2017 ATP250 ジュネーブオープン QF3回戦 錦織対アンダーソン戦
5月25(木)日本時間22;00頃から開催される、ジュネーブオープン3回戦の錦織選手対アンダーソン選手の対戦。センターコートの第3試合、男子シングルスでは第2試合として組まれているこの試合。(以下選手敬称略)
2017 ATP250 ジュネーブオープンドロー表 錦織選手試合結果 3回戦進出 シード選手続々敗退
錦織 3 対 1 アンダーソン
過去の両者の対決は3対1に錦織がリードしています。
直近の対戦では、今年のマイアミオープンの緒戦(2回戦)で対戦し、サーブに押されながらもストレート勝利を収めています。敗れた試合は2015年のチャイナオープンで、壮絶なタイブレークを12-10で落としストレート負けした試合のみです。
これまでの対戦は、4戦すべてがハードコートでの対戦で、クレイコートでは初対戦となります。とはいえ、ストロークよりもサーブが持ち味のアンダーソンとの対戦となれば、ハードコートよりもクレイコートの方が組みしやすい相手と言えます。
アンダーソン選手
現在ランキング62位に位置する南アフリカ出身のプレイヤー。
身長は203cmと大柄で、ビックサーバーの部類に入ります。長身の割には身のこなしもよく、ストロークもビックサーバーの中ではこなせる部類の選手です。
2015年にはグランドスラムで好成績を残し、ランキングでトップ10に入る勢いを見せましたが、2016年序盤に負った怪我の影響でその年の前半を棒に振り、以降も前年度程の活躍はできませんでした。
全仏の調整試合という事もあり、ビックサーバーのアンダーソン選手に対しては自分の思うようなテニスができる相手と見ます。コーナーを突くストロークで左右に揺さぶりをかけて実践感覚を整えたい所です。
試合スコア
1st | 2nd | 3rd | Result | |
錦織 | 2 | 6 | 7 | 2 |
アンダーソン | 6 | 4 | 6(6) | 1 |
試合推移
1stセットの入りはアンダーソンが優勢。強烈なサーブに、ストロークが深く、錦織はリターンに苦労すると、先行ブレークを許され、第8ゲーム、錦織のサービスゲームでも、2ndサーブを狙われてセットポイントを握られると、そのままブレークされ、ゲームカウント2-6で錦織が1stゲームを落とす。
2ndゲームは、少し開き直ったか強めのリターンで打開を見せると、最初のアンダーソンのサービスゲームをブレークすると、そのままこのセット6-4でセットを取り返す。
ファイナルセットに入ると、第3ゲーム、アンダーソンのサービスゲーム。錦織の速い攻めとアンダーソンのミスで2つのブレークポイントを握るも、フォアのクロスウイナーを決めるなどしてアンダーソンがキープを見せる。
第4ゲーム、錦織のサービスゲーム。前のゲームで2つのブレークを逃したものの、危なげなくこのゲームをラブゲームキープする。
第5ゲーム、アンダーソンも負けじと楽々とキープする。
第9ゲーム、アンダーソンのサービス。錦織は態勢を崩しての逆サイドに抜くショットや良いリターンもあり30-0とリードするも、そこから4連続サーブで崩されてキープされてゲームカウント5-4でアンダーソンリード(ブレークダウンはなし)となる。
プレッシャーがかかる第10ゲーム、錦織のサービス。錦織のショットがネットやアウトになり、3つのマッチポイントを握られる。しかしここからサービスや、アウトを恐れないフォアクロスなどでピンチを切り抜けると、アンダーソンが錦織のサーブをネットに掛けて土壇場のピンチを乗り切る価値あるキープを見せる。
ピンチを凌いだ11ゲームは、しかしアンダーソンのサーブを攻略できず、このゲームも楽々キープされる。
第12ゲーム、錦織のサービス。サーブで押す錦織は左右に深いショットを叩き込みむ、しかしアンダーソンが前に出てのショットを決め、デュースに持ち込まれる。ここからアンダーソンが2本ストロークでアウトし錦織のキープ。勝負の行方はタイブレークに持ち込まれる。
タイブレーク(左 錦織 右 アンダーソン(略 アン))
