プレッシャーから解放されたジョコビッチ テニスを楽しむ方向性にシフトチェンジ
生涯グランドスラムからの転機
昨シーズン、全仏オープンを制し、生涯グランドスラムを奪取してから、どの試合でも以前程の強さが見られないジョコビッチ選手。
リオオリンピックでゴールデングランドスラムを狙った大会では初戦で怪我明けのデルポトロに敗退し涙を流すと、全英では決勝まで3棄権で進むも、ワウリンカに押し切られて準優勝。その後、マスターズでもそれまで負けのなかったチリッチに敗れ、ファイナルズでもマレーに完敗しました。
コーチ問題でも、長年付き添っていたボリス・ベッカーコーチとの契約を解消する。
更に、今年に入ってもカタール国際ではマレーを破り優勝したものの、全豪オープンでは2回戦チャレンジャーのイストミン戦にセットカウント2-1からの逆転を許し、急遽参戦のアカプルコやインディアンウエールズマスターズでは共にキリオスに完敗するなど、以前の強さが失われているように感じられていました。
テニスをしたくないという事ではない
しかしとは言え、大会にはコンスタントに参加しています。テニスのモチベーションを失ったと思っていたのですが、突然のアカプルコ参戦や、デビス杯やダブルスなどに積極的に参加しています。今回のモンテカルロオープン、ダブルスにもトロイツキ選手とコンビを組み、1回戦を突破しました。
今まではランキング1位維持やグランドスラムの為に、日ごろの食事節制やストイックなまでの管理をしていたとの事ですが、今はそこまで徹底的な管理はしていない感じはします。筋肉量が見るからに少なくなってます。ここは本人ではないとわかりませんが・・。
その変わり、自分が今したい事をしていると感じます。ランキングポイントに影響しないデビス杯や、それ程注目されないダブルスに積極的な事に関しては、よりプレッシャーの少ない環境でテニスを純粋に楽しみたい・・・そう思ってる感じがします。
ラブ&ピース
実際、試合中のジョコビッチ選手はシングルスではイライラする場面を見せる時はありますが、デビス杯やダブルスでのジョコビッチは非常に穏やかな表情でテニスをします。
そう考えると、今のジョコビッチ選手は純粋な強さを求めているのとはちょっと違うと感じます。楽しければそれでいい・・・。そして楽しむ事こそが平和の元、、、つまりはコーチのイズマ氏に傾倒している・・・とも取れてしまいますが。
見ている人の求めるジョコビッチ像
しかし、見ている人にとっては、今のジョコビッチを歓迎する人は少ないと思います。
あの憎らしいまでにスキのないジョコビッチに久しくお目にかかれてないのです。しかもそれは、つい去年までどの大会でも見せていたジョコビッチの姿です。
早くあの相手の心を折るようなジョコビッチの姿を見たい・・と思ってるファンがほとんどでしょう。そして、その強さを今のキリオスやフェデラーの前で見せての白熱した戦い・・・それが今一番みたいのではないでしょうか。
今回のモンテカルロマスターズ、優勝オッズはナダルとジョコビッチがトップを争っていますが、そのようなオッズ通りの戦いとなるのでしょうか。