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クレーコート活躍選手、錦織選手の今後の活躍 2017 6月

 全仏オープンはナダルの10回目の優勝で幕を閉じました。クレーコートで活躍したティエム選手や、大会で抜群の安定感を誇ったワウリンカでさえもナダルの前には最後心を折られる程の盤石かつ無慈悲な強さを見せつけたナダル選手。

 クレーコートの大会はまだ開催されますが、今後は芝やハードコート主体のシーズンに突入していきます。

 そんな中、今年クレーコートで活躍した選手は、芝、ハードコートでどのような活躍を見せるのか?あるいは展望は明るいかを見ていきたいと思います。(以下選手敬称略)

 

ティエム選手 今後期待度85

 トップ選手を次々と破り、全仏でも準決勝まで進出したティエム選手は、ナダル選手に精神的にも崩されての敗退となりましたが見事な活躍でした。

 全仏でも227キロを記録した威力のあるサーブ、スピンのかかったリターンに粘り強さが加わり、元々のパワフルなリターンショットに、バックハンドの精度も向上し、弱点がなくなってきています。また、初戦敗退のような精神的な不安定さもなくなりつつあり、トップ選手としての盤石な地位も固めつつあります。

 昨年からクレーコートでは結果を残している反面、シーズン後半になると失速というイメージがありますが、今年はどうでしょうか?

 おそらくは問題なく上位に居続ける事ができるでしょう。プレイはハードコートよりの粘りのストローク力がありますが、サーブも強い選手ですし反応も早いです。昨年ハードコート成績がイマイチだった事からも、今年はよりよい成績を残そうという意欲も満ちてるでしょう。

 

ゴファン選手 今後期待度75

 全仏4回戦で不運な怪我に泣いたゴファン選手。本来ならベスト16でティエムとの激戦をテニスファンは楽しみにしていたのですが、無念という所です。

 クレイコートシーズンでは今まで勝てていなかったジョコビッチに勝ち、ナダルとも接戦を演じたものの、ローマでは疲労の影響、全仏では4回戦でアクシデントにより望まざる結果に終わってしまいました。

 怪我の状態は重症ではない模様ですが、芝シーズンはスキップする可能性があります。

 怪我の回復具合にもよりますが、昨年もATPファイナルで予備出場枠ながら出場するなど、ハードコートでも安定した力を発揮しつつあり苦手なコートはなく、今後も活躍できる下地は整っています。

 

ディエゴ・シュワルツマン選手 今年期待度40

 170cmの小柄(実際はより小さい可能性あり)な体からは想像もつかないパワフルなストロークと粘りのあるプレイで魅了する選手です。

 全仏オープンでも3回戦まで進み、ジョコビッチ相手にあわやの戦いを見せ、フルセットの末腹部や背筋が攣り敗れてしまいました。

 更には今シーズン2度にわたって錦織選手の前に立ちはだかり、2戦ともフルセットの末辛くも錦織選手が勝ち上がるなど、上位選手相手にも素晴らしいプレイを見せて今後が期待されるように思われるのですが・・・。

 このプレイスタイルは間違いなくクレーコートでのみ発揮されるプレイと見ます。

 サーブは非力で、リターンの粘りはあるもののスピードはそこまででもありません。コートスピードが速くなる芝やハードでは非常に厳しい戦いとなるでしょう。今シーズン終了時に50位前後をキープすれば御の字となってしまうのではないでしょうか。

 

カレーノブスタ選手 今年期待度65

 クレーシーズンではタイトルこそなかったものの随所に印象的なプレイを残しました。全仏ではディミトロフ選手を相手に貫禄の勝ちっぷりを披露し、ラオニッチ選手との試合では序盤を耐えてからの終盤に畳みかけて7度のマッチポイントの末に勝利をもぎ取りました。上位選手にも勝つことができるようになり自信も深まってきています。

 プレイスタイルはクレーコート専用というわけではなく、オールラウンドに対応できると感じます。サーブの威力は並程度ですが、粘り強いストロークの上にフォアの強打は威力があります。

 現状のランキングは未知の領域ですが、今後ランキング20位前後をキープする可能性は十分にあるでしょう。

 