0-0 アンS。互いにネットに出ての攻防でアンダーソンのパッシングショットが決まる。
0-1 錦織S。アンダーソンのリターンがアウト。
1-1 錦織S。ラリーからアンダーソンがリターンをネットに掛ける。
2-1 アンS。アンダーソンのサービスエースが決まる。
2-2 アンS。アンダーソンのワイドのサービスを錦織がネットに掛ける。
2-3 錦織S。ラリーからの錦織のリターンがアウト。ミニブレを握られる。
2-4 錦織S。ネットに出てフォアショットウイナーを決める。
3-4 アンS。錦織も粘るが高くはねたリターンをアンダーソンがスマッシュ、しかしこれがまさかのスマッシュミスになる。
4-4 アンS。アンダーソンがリターンをアウトし、錦織がミニブレークを握る。
5-4 錦織S。態勢を崩したアンダーソンに深いショットを放つもバックアウト。
5-5 錦織S。錦織のリターンにアンダーソン対応できず、錦織のマッチポイント
6-5 アンS。アンダーソンがストレートのウイナーを決める。
6-6 アンS。アンダーソンのワイドへのサービスを強烈なリターンエースで返し、錦織に2度目のマッチポイントが来る。
7-6 錦織S。サーブでアンダーソンを崩し、最後は強烈なフォアクロスを決めてタイブレークを8-6で制し、フルセットの末錦織が準決勝進出を果たしました。
大熱戦となったこの試合。錦織は最後までアンダーソンのサーブに苦労させられました。またストロークでも深い粘りあるショットを続けたため、早いリターンでないとポイントが取れず、かなりの疲労があったようで、試合終了後はぐったりした表情を見せておりました。
アンダーソンは220キロにも及ぶサービスに、左右に深いストローク。運動量が豊富ではないにしても、これだけの動きができる選手です。ランキング62位はあまりにも実力を示していません。ただ、この強さをそれなりの頻度で見せられていないという証拠にはなってしまいます。
SF準決勝の相手は ミーシャ・ズべレフ
2017 ATP250 ジュネーブオープン SF準決勝 錦織対M・ズべレフ戦
錦織の準決勝の相手は、予選勝ち上がりのミーシャ・ズべレフに決定しました。ミーシャは弟のアレクサンダー・ズべレフがマスターズを制覇した事により若干陰に隠れがちですが、今年の初頭まではかなりの異端児としてテニス界に旋風を巻き起こしていました。全豪でマレーに勝った選手です。
ミーシャ・ズべレフは予選勝ち上がりとはいえ30位前半の選手で、この大会の準決勝進出により、全仏のシード権もほぼ獲得濃厚となっています。
ズべレフのプレイはサーブ&ボレー。これ1つです。その他の戦術は持ち合わせておりません。ただし、全豪のマレー戦で見せたように、そのボレーの出るタイミングやコース、後はそのプレイスタイルを愚直に遂行するメンタルを備えている選手です。現在のテニスプレイヤーの中でも特に異色な選手ですので、どのような対応を錦織選手が見せるのでしょうか。
その他注目試合
M・ズべレフ 対 ジョンソン
前述した予選勝ち上がりのミーシャ・ズべレフが、イズナーに続きジョンソンもストレートで下し、錦織選手の準決勝の相手に決定しました。ミーシャはこれで6試合連続の試合となります。全仏を考えますと、体力が持つでしょうか・・。
ワウリンカ 対 サム・クエリー
小さな大会やマスターズでは集中力のないプレイを見せるものの、グランドスラムになると突如パフォーマンスを向上させる事のある読めないワウリンカ。地元開催の大会とは言え、それほどに気合を入れているという感じでもなかった緒戦は棄権により省エネで勝ち上がる。
対するクエリーは小さな大会程本領を発揮するものの、イタリアオープンではそれまで絶好調だったティエムを相手に3度のマッチポイントを取るなどの曲者ぶりもある相手。サーブに持ち味があり、強いフォアやバックも持っているのだが、土壇場で勝負弱い点がある。
試合はクエリーのサーブがワウリンカに襲い掛かり、1stセットを先取するも、ワウリンカが落ち着きを取り戻し、かつ地元の声援に応える素振りを見せるとそこから立ち直り、ファイナルセットは1stセットとは逆にサーブで押す展開となり、そのままワウリンカが押し切って勝利しました。