週末はスポーツ観戦

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2018 全豪オープン SF、F チョンヒョン、フェデラー、チリッチ、エドモンド

 2018全豪オープンも残す所3試合となりました。

 2ndWEEKの勝ち上がりは以下の通りです。

2018 全豪オープンテニス ドロー表 各選手動向 試合結果

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ノーシード選手の活躍

 ベスト16までに5人のノーシード選手が残り、そのうち3人がベスト8に勝ち上がります。

 更に、エドモンド、チョンヒョンが勝ち上がりベスト4に2人のノーシード選手が上がりました。最近のグランドスラムでは記憶にありません。1999年以来19年ぶりの出来事のようです。

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ナダルリタイア

 勝ち上がりの盤石さから激戦が期待されたナダル対チリッチ戦。試合は予想通りの激戦となったが、4セットの途中から左右の揺さぶりに耐え切れなくなったナダルが、痛み止めを服用しても回復せずQFのファイナルセットで途中棄権という形になってしまいました。フェデラーとの決勝再びはこの時点で崩れ去ります。 

 


 


 

SF(準決勝) 

エドモンド 対 チリッチ

  1st 2nd 3rd 4th 5th result
エドモンド 2 6(4) 2     0 

チリッチ

6 7 6     3 

 初戦にシード11のアンダーソンを破った後は、イストミン、バシラシビリ、セッピとノーシードの選手を退け、QFではティエムとのパワフルな打ち合いを制したエドモンド。

 対するはカレーニョブスタ、ナダルとスペイントップ選手に激戦の末勝利して勝ち上がって来たチリッチの対戦です。

 

 試合開始から互いにリターンミスが目立つピリっとしない試合展開となる。その中でチリッチがバックハンドの強打を生かし優位に試合を進めると、2つのブレークを取りあっさりと1stセットを取る。

 エドモンドはトレーナーを呼び体の状態をチェックする。ティエム戦の披露が抜け切れていない様子を見せる。

 2ndセットは互いに淡々とキープを続けるものの、終盤になると互いに力みでミスショットが多くなり、そのままタイブレークへ。

 タイブレークではお互いにキープしあうものの、エドモンドがショットミスするとそのリードを最後まで挽回できずチリッチが2セットアップとなる。

 3rdセット。チリッチが第3ゲームであっさりブレークを奪うと、そのリターンゲームでエドマンドの抵抗をうけるも必死にキープする。

 すると第7ゲーム、デュース合戦からブレークポイントを奪ったチリッチのバックハンドを狙ったリターンにエドモンドがリターンミスし、2度目のブレークを取ると、第8ゲームのサービンフォーザマッチでエドモンドのリターンがネットにかかり、2時間18分のストレート勝ちでチリッチが決勝へ進出しました。

 

 準決勝としてはかなり物足りない試合となってしまいました。互いに強度があるものの、ウイナーポイントが少なくミスが多い試合でした。

 それがわかるのか、試合終了と同時に本来なら準決勝進出した充実感を表してもいいはずのエドモンドが全く観客を振り返らず逃げるように会場を後にしました。エドモンド本人が不甲斐なさにその場にいたくなかったことは容易に想像できますし、そのような試合内容だったのは否めません。

 

チョンヒョン 対 フェデラー 17;30開始予定

  1st 2nd 3rd 4th 5th result
チョンヒョン         棄権 

フェデラー

       

 ズべレフ兄弟を破り、怪我明けのジョコビッチに完勝、サンドグレンにも付け入る隙を与えず、対戦相手、内容共に充実の勝ち上がりを見せるチョン・ヒョン。

 対して1回戦から行く所と抜くところをわきまえた老獪さで体力をセーブしながら、しかしベルディヒ戦ではギアを2段も上げて良いテニスを見せたベルディヒを寄せ付けない強さを発揮したフェデラーが立ちはだかります。

 試合展開としてはチョン・ヒョンは比較的出足が悪いフェデラーの幸先を狙いに行くでしょう。序盤から力を出して先行セットを取れるかどうかに試合の流れはかかります。1stセットをフェデラーが取るようですとストレートで持って行かれるでしょう。

 

1ST

 チョンヒョンはこれまでとは違い、序盤に動きの方さが見られる。しかし、フェデラーもショットミスを見せ、1,2ゲームはまだ勝負はわからない展開を見せる。

 しかし、チョンヒョンの2ndサーブを大分前で裁くフェデラーの圧力が徐々に強まると、チョンヒョンは焦りからからしくないエラーが増えていく。

 圧力のみでブレークを許すとチョンヒョンは表情こそ変えないものの、リターンをネットにかけたり大きくアウトにするなど不安定な部分が頻発しだし、1stセットはフェデラーの2ブレークアップで27分で終了する。

 

2ND

 チョンヒョンはラウンド間でトレーナーを呼び足のマメを固定するサポーターを張り替える。

 しかし、流れは変わらずフェデラーがチョンヒョンを容赦なく左右に振るとチョンヒョンの動きが止まる。

 そして第3ゲームで0-30とされた所で、チョンヒョンはやや俯き迷いながらも主審にブレークのサインを送り、思わぬ形で準決勝2試合目が終了しました。

 

 試合が終わった事を受け入れられない会場は騒然とした雰囲気になり、中ではブーイングする客も散見される。

 そんな中足取りの重いチョンヒョンは両手で観客にごめんなさいといわんばかりに頭を下げながらゆっくりと会場を去っていく。

 試合後のインタビューではこの勝利はうれしいものの、望んだ形ではなく残念。しかし、チョンヒョンには大きな未来があり、強敵にも勝つ力を身に着けておりトップ10もいけるだろうと話しています。

 

 チョン選手は足の痛みが原因の棄権ですが、メンタルも相当に崩されていました。そしてそれこそがフェデラーの真骨頂でもあるでしょう。全仏のナダル対ワウリンカ、全英のチリッチ対フェデラーは共に相手の精神すら破壊する部分を見せるなど、準決勝、決勝ともなると試合をやるという「責任感」も出てくるだけに、チョン選手は今後はその部分での成長も必須となるでしょう。

 

 試合的な側面から見ると、例えチョンのマメがなくても、早い攻めには対抗出来たかと言われると難しかったと思います。チョンヒョンの守りは行動が読める範囲では驚異的に見えますが、フェデラーのそれは他の選手よりもしかけや打点、そして裁きにおいてスピードが違い、チョンヒョンが守備で抵抗できるとは思えません。

 チョン選手とフェデラーは戦ってみてもわかる通り相性が良いとは言えません。むしろフェデラーを得意とする選手などまずいません。全盛期ジョコビッチのような攻守ともに完成された選手でないと太刀打ちはできないでしょう。

 今のフェデラーは試合を絞っているだけに、出た大会ではしっかりしたパフォーマンスを見せるため、勝つのは難しいです。デルポトロ選手のような爆発力と経験をいかした守備もできる選手のみが可能性がある感じです。チョン選手がそのような選手になれるかどうか、まだまだ時間はありますし、ズべレフや同世代としのぎを削る事により乗り越える事ができるかもしれません。

 しかし、後述する通りフェデラーがテニスをする期間がそれほど長くならないと感じるため、彼の現役の時に再び相まみえるかどうかという事でもあるでしょう。

 

 

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