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2018 全米オープン QF準々決勝 錦織 対 チリッチ 暑さも克服の勝利

 9月6日(木)に行われる全米オープンQFで錦織選手はチリッチとの対戦となりました。

 

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過去の成績 8勝6敗 しかし・・・・

 過去の対戦では8勝6敗で上回っています。ハードコート自体でも6勝5敗です。

 しかし、決勝やツアーファイナルという大事な場面での戦いでは全て負けてしまっている嫌な相手でもあります。全米オープン決勝、バーゼルインドア、ロンドンツアーファイナルでは勝負所でミスが目立ち、また勢いを盛り返すショットでチリッチが制しています。

 

QF対戦では5戦全勝

 しかし良いデータもあります。過去QF準々決勝で5度の対戦のある両者ですが、このQFでの対戦では全て錦織が勝利しています。決勝に向けて試合を重ねる段階では錦織が戦えているとも言えます。

 大事な場面で負け、その途上で勝てるという事は単にめぐり合わせかもしれませんが、メンタルの部分の差も感じます。チリッチの方が大会が進めば進む程メンタルが強いという傾向なのかもしれません。何れにしてもQFという事を考えれば勝機は十分にあります。

 

 チリッチのプレイは強力なサーブにビックサーバーらしからぬ安定したストロークが持ち味で近年はよりオールラウンダーの部類になってきました。ややクレーが苦手なものの、今シーズンはどのコートでもしっかり結果を残してきました。後はバックハンド攻めは有効な選手でしょう。

 

懸念される酷暑問題

 しかし、その2人の楽しみな対決にも懸念点が存在します。それは今大会最も懸念事項とされている暑さと湿度の対策です。

 錦織は4回戦コールシュライバーにストレート勝ちしましたが、3セット目は明らかに体力を消耗し、顔は真っ赤に熱る様子がカメラに捉えられ、サーブ間は時間が許す限り壁側の日陰に入るなどの対策を余儀なくされました。

 更には屋根が取り付けられたアーサーアッシュスタジアムはフェデラーいわく、「空気の循環がとても悪くなっている、更にはこの酷暑もあり息ができなかった」と言及している事、更には多くの途中棄権の選手が出ている事を見ても、暑さによるパフォーマンスの懸念は残ります。途中棄権したレオナルド・メイヤー選手が、「コートの上で死にたくない」という衝撃のコメントを残しましたが、フェデラーが言及した事により、より大きな問題として今後の課題となりそうです。

 もう1つの懸念はショットクロック制度です。選手は25秒というポイント感の時間を否応なく意識させられるようになりました。それに加えて前述した酷暑が二重のダメージを与えているのは間違いありません。暑さの質では負けない全豪オープンではこれ程の問題に発展していなかった事からも、ショットクロック制度が選手の精神的な余裕を削り、体力消耗を大きくしているのはまず間違いありません。

 とは言え、商業的な目論見からこの制度は今後も変更する事はないでしょう。

  

試合経過

 錦織選手の試合は、9月6日(木)

 センターコート アーサーアッシュスタジアム 第2試合 午前3;00開始予定

 第1試合目に同じく日本人選手として勝ち上がってる女子シングルスの大阪なおみ選手の試合後に行われます。この試合が午前1;00開始となっており、ストレートであれば3時前後、フルセットになれば3時30前後のスタートとなりそうです。

 気温が最も高くなる時間帯でもあり、コンディション面は非常に懸念されてしまいます。

 

1stセット

 試合は大阪選手が1時間もかからずストレート勝利で見事ベスト4進出を決めました。このため、試合は少し早い2時50分から開始されています。

 現地時間の午後1時50分、快晴で非常に暑い天候の中試合は開始されます。

 第1ゲーム、チリッチのサービス。サーブで押してくるチリッチ。最後はバックハンドリターンをライン際にチリッチが決めてキープする。

 第2ゲーム、錦織のサービス。1stサービスの入りに苦労する錦織。チリッチにバックハンドのリターンを撃ち抜かれてデュースに。ここまで7ゲームで1度しか1stが入らない錦織、しかしラリーでチリッチに押されながらもチリッチが前に出ての強打がネットにかかるなどし、助かった形で錦織がキープする。

