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16/17CL バルセロナ 対 パリサンジェルマン(PSG) エメリ監督描写

 1stregでバルセロナ相手に圧巻の4-0を披露したパリ。

 そして2ndregでそれ以上の逆転劇を演出したバルセロナ。

 その中で有利な状況にあったエメリ監督にスポットを当ててみたい。

 

 16/17CL バルセロナ 対 パリサンジェルマン(PSG) 詳細結果 スタッツ

 

緊張の表情を見せる

 試合前日会見でのエメリ監督の言葉です。

 エメリ「パリで我々はよい結果と自信を掴んだ。しかし、カンプノウでの戦いはとてもタフで難しくなるだろう。幸いチームの状態はよく、調子は整っている。しかし、試合でそれを出せるようにハードワークしているよ。」

 「バルセロナもプレーは向上しているが、だからといって我々はプレースタイルを変えるべきではない。とは言え、パリと同じようなペースでカンプノウで試合をする事は難しいし、相手も積極的に来るだろう。」

 

 エメリの言葉からも戦術を変更する事を示唆するような言動が見られた。

 そして実際の試合でもラインは低く、プレッシングの意識もそれほど高いとは言えなかった。重心が後ろに向いていたためであろう。

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 1点を決められた時点で少し動揺が見られる表情が伺えた。

 まだ試合開始でもあり、いきなり試合のペースを修正するわけにもいかないし、1失点でスタイルを変えると逆に選手の動揺にもつながると考えたのだろう。それがわかる表情ではある。

 

 ちなみに試合前のエンリケ監督はというと、、

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 今季限りでの退任を発表した後というのもあり、どこかリラックスしてる表情が伺えた。

 この試合で進退がかかるという状況であればもっと緊張した表情を見せるに違いなかったが、既に足枷が取れたような顔である。これがチームにもたらした影響は少なからずあっただろうと今思えば考える事ができる。この時には思いもしなかった事ですが・・。

 

CL バルセロナ大敗に関する スペイン地元紙の反応

CL大敗 バルセロナ 対 パリサンジェルマン メッシ、ネイマール、スアレスの出来は?

ナーバスさが見え始める

 イニエスタのバックヒールぎみに出したパスをオウンゴールした際のエメリ監督の表情である。 

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 2点リードしてるとはいえ、鼻に手をやるのはエメリ監督が動揺している証拠である。エメリ監督が劣勢になってるときはよく見られる光景である。

 

 前半終了からの反省で後半からはパリはサイドバックに攻撃の意識を持つような指示が出たのかサイドバックが上がり始めるシーンが目立つ。

 しかし、その隙をつきムニエがネイマールに誘ったPKを与え、ついに1点差に迫る。

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 落ち着かせようとはしているものの、もしやの状況も考えてかなり深刻そうな顔をしている。その緊張感たるや常人では逃げ出したくなるような感情がほとばしるのは理解できる。

 

格別な解放感に満ち溢れる

 しかし、立て続けにカバーにがチャンスを迎え、ついにアウエーゴールを奪うパリ。

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 まるで勝ったかのようなこの喜びよう。それまでの苦しかった展開がよく表現されている。ドーパミンに満ち溢れ、緊張状態から解き放たれた人間の感情は見ていてほほえましくなるものがあります。そして人間とはこのような瞬間を迎えるために生きているようにも思える。

 

まさかの・・・

 この後はあきらめないバルセロナに対してパリのカウンターが立て続けにバルセロナゴールを襲うものの、やや審判に助けられた感じと、テアシュテーゲンのセーブなどにより、このまま試合は終盤を迎える。このような攻撃の姿勢も見せる事により、逆に失点をしない理想的な展開としてパリにも少しの安堵感が見え始めた形ではあった。

 

 そして、終了間際のFKでその「少しの安堵感」を表すようなFKでの緩慢な壁守備と、ネイマールの精度の高いキックにより、キーパーが反応できないようなゴールが決まる。

 この時のエメリ監督の表情を見ると、

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 表情とコーチの会話から察するに、セットプレイでの守備の仕方等を確認しているように思う。そして表情にも鼻に手をやる仕草が示す通り、やや緊張感も見られる。

 とは言え、ロスタイムが3分程度と予想されたため、残り実質4分程であり、あとは選手に詰めの指示をするという状況であった。

 

 しかし、ロスタイムは5分。プレミアではよく見られるがCLレベルでは退場者やけが人が出ていない状況では異例の長さである。

 そして、後々スローで見ると、ファールとも言えないマルキーニョスのPKとなり、ネイマールがキーパーをよく見て冷静に決める。

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 パリ側のスタンドは一様に動揺が見られるようにほとんど動きがない。エメリ監督の表情はどうだったかは気になる所。

 

 そして、奇跡のシュートが決まった瞬間である。

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 試合終了後はコーチに抱きかかえられるようにピッチを後にする。

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 なんとも残酷ではあるが、CLの注目度とその試合展開の壮絶さからこのような描写は必ず世界に晒されてしまうものである。

 この立場になった時のその責任者の気持ちというのは想像では計り知れないストレスと緊張と恐怖と絶望で満ち溢れる事だろう。

 しかし、エメリ監督も何度も解任を経験して気分の上下を絶え間なく繰り返しながらこの場で采配を振るう権利を与えられた優れた監督であるのには間違いない。

 

 この試合での序盤の入りは反省するべき点はあったが、ハーフタイムではしっかり修正してきた部分も見逃すべきではない。

 しかしながら、この結果を前回記事で書いた通り上層部が見逃すはずがない。次期監督候補は誰になるのかは今の時点では想像に難い所がある。

 

試合終了で歓喜に湧くバルセロナの描写

 CL決勝トーナメント史上最大の逆転劇を演じたバルセロナの選手やファンは元より監督もこの快挙に興奮を爆発させる。

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 次々に選手スタッフとジャンピング抱き着きを見せる。

 元々この試合にかけては開き直っての3バック(名采配と言わざるを得ない)がガッチリはまった事と、プレッシャーが和らいだ中での試合だっただけに、このような結果は予想してなかった事でしょうし、何よりトータルで負けても気分的にはある程度楽に構えれたと想像できるため、緊張とは無縁な純粋な喜びに浸れた事でしょう。このような事はなかなかありません。エメリ監督がカバーニのアウエーゴールで喜びを爆発させたのとはまた違う喜びです。

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 ネイマール選手は自分たちが成し遂げた偉大な試合に対しての観客の姿をこのポーズでじっと眺めていました。

 喜びにあふれて飛び跳ねる観客をピッチから眺める・・。想像しただけで気持ち良いですし、格別の一体感と生きてる喜びすら感じるでしょう。

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 このように観客と一緒になって喜ぶ姿はネイマールが人々を魅了する要因になっていると思います。この部分に関しましては言葉が悪いですが、メッシ選手より遥かに優れています。本人も観客が見ていないと試合をする気にならないとはっきり言及しています。みんなが見てくれるからやる気になる。その気持ちを表しています。

 

 何れにせよ、年明けからあったバルセロナのチーム内における停滞した空気は今では完全に消え去り、CLでも優勝候補に復活した感があります。

 スペインは4チームが残りそうな状況であり、ベスト8からは自国チーム同士の対戦が組まれる可能性があります。

 今後スペイン紙の動向も同じように記載できればと思います。

 

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