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2017 ATP1000 マドリードマスターズ F決勝 ナダル対ティエム戦 ティエムの強打及ばずナダルが3大会連続優勝

 5月14(日)25;00から開始されるナダル対ティエムの決勝戦。

2017 ATP1000 イタリア国際(ローマ)オープン ドロー表決定 ナダル中心の展望

 ナダルはモンテカルロ、バルセロナと連覇しており、この大会も優勝すると3大会連続の優勝となり、今年のクレーコートで無敗を継続する事になります。

 ティエムも今シーズンはATP500リオオープンで優勝し、その他のクレー大会でも好成績を収めており、またそのアグレッシブなプレイスタイルで今後の成長も大いに期待できる選手です。

過去対戦成績 ナダル 3 対 1 ティエム

 過去の対戦成績はいずれもクレーコートの試合でナダルがリードしています。ティエムが勝利したのは2016年のアルゼンチンオープンでフルセットの末タイブレークで勝利しております。それ以外はグランドスラムの含めてストレートでナダルが勝利してます。直近では先週のバルセロナオープンでナダルがティエムを圧倒しました。

ランキングの変動

 ナダルはこの試合優勝するとランキング4位に復帰する事になり、フェデラーが5位にランクダウンする事になります。

 ティエムはこの試合が始まる前にランキング7位復帰が確定しており、優勝するとラオニッチを抜いて6位となる予定です。錦織は9位にランクダウンが確定しています。

各選手の勝ち上がり

 ナダルは初戦のフォニーニとの対戦では、感染症の影響もあり強打を控えた立ち回りを迫られ、かつフォニーニが非常に良いプレイを見せた事によりフルセットに持ち込まれましたが、最終セットになる頃にはショットのキレのギアがあがり押し切りました。以降の試合はゴファンとの痺れる1stゲームで苦戦をした以外はほとんどナダルペースといっていい程の盤石ぶりで、SFのジョコビッチ戦で終盤のゲーム以外はほとんどナダルが支配しました。

 ティエムは何といっても3回戦のティミトロフ戦がポイントです。5つのマッチポイントを握られる絶対絶命の状況から逃げる事なく強打でピンチを跳ね返し、最後はプレッシャーを与えてディミトロフを追い込みリターンアウトさせての勝利を収め、それ以降はLL勝ち上がりのチョリッチ、SFのクレー巧者のクエバスにほぼ完勝という状況です。

 互いにピンチはあったものの乗り切ってからは全く寄せ付けない強さで決勝に上がってきました。

 現時点ではそれでもクレー負け知らずでギアの上げ方も絶秒なナダルが有利と言えるでしょう。

 

1stセット

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1stゲーム サービスを打つ前のナダル選手

 1ゲーム目から長いラリーとなる。しかしラリーで互いに様子見なのか強打は見せず、互いにミスはあるものの、ナダルのキープで始まる。

 3ゲーム目、ナダルがリターンでティエムの態勢を崩す、ティエムが高いロブを挙げるとナダルがネットに出てスマッシュ。しかし、これをバックにまって構えていたティエムがリターンし、ナダルがボレーした所をティエムが鋭く左を抜く。その後も左右にスピンの効いたリターンでナダルを追い込めブレークポイントを奪う。すると、ナダルのリターンが甘くなった所を前に出てボレーをする、ナダルが回り込んで強打するとそのボールに反応し逆サイドにボレーを叩き込みティエムがブレーク先行する

 4ゲーム目は互いの素晴らしい粘りが見られたものの、左右に鋭いショットを立て続けに打ち出したディエムが難なくキープ。

 5ゲーム目、ナダルのサービスゲームでダブルフォルトしたものの、そこからは互いにネットに出てのボレーでナダルが打ち勝ち、危なげなくキープ。

 6ゲーム目、ティエムのサービスゲーム。このゲームからナダルはかなり深い位置取りでティエムのサーブに対応する策を取っている感じ。ティエムはショートポイントでの決着を焦り立て続けにミスをする。そして左右に振るティエムのボールに全て追いつき、しかも厳しいコースへのリターンを続けるナダルは2つのブレークポイントを奪う。すると、ラリーでの打ち合いからティエムはネットに出てボレーをするもネットに掛けてしまい、ナダルがブレークバックをする。

 このゲームのギアの上げ方はナダルらしく、ここからナダルが試合を支配する可能性を感じる

 7ゲーム目、ナダルの厳しい攻めにティエムが耐えきれずアウトする。所が、ナダルが簡単なリターンをアウトしたのに続いてダブルフォルトしカウント不利となるも、ここから厳し逆クロスを決め、デュースに持ち込まれるもドロップショットで揺さ振りこのゲームをキープ。

 お互いにキープが続く中迎えた第10ゲーム、ティエムにミスが目立ち始め、かつネットに出てのボレーをミスし、ナダルに3つのセットポイントが入る。それでもティエムは守らず、外に意識を集中させ内側に160キロの強烈なショットを決めデュースに持ち込む。そして最後はセンターのサービスエースで絶対絶命の危機を凌ぎ切りキープする

 11ゲーム目はナダルの貫禄のプレイが光りラブゲームキープ。

 12ゲーム目、ティエムが外にナダルを追い出しての逆サイドのボレーを決める。そのまま最後もスマッシュで決め6-6のタイブレークと白熱する

 タイブレーク(左ナダル 右ティエム) 