 第3ゲーム、序盤はチリッチが優勢な展開。チリッチが労せずキープする。

 第4ゲーム、2ndサーブを狙われ、リターンもバックアウトになるなど0-30となる。ここで錦織はチリッチのリターンがアウトだと思いプレイを緩めるがコールがなく、チリッチにフォアストレートを叩きこまれ2つのブレークポイントを掴まれる嫌な流れ。更にラリーで押され錦織のリターンが大きくアウトとなり、数字以上に大きいブレークを奪われる。

 第5ゲーム、解説の松岡が言うように相当差のある内容でチリッチが簡単にキープする。

 第6ゲーム、サーブがやや入るようになり、キープする。

 第7ゲーム、チリッチのサーブの調子がよくセンターへのサービスエースを叩きこまれ、さらにリターンが浮いたところを前に出て叩かれキープされる。

 第8ゲーム、ラケットを変えてコートに戻る錦織。2ndサーブでポイントを取りガッツポーズを見せる錦織は、次のゲームでセンターへのサービスエースを決める。しかし、ラリーではチリッチにライン際のショットを決められると、錦織がリターンをネットにかけチリッチにセットポイント。ここで錦織のバックハンドリターンがネットにかかり、錦織は1stセットを2-6で失ってしまう。

 

 非常に厳しい試合展開です。錦織は自分を鼓舞しようと頑張っていますが、チリッチのサービスに対応できておらず、さらには自身のサービスも大会を通じて安定感がないのがモロに影響し、本来有利なラリーやカバーリングも負けている状況です。センターコートは今大会初試合とのことで、空調の悪さを身をもって体験している今、何かのきっかけが欲しいところです。

 

2ndセット

 第1ゲーム、チリッチのサービス。1stセットの時の気温31度に対し、この時点で35度まで気温が上がっているという情報。錦織は早いポイントを取ろうと、チリッチの2ndサーブをかなり前でリターンしようとするもうまくいかず、ラブゲームキープされる。

 第2ゲーム、錦織は深く早いリターンを返すもチリッチがすべてそれ以上の早いリターンで逆に錦織を追い詰めるラリーを見せる。しかし、そこであきらめない錦織は193キロのサービスでチリッチを崩し、さらに深いリターンからドロップショットでポイントを取り、気合を入れなおすキープを果たす。

 第3ゲーム、錦織のよいプレイが連発した前ゲーム。しかし、このゲームはチリッチの3連続サービスエースで全く隙を見せないチリッチ。最後は前に出るボレーでラブゲームキープと厚い壁のようなキープをされる。

 第4ゲーム、チリッチも錦織もゲーム間で大量のスポーツドリンクを飲む。このゲームはセンターへのサービスを中心に組み立て比較的簡単にキープする。

 第5ゲーム、1stポイントは錦織が奪うものの、そこからチリッチの強烈なサーブにラリーにさせてもらえずキープされる。

 第6ゲーム、まだ勝機の糸口が見えない錦織のサービス。チリッチにドロップから冷静にリターンを沈められ2つのブレークポイントを握られる。すると、センター中心のラリーで錦織のリターンがバックアウトとなり、厳しいブレーク先行される。

 第7ゲーム、ここをブレークしないと天候的にも試合は決まってしまうこのゲーム。錦織はこれまでより深く構えてリターンに集中する。すると、クロスリターンをチリッチが連続でネットにかけ0-30とすると、センターから逆を突かれるリターンにも反応し、チリッチのサイドアウトを誘い3つのブレークポイントとチャンスを迎える。更に左右に振られながらも必死に食らいつくとチリッチのフォアリターンがネットにかかりラインを越えず、錦織が希望を残すブレークバックを果たす。

 第8ゲーム、1stサーブが入るようになる錦織が40-0とリードできるようになる。更に引き付けてのフォアリターンにチリッチが全く追いつけずに精神的なダメージを完全に取り戻すキープを見せる。