ラファエル・ナダル選手 今年期待度85

 クレーシーズンを25戦24勝1敗で4大会制覇し、かつ全仏でのV10達成。その勝ちっぷりは見事で対戦相手に今後のトラウマを植え付けるに十分なパフォーマンスでした。

 今年は春先からポイントを稼いでおり、芝、ハードコートシーズンの活躍では再びランキング1位を見えてくる程ポイントを稼ぎました。

 今後の活躍も期待されますが、どちらかという周りの選手の調子次第とも言えます。ナダル選手のパフォーマンスは変わらず推移するでしょうが、少なくてもクレーコートシーズンのように圧倒的な粘りを発揮はしにくくなるでしょう。球足が速い選手に苦戦する事もしばし出てくるでしょうが、負けた時どんな負け方をするかが今後を左右するでしょう。自分のテニスが出来ずに完敗するような負け方をしない限りは安定した戦いを今後も続けるでしょう。

 

サー・アンディ・マレー選手 今年期待度65?

 全仏の準決勝前までは、はっきりいって強い時のマレーではなかったです。勝ち上がってはいたものの終始不安定で、錦織選手との試合では序盤は全仏の試合の中でも最低ランクにリターンは遅く、サーブも遅かったです。しかし、徐々にチャンスをつかみ勝利すると、準決勝はワウリンカを相手に負けたとは言え、十分に対抗し面白い試合を見せてくれました。本人も「敗れたのは残念だが全体的に見れば満足のいく戦いだった、まだ自分はトップ選手と戦えるという事がわかった」と振り返る内容だったと思います。逆に言うならばそれほど自信を失っていたという事も言えます

 ただし、ここ一番でない時の不安定さが抜けきらないうちは、今後も早期敗退をする可能性は消えません。

 具体的にはサーブの強さとストロークの粘りが発揮されるかどうかです。この2つが高水準に安定して戻るという事が先決でしょう。ワウリンカ戦のようなテンション見せるのは大会が深まってからとなるでしょうが、それまでにも局面では違いを作れるようなプレイが必要でしょう。それこそナダル選手みたいにミスを織り交ぜてのプレイでもよいのではないでしょうか。

 

ノバク・ジョコビッチ選手 期待度50??

 残念ながら全仏オープンでも不安定さを見せつけてしまったジョコビッチ選手。

 しかし、今までとの大きな違いは、試合を投げてしまった感のあるティエム戦です。その負け方が余りにも衝撃的です。

 コーチ陣を一掃したり、コーチ経験の少ないアガシ氏を招いたりと色々な試行錯誤を繰り返し、試合中は声を出し、良いプレイでは吠えるなどの必死な姿に復活の糸口があると思っていましたが、ティエム戦では終盤は声も出なくなり、淡泊にエラーを繰り返しました。ジョコビッチはまだトップに戻るための意欲はあると主張しますが、プレイぶりを見ますと難しいと言わざるを得ません。

 全仏オープンの結果で4位に6年ぶりに転落したジョコビッチ。歯止めがかからなければさらなるランクの下落が否定できない状況です。この状況をどう打開していくのかが注目されますが、今の時点では期待度がそれ程高いとは言えません。

 

錦織圭選手 期待度70??

 全仏オープンでは苦戦を強いられながらもQF進出した錦織選手はマレー選手に隙を与えて半ば自滅する格好で敗れてしまいました。

 しかしながらシーズン序盤の不安定ぶりからすれば持ち堪える試合ができるようになった部分はあります。体力面に課題はありますが、テニスの質としてはそれほど悪いとは思いませんでした。

 とは言え、全仏もドロー的には本来当たると思われたアレクサンダー・ズべレフが1回戦敗退し、その他シード選手も当たる前に敗れ、いわゆる「楽ドロー」的な状況になりましたが楽には勝てませんでした。

 1試合の中でも波があり、一度気分が落ち込むとすぐに立て直せない部分の改善を今必死にしているという感じでしょうか。ランキング下位選手にもサーブを叩きに来られるなどし、サービスゲームでの苦戦するのは今後も続くでしょうが、メンタルが折れない限りはストロークではトップクラスである事を示しています。その安定度が今後のカギになってくるでしょう。

 しかし何といっても今後の活躍度は、再び怪我をしないかどうか。これに尽きます。全仏オープンでは不安視された右手首の状態が悲鳴を上げる事はありませんでした。フィジカルの厳しさから足にきていたのみです。

 

 

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