理人との話した事がコンテ監督に逆鱗に触れて「中国へ行ってしまえ!」と言われたという事も真実味を帯びてきます。

 

 今シーズンのコスタは前半戦は欲しい時に点を取る、決して固め取りするタイプではないものの、試合の重要な場面での得点が目立ち正にエースでしたが、後半戦は上記のようなイザコザがあってかほとんど得点できない所か、明らかに集中を切らしたようなボールロストを繰り返しました。

 そのような不安定なパフォーマンスと、チームに忠誠を誓えると断定できないエースをコンテは容赦なく切りに来たとしても彼の性格を考えると不思議ではありません。

 

セスク構想外報道

 こちらに関してはセスク、コンテ共に具体的な言及を避けています。また、情報も錯そうしており、一方では「セスクは構想に入っている」と伝えたとの情報もあります。選手や監督がバカンスに入っており(コンテ監督はフロントと密に連絡を取り合っている模様)、バカンス明けに色々と情報が出てくるのではないでしょうか。

 

 セスクに関しては少ない出場時間に関わらずに11アシストを果たし、尚且つ膠着状態や打開が必要な場面でチームを変化させるオプションとして十二分に機能した印象があります。

 ただし、彼がそのようなオプションとしての立場を容認しない事からコンテ監督と意見の相違があるという事は言えそうです。

 何れにしても戦力外にするような選手ではなく、もう少し懐柔の余地がありそうなものです。

 

コンテがフロントと不仲騒動

www.skysports.com

 まだ具体的な話は出ていないものの、イギリスのスカイスポーツが発信する情報なので何かしらの動きがあってもおかしくはない状況という報道が出ている。

 具体的には、コスタ発言やセスクの構想外問題などが簡単に周囲に漏れたりする事や補強が一向に進んでいない事への苛立ちからくる報道です。

 過去にコンテはユベントスでも同様のフロントとの補強の行き違いにより開幕前に突然辞任した経緯があり、今回も同じようにフロントとの意見の相違があると目されています。

 

 当初コンテはCFWとしてはモラタを買っており、また彼自身もその反応を悪く思っていないとされていました。

 しかし、フロントはモウリーニョの主導のもとに放出に踏み切ったルカクを買っており、ここに監督とフロントの相違があると言われています。

 また中盤で必要戦力と見なされているモナコのバカヨコに関してもフロントは交渉の席にもついていないという報道があります。

 

昨年の補強からコンテの意図通りではなかった

 そもそも昨年の夏の補強からコンテの想定の補強を行っていないというのが噂の信頼性を高めてしまっています

 当初はナポリのCBクリバリーを獲得候補の筆頭として粘り強い交渉をしていたものの折り合いが付かずにPSGのルイス買戻しという妥協点に落ち着いた。これは周知の事実である。

 また昨年の就任時点でモラタ獲得をフロントに要請していたようだが、フロントは交渉すらも行いませんでした。

 今シーズン大活躍したマルコス・アロンソに関しては早くから獲得を要請したにもかかわらずフロントの動きが遅く、8月に入ってからの獲得となりました。

 更には当初はフロントは引き続きヴィクター・モーゼスのレンタル移籍を模索していましたが、コンテがチームに残すように要求しました。彼の活躍は周知のとおりです。

 

 このようにチェルシー監督に就任した当初のコンテ監督が思い描いていたチーム作りが1年経っても行えそうにないという現状に彼自身がイライラを募らせても仕方のない状況ではあるでしょうし、前科もあります。このような報道が出るのは自然の流れと言えるでしょう。

 

彼らの今後はどうなる?

 それでは、コスタ、セスク、コンテ監督、並びに新戦力獲得等はどのように進むのでしょうか?

 これはコンテ監督がどのような動きをするかで全て決まります

 コンテ監督が報道にあるような不満を持っているのは間違いないでしょう。そしてそれが辞任という形で行動に移すか移さないか、この点に集約されます。

 

辞任した場合

 辞任した場合はまずは監督人事から困難を極めるでしょう。

 このような状況での辞任とあればビックネームの監督は敬遠するでしょう

 ユベントスの時はコンテ辞任後はその時に空いていた監督として半ば博打的にアッレグリ監督を就任させました。当時のユベンティーノからの批判はあったものの、既に彼らの心もガッチリつかんでいます。つまりは結果が全てという事です。この点ではユベントスのフロント、マロッタやネドベドらの貢献力もあるでしょう。

 しかし、チェルシーがそのような目利きのある人材を探してこれるでしょうかはっきりいって非常に期待薄な状況となるでしょう。その場合はPSGで不満を持たれているエメリ監督やバルセロナの監督を辞任したエンリケ当りの名前が上がるのではないでしょうか。しかしエメリはビッククラブでの選手の扱いに苦労し、エンリケに至っては今のチェルシーに来て選手をうまく扱える資質があるという感じがしませんし、彼は休養を望んでいます。外野にめぼしい監督がほとんどいないという状況です。

 更には監督人事が例え適任が収まったと仮定しても、これだけの騒動を起こしたFWコスタはもはやチームにいる場所はないでしょう。セスクに関しては事情によりますが、スタメン確約となるかはわかりません。

 何れにせよ、コンテ監督が辞任すると、後任監督選びの時点でかなりの難題となり、ひいてはチームを作る事などままなりません。昨年の暗黒的なチェルシーが再び顔を出す恐れがほぼ決定的となるでしょう

 

留任した場合

 しかしながら、例え留任した場合にも事は簡単に運びません

 それは、コンテとフロントとの間の意見の食い違いは確実に存在し、それをどう埋めるか等事を素早く、しかし確実に埋めていかないといけません。

 FW獲得選手の食い違いや交渉の遅延や補強選手の権限等、チェルシーはTDエナメロとGMグラノフスカヤが補強実権を握っており、少なくてもこの部分の改革をコンテは強く要請するでしょう。しかし、彼らはオーナーの肝煎りの人材です。追い込むのは難しいでしょう。

 となると、、留任した場合でも問題が先延ばしされるだけで、来年にはまた同じ問題が出てきてしまう。。という事になるでしょう。そもそもこの部分での妥協点が見いだせない事には現在起こっている交渉遅延も解消されないでしょう。

 

結論として・・・

 結論を言ってしまえば、補強や放出、監督の今後、たとえどのようになろうとも、来期のチェルシーがそれ程明るくないという結論に至ってしまいます。

 昨年の不振は主に開幕戦でのエヴァ・カルネイロ医師とのイザコザから端を発してチームが崩壊しました。これはモウリーニョの自爆と言っても過言ではありませんが、それを機にチームは崩壊一直線になるぐらい脆いという所を見せました

 それを今年コンテはきつく締める事と、状況に応じた戦術眼により見事に対応してみせました。ただコンテは締め上げるだけでなく、感情を表に出し選手と接する事で、特にクルトワとの関係が微妙だったチェルシーナインとの和解に甚力し、彼の信頼を得ました。優勝決定試合でのバチュアイの得点時クルトワが真っ先にコンテに抱き着きにいったのが何より印象的です。

 このように情熱を見せる事と緻密な戦略を合わせもち、ファンの心もガッチリつかんだコンテ監督がこのような形でチームを去る事は誰も望んでいないはずです

 後はアブラモビッチオーナーがどのように事を収められるかにかかってくると言えるでしょう。

 

 

 

 

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