 第9ゲーム、クロスリターンからのドロップショットを見せる錦織は1ポイント毎にガッツポーズを見せるなど鼓舞する。すると、ラリーでチリッチが焦って強打をネットにかけ、このゲームもブレークポイントを握る。ここでチリッチがネットにかけながらのダブルフォルトで錦織がチリッチのサービスを2ゲーム連続でブレークする。

 第10ゲーム、錦織のサービンフォーザセット。ラリーからチリッチのミスを誘うも錦織もダブルフォルトを喫する。互いに顔が赤く、非常に厳しいコンディションは否めない。クロスリターンの応酬でチリッチが先に根負けし、錦織にセットポイント。ここで2ndリターンを叩かれるも錦織は対応し逆方向にライジングでリターンするとチリッチは足を延ばしてもリターンできずに錦織が大逆転の6-4で1セットオールとなる。

 

 第2セットの途中までは完全に試合を支配していたチリッチだが、第7ゲームのブレーク後のゲームからプレイの強度が一気になくなり、あきらめなかった錦織がそこに付け込んだ形で細い糸をしっかり掴んだ展開となりました。

 互いに顔を赤らめるなど厳しいコンディションには違いなく、この集中力を保てる方が勝負をものにしそうです。

 

3rdセット

 

 両者は一度暑さ対策のため引き上げる。

 第1ゲーム、チリッチのサービス。互いに前に出てのボレー対決で錦織が制する。更に厳しいチリッチのワイドサーブをしっかりリターンする錦織にチリッチがやや驚いたリターンでサイドアウトし0-30に。更には強烈なサーブをリターンし、前に出てきたスマッシュボレーをもライジングで錦織が叩くスーパープレーでブレークポイント。更にクロスリターンからのバックハンドの華麗なダウンザラインショットで流れを引き渡さない先行ブレークを果たす。

 第2ゲーム、錦織のサービス。チリッチもリターンが甘いと積極的にたたくも1stセット程リターンが安定せずアウトを連発。錦織もリターンがアウトになるなどするもキープする。

 第4ゲーム、錦織がポイント先行するも、ラリーでのリターンをバックアウトしデュース。ここでクロスリターンをネットにかけチリッチにブレークポイント。センターのサービスからのフォアショットでしのぐ。更にはしぶといラリーでキープする。キープすると同時に錦織は走りながらベンチに戻る。

 第6ゲーム、錦織が前に出てのボレーをミスし0-30に。ここでチリッチに深いリターンを返され2つのブレークポイントを握られる。しかし、センターサーブのショートポイントで切り抜ける。チリッチも声を出すなど、互いにここが欲しいデュース合戦。錦織は足を何度も叩く。互いにリターンが決まらず、チリッチは顔を手でつかみ叫び、錦織も悔しさから声を上げる展開が続く。長いデュースの末に、クロスラリーでチリッチのリターンがサイドアウトになり、激戦のこのゲームを価値あるキープに成功する。チリッチはあまりの悔しさにラケットを叩きつけてしまう。

 第7ゲーム、苛立ちが募るチリッチは力任せのリターンを見せるもアウトし0-30に。更に2ndサーブもダブルファースト並みに叩くチリッチ。これに錦織も応じて力いっぱいのリターンを打つもアウト。結局チリッチが力を振り絞ったプレイで気合を入れなおすキープに成功する。

 第8ゲーム、チリッチの気合が上回り、強烈なクロスリターンを炸裂され3つのブレークポイントを握られる。ここでしぶとくラリーで食らいつくチリッチが錦織の根負けを誘い、ラブゲームブレークでブレークバックを果たす。

 第9ゲーム、勢いに乗ったチリッチはやや落ち着いたプレイに戻り、錦織の動きをよく見て逆に降るなどし、万全のキープを果たす。

 第10ゲーム、チリッチに勢いを持っていかれている錦織はどう対応するか。ここは錦織も冷静に対応しキープする。

 第11、12ゲーム共に互いにピンチなくしのぎ切りタイブレークへ。

 