  0-0 ナダルサービスでスタート。長いラリーからティエムの強打でナダルの態勢を崩しネットに。ティエムがミニブレークを奪う

 0-1 ラリーからのティエムの深いショットがアウトになり、ミニブレバ

 1-1 ティエムのサービスエースが決まる

 1-2 ナダルがネットに出て逆サイドにリターンを決める

 2-2 ナダルが左右に揺さ振り、ネットに出て逆サイドボレーを決める

 3-2 ティエムがネットに出た所をボレーにナダルが強烈なリターン、これを返せずナダルミニブレ

 4-2 ティエムがショットを決める

 4-3 ナダルのサーブのリターンをティエムはネットにかける

 5-3 白熱のラリーから左右に揺さ振り鋭いリターンをティエムが決めミニブレバ

 5-4 ナダルの深いリターンがアウトに

 5-5 ナダルのショットがアウト、ティエムにセットポイント

 5-6 ナダルの内側のリターンの連続にティエムが返しきれず

 6-6 ナダルの鋭角のリターンが決まりナダルにセットポイント

 7-6 ティエムの逆クロスが決まる

 7-7 ティエムがネットに出てのボレーを決め、ティエムに2度目セットポイント

 7-8 ナダルのダウンザラインの鋭いショットが決まる

 8-8 ラリーからティエムがミスショット、ナダルに2度目セットポイント

 9-8 ティエムのイージーなストレートのショットがアウトになり、ナダルが10-8でタイブレークを制し、ゲームカウント7-6でナダルが制する。

 

 タイブレークは痺れるような展開で互いに素晴らしいラリーを見せたレベルの高い展開力、最後はティエムが気負いすぎてのミスが大変に悔やまれる所。気を取り直して次のセットに挑めるかにかかってます。ナダルは調子がどんどん上がっており、このままストレート勝ちを狙うでしょう。

 

2ndセット

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 1ゲーム目、ティエムのサービス。ティエムが良いショットを左右に散らしてもナダルが追いつきティエムを追い込んでいくと、最後はこらえきれずショットをアウトしてしまい、ナダルがいきなりのブレーク先行を取る。

 2ゲーム目、ティエムはまだ諦めずに強打を繰り出し、2度のブレークポイントを握る長いデュースゲームも、最後はナダルがセンターのサービスエースを決めキープする。

 ここからは両者キープが続き、5-3で迎えた第9ゲームのティエムのサービスゲーム。ミスの連続からナダルに2つのチャンピオンシップポイントが入る。しかし、ここから狙いすましたライン際のショットをアウトすると、ティエムが強打を繰り返し、このゲームを耐えてキープする。

 第10ゲーム、ナダルのSFC。ナダルのロブがネットを超えず、ティエムの鋭いリターンを返しきれず0-30と反撃される。更にリターンショットがアウトになり、今度はティエムが2つのブレークポイントを握る。ここでサービスエースと、サーブ&ボレーで前に出るとティエムのクロスリターンがアウトになりデュースに。ここからは互いに深くそして鋭いショットでの応酬。ナダルは4度目のブレークポイントを握られながらも鋭いショットで返し、サービスエースで3度目のチャンピオンシップポイント。しかし、ティエムが互いの強打から逆方向に162キロの強烈なショットを叩き込む。更にナダルがラリーからの絶妙ボレーで4度目のチャンピオンシップポイントを握ると、最後は鋭いコースへのリターンでティエムが追いつけず、ナダルがストレート勝利で3大会連続の優勝を果たしました。試合時間2時間17分の激闘でした。

  1st 2nd 3rd Result
ナダル 7 6   2
ティエム 6(8) 4   0

 

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 バルセロナ決勝と同じカードでしたが、バルセロナの決勝の時よりもティエム選手は更にナダル選手に肉薄しました。1stセットでのタイブレークは互いに痺れるようなキープ合戦で、最後は経験の差での決着というくらい差がなかったです。2ndに入っても落ち込む所か、マッチポイントを握られても強気の攻めで主導権を完全に渡し切らず、勝利の道を探していましたが、ナダルも最後まで1つのブレークを守り抜いての勝利となりました。

 互いの平均ストロークスピードは、ティエムが126キロとずば抜けたスピードです。平均してこのスピードは驚異的で、いかに強打を繰り返したかがわかります。ナダルの114キロも決して遅くないスピードです。ナダルはこの試合では強打の打ち合いからのロブショットを多く見せていました。スピード算出方法にこのロブショットが加わってるかによりますが、ナダルのリターンスピードもかなりのスピードであったため、計測方法が気になる所です。

 ゴファン選手との対決も素晴らしかったですが、ティエム選手はどんどん成長しております。ティエムとゴファンの対決も一度は見てみたいものですが、イタリアオープンドローでも彼らの対戦の可能性は残念ながらほとんどありません。

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 既にイタリアオープンが開始しており、ノーシード勢が早くも2日目の試合の最中となります。今回の決勝カードのナダル対ティエムはローマではベスト8とかなり早い段階で実現してしまいそうですが、ティエムはクエバスとの再戦が初戦にありそうなのもポイントでしょうか。

 いずれにしても、クレーコートシーズンはナダルを中心に、ティエム、ゴファンの食い下がりが今後も焦点となりそうです。その他の上位陣選手がどこまでクレイコートでピークを持ってこれるか、あるいはその先に照準を合わせているのか、という所になってきます。

 

 

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