2017 ATP1000マスターズ マイアミオープン 錦織QFベスト8 フォニーニ戦
マスターズマイアミオープン、第2シードの錦織選手。ベスト8でランキング40位のフォニーニ選手と対戦し、セットカウント0-2のストレートで敗れてしまいました。
1st | 2nd | 3rd | 4th | 5th | result | |
錦織 | 4 | 2 | 0 | |||
フォニーニ | 6 | 6 | 2 |
動きの鋭さがない錦織
4回戦のデルボニス戦で左膝を痛めトレーナーを呼んでの回復を強いられた錦織選手ですが、明朝の練習では更に右手首にも違和感があるとの報道がなされ、試合出場も心配された状況ですが、4時50分頃に試合は開始されました。
1stサーブに注目されましたが、やはりというか170キロ台のサーブが精一杯でかつ動きにも機敏さが感じられず苦しいスタートを予感させます。
早々にブレークを許すも、粘りを見せてブレークをし返す錦織。しかし、フォアにきたボールにスピンがかからずアウトショットを繰り返す。
実質消化試合的な観客の歓声
また、フォニーニ選手も錦織選手を圧倒するようなストロークやショットを見せるわけでなく、気負いすぎたエラーや、錦織選手の怪我にやりにくさを見せたのかは定かではありませんが、締まらない試合となりました。
それでも2ndセットは局面を打開しようと錦織選手が前に出てショートポイントを取りに行くもののうまくはまりません。結局、フォニーニ選手が最終ゲームもブレークし、そのままストレート勝ちという結果となってしまいました。
出場自体が厳しかったこの試合
この試合から帯同したチャンコーチですが、彼は何を思ったのでしょうか・・。
この調子を知っていれば、選手のコンディションを重視するならば棄権という選択肢もあったと思います。
おそらくはチャンコーチは止めたと推測されますが、全英でチリッチ戦と対戦した時も明らかにテニスできる状況でなく、チャンコーチが体を乗り出して合図を送るのに対して錦織は試合を続けていました。
このように錦織選手は自分が「こう」と思ったら曲げない所があり、それが長所にもなり短所にもなる所です。
個人競技ですから本人が思うようにやるしかないですし、その姿勢を否定する事はできません。しかし、結果的に負けとなってしまうと、見てる側にとっては、やっぱり休んでおいた方が、、となってしまうのは避けられません。
スタッツ的には、ウイナーが10対18、エラー21対18と、守備攻撃の面で苦しかったです。また、1stサーブ勝率5割、2ndサーブ勝率4割8分。特に1stでもポイントが取れないのでは難しいです。
ランキング4位→7位へダウン
マイアミオープンベスト8での敗退により、錦織選手は、前回大会の600ポイントを失い、180ポイントを手にするにとどまりました。実質420ポイントのマイナスとなります。
これに対して、棄権したラオニッチ選手、ベスト8まで残ってるフェデラー、ナダル選手が仮にここで敗れたとしても、失効ポイントの関係で錦織が7位にランクダウンする事が確定しました。
今後の失効ポイントをおさらいしていきます。
4月3週 300 ATP500バルセロナ F
5月1週 300 ATP1000マドリード SF
5月2週 300 ATP1000ローマ SF
5月4週 180 GS全仏 R16
6月3週 180 GS全英 R16
他の選手の動向にもよりますが、今後も失効ポイントは少なくない大会が続きます。ランキング維持をするだけでも大変な状況というのがわかります。また、ナダル選手も今後の失効ポイントは大きく、この2選手は今後の大会でかなりの成績を求められます。
対して、フェデラー選手はほとんど失効がないため、順調に1位を目指していきそうです。
錦織選手に関しては、今回痛めた左膝及び慢性化していると言われる手首の違和感を取り除く事が優先されると思います。
現状マレー選手やジョコビッチ選手が安定しないため、チャンスととらえたのかこの試合を出場しましたが、ラオニッチ選手のように潔く棄権するのも一つの方法のように思います。どちらが悪いというのは見ている側から判断する事ではなく、見守る事しかできません。