 タイブレーク 左 錦織 右 チリッチ

 0-1 錦織がバックハンドリターンをネットに掛けチリッチガッツポーズ

 1-1 錦織のバックハンドクロスでポイント、錦織もガッツポーズ

 2-1 錦織がセンターのサービスエース

 3-1 錦織のクロスリターンをチリッチがネットに掛け、錦織ミニブレーク

 3-2 錦織がサーブリターンをネットに掛ける、チリッチガッツポーズ

 3-3 チリッチがバックハンドリターンを仕掛け、ミニブレークバック

 4-3 チリッチのリターンが炸裂、チリッチミニブレーク

 4-4 チリッチのダブルフォルト、ミニブレークバック

 5-4 チリッチが連続でダブルフォルト、錦織ミニブレーク

 5-5 錦織のリターンがアウト、チリッチミニブレークバック

 6-5 チリッチのリターンがアウト、錦織セットポイント

 7-5 錦織のバックハンドのリターンエースが炸裂、錦織がタイブレークを7-5で制すし、セットカウント2-1とリードする。チリッチは苦笑いを浮かべる。

 

 

4thセット

 第1ゲーム、錦織のサービス。勢いを離さずキープする。

 第3ゲーム、しかしここでショットにミスが目立ち0-30とされる。更に前に出てスマッシュを叩きこまれブレークポイントを握られる。ここはセンターへのリターンをチリッチがアウトしデュースに。左右に振られ2度目のブレークポイント。これをセンターへのサーブで凌ぐ。結局錦織がしのぎ切りキープする。

 第5ゲーム、サーブを叩かれても鋭いリターンで応戦する錦織。このゲームをラブゲームでキープする。

 第7ゲーム、チリッチに比較的簡単にキープされて進行すると、錦織のリターンを読まれ3つのブレークポイントを握られると、ラリーで後手に回り、チリッチに何度も叩かれ、錦織のリターンが大きくアウトし、このセットはチリッチが先行ブレークする。

 第8ゲーム、先ほどのような焦った攻めがなくなり、落ち着いてプレイするチリッチが錦織の足を止めラブゲームキープする。

 第10ゲーム、チリッチのサービンフォーザセット。チリッチがダブルフォルトを喫する。更にはチリッチのリターンがバックアウトになり15-30。ここからセンターへの連続サービスエースでセットポイント。最後はチリッチのリターンを鋭く返すもバックアウトになり、チリッチが取り返し2セットオールとなる。錦織は思わずラケットを振りかぶるが思いとどまる。

 

ファイナルセット

 第1ゲーム、錦織のサービス。最初のポイントを取られるも、スマッシュがネットを掠めて決まるなどややラッキーな面もありキープする。

 第2ゲーム、チリッチのサーブに錦織がラリーが出来ず、キープされる。

 第3ゲーム、錦織は試合を通じて1stサーブに波があり、ファイナルセットは全く入らないもののチリッチのリターンも簡単にアウトになり、ラリーにならない淡泊なキープが続く。

 第4ゲーム、チリッチがいきなりのダブルフォルト。更には浮いた錦織のリターンをチリッチがミスショットでネットに掛け0-30。チリッチのリターンがバックアウトで3つのブレークチャンス。錦織はさらに深く構える。2本セーブされた後に錦織は今度はライン付近までポジションを上げると、リターンをボディーに強くたたき、これをチリッチがネットに掛け、錦織が待望のファイナルセットでの先行ブレークを取る。

 第5ゲーム、ワイドのサービスエースが決まってもクールに振る舞う錦織。結局その後も1stサーブが入るようになりキープする。

 第6ゲーム、錦織が追い詰めたラリーもラインアウトと判定されるもチャレンジでインになる不運も。しかしチリッチの強烈なワイドサーブに錦織が食らいつきデュースへ。さらにチリッチのフォアストレートがわずかにアウトになり錦織にブレークポイントが来る。しかし決めに行った強打がネットに掛かる。結局はサーブで押したチリッチがセンターへのサービスエースで必死のキープを許す。

