ATP大会の日程の規定に関して ナダル選手は延期でなくルール上認められる権利
現在行われているマドリードマスターズで、ナダル選手の試合予定日が9日から10日にスライドした件に関しまして、報道等でミスリードを誘うような書き方をされているので補足するために記事を書きたいと思います。
2017 ATP1000 マドリードマスターズ ドロー表発表 放送予定 錦織選手初戦から超タフドロー・・
大会の日程が翌日のものしか公表されない理由について
twitterより
テニスの大会を追っていると、次の対戦相手が決まっているにもかかわらず、翌日の予定しか発表されません。これは大会のグレードに関係がなく、グランドスラムのような1日沖(雨天順延ではその限りではない)の試合が濃厚な場合もそうです。大会運営はそれなりにシビアに日程調整をしており、全てを調整しながら進められます。
その中でも特に初戦はかなりシビアに気を使って日程を発表しています。
今回のマドリードオープンに関して言いますと、大会2日目が男子シングルスの初日扱いですが、それと同時期に、エストリル、ミュンヘン、イスタンブールでの決勝が行われております。従って、これらの大会の決勝出場の選手、及び準決勝に進出した選手は全て、初日に試合は組まれません。
更に、2回戦以降出場となるトップ8の選手はそれぞれ希望の日程(大会4日目か5日目)を選択する権利が与えられます。ただし、この希望は前日の夕方までに変更が可能です。理由は、試合前日の夕方に日程が発表になるからです。
今回のナダル選手に関しては、元々9日の試合で希望を出していたものを、5日の段階で炎症が起きたので10日に変更を依頼した。ただそれだけの事です。試合日程が発表されてない段階での変更依頼ですので延期ではないのです。試合日程が発表されてからはいかなる理由でも試合日程は動かせません。
このような事は割とよくある事です。特に今回のマドリードオープンみたいに他の大会の影響を受ける場合は選手とも日程調整で打ち合わせをします。その時考慮されるのはランキング上位の選手の都合という事になります。
全選手出場後の日程は選手の都合は関係なくなる
これは当然ですが、全選手出場後は試合の数がバラつかない事になります。ベスト32、ベスト16、ベスト8・・と試合数が管理しやすくなります。この段階になるとあとは大会方式による日程にあてこまれて選手の希望等はなくなります。
試合開始予定時間はどのように決定されるか?
日程が考慮されない段階での試合開始時間はどのように決められているか?
これは運営で決められています。ジョコビッチ選手が一時期不満を募らせていた事もありましたが、基本的には選手の疲労等を考慮し、前試合から休養が取れる時間を計算し算出されているとされます。
グランドスラムの場合は1日おきの試合ですので管理がしやすいですが、マスターズなど3回戦当りからは毎日行うような日程となると、前日遅い時間⇒翌日早い時間のような組み合わせにはならないようにできるだけ考慮をします。
しかし、雨天順延などの日程の詰まりがある場合は多少鬼畜なタイムスケジュールになる事もあります。
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多くのサイトではポイントの事や大会のシードの事に関しては記載されているものがほとんどですが、今回のような件は触れられていないサイトばかりでしたので記載しておきます。