 第7ゲーム、リターンをアウトしチリッチが思わずリターンボールを観客に打ち込むも観客がキャッチするという一幕も。次のポイントで華麗にリターンを決めガッツポーズのチリッチ。錦織はチリッチのプレイにも冷静に対応しセンター、ワイドサーブを使い分けリードするも、ダブルフォルトを喫する。更に左右に追い込む錦織だが、最後サイドアウトしデュースへ。ここでチリッチが優勢なラリーで錦織を崩しブレークポイント。そして錦織のクロスリターンがアウトになり、チリッチがガッツポーズでブレークバックに成功する。

 第8ゲーム、錦織はチリッチのサーブの度に位置を変えて対応する。するとチリッチのリターンがアウトになり錦織にブレークポイントが来る。チリッチはワイドのサービスエースでデュースに。最後は錦織がリターンをネットに掛け、チリッチがキープする。

 第9ゲーム、チリッチの深いリターンをしゃがみ込みながらしかりとリターンする錦織。明らかなダブルフォルトを喫するも、チリッチのリターンがアウトになりキープする。

 第10ゲーム、1stポイントから激しく揺さぶりあうラリーで錦織が競り勝つ。錦織はチリッチのセンターの212キロ、ワイドへの214キロのサーブもしっかり返し、チリッチのミスを誘い2つのマッチポイントを握る。そしてチリッチの強烈なワイドサーブをリターンするとこれをチリッチは追えず、錦織は満面の笑顔で両手を突きあげる。

 

 錦織がフルセットの末勝利を収めました。

 

スタッツ

 

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 錦織「本当にタフでした。ファイナセットもリードして追いつかれるような展開。彼とは接戦になるからね。勝てたのは全てのポイントにフォーカスして、あきらめなかったことが要因とは思う。だれが見ても厳しい展開だったと思うけど最後まであきらめなかった。」

 「今日は正直苦しかった。自分のテニスができたわけでもなかった。自分で葛藤しながら1ポイント1ポイント戦っていた。試合が進むにつれて少しずつ良くなっていったが厳しい試合だった。4セット目は悪い落とし方だったが、最後まであきらめなかった。チリッチのサービスもチャンスがあったので、、最後のポイントは100%わかっていたので狙った。今日の反省でいえばサーブは1stが入らなかったし、エラーも多かったのでそこは修正したい。」

 

 錦織自身が自分の出来をしっかり評価し、最後はチリッチの強烈なサーブにしっかり対応し、そして勝てたことは非常に大きく意味のある勝利となりました。

 試合全体ではチリッチの方がやや良かったという見立てで、総ポイントも152対142でチリッチが9ポイントも上回っていました。しかし、錦織はチリッチが安定したテニスをできなくするようにしぶとくしぶとく食らいついていきました。それによってチリッチは不安定になっていきました。

 ファイナルセットはそのチリッチもやや冷静さを取り戻しましたが、錦織選手も体力が心配される中、日陰となった恩恵もあり最後まで体力が持ちました。これも大きかったでしょう。

 

 テニスの内容は良くないと錦織が評していましたが、よくなかったのは第2セットの途中までで、第3セット、第5セットはむしろかなり良質なパフォーマンスを見せたと感じます。錦織がよくないというのはファイナルセットまで行ってしまったという反省があったからでしょう。第4セットの落とし方は確かに反省点ではありますが、第5セットは調子を取り戻したチリッチの210キロ越えのセンターやワイドサーブに悉く反応しました。それにより、まさかリターンが返ってくるとはという表情でチリッチのペースが乱れました。最後のリターンエースの読みに錦織のプレイが集約されています。攻めと読みとそれに委ねる精神力はトップ選手そのものと言えるでしょう。

 

 錦織選手はこれで全米は3回目のSF準決勝進出となりました。対戦相手はフェデラーを破ったミルマン対ジョコビッチの対戦相手となります。

 

 

 

 

 

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