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マレー、ワウリンカ、ラオニッチらトップシード連続初戦敗退の大波乱 2017エイゴン(AEGON)選手権

 ドイツで行われているゲリーウェバーオープンがシード選手が順調に勝ち上がる中、イギリスで行われているエイゴン選手権ではトップシード選手が立て続けに敗れる波乱に見舞われました。

 

 アンディー・マリー 対 トンプソン 

  1st 2nd 3rd result
マレー 6(4) 2   0
トンプソン 7 6   2

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gettyimage

 イングランド国内で様々な悲惨な出来事が起きている事から、この大会の獲得賞金を全て寄付に充てると表明しているマレー選手。また、芝での最初の試合でもあり、気分一新にして挑んだはずのこの試合でした。

 当初は自国選手のベデネ選手との対決でイギリスでも注目の試合となり、超満員の中試合が行われるはずだったが、試合の数時間前にベデネが欠場を発表し、ラッキールーザーとしてトンプソン選手が試合に組み込まれました。

 

 試合が始まるとマレーのプレイがどこか冴えない。1stサーブが入らず、またトンプソンの速いサーブが立て続けに決まり、劣勢の中でもブレークを奪わせずにタイブレークに突入するも、最後までプレイ面で押し切られてこのセットを6-7で落とす。

 2ndセットに入ってもサーブの調子は悪いままで、全仏の時に懸念されていたサーブスピードも200キロを上回るかどうかとスピードが全盛期には程遠い速さ。一方のトンプソンは更にワイドやセンターに打ち分けてマレーを翻弄する。更にはストロークでも狙ったショットがコートを捉えず次々とブレークを奪われてしまい、結局ゲームカウント6-7、2-6のストレートで敗れました。

 

心配いらないという出来ではない

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gettyimage 試合後のトンプソン選手の英語インタビュー

 LLからの出場となったトンプソン選手は見事なテニスを見せ勝利に値する出来でした。サーブは早く鋭く、ストロークもマレーより内容は良かったです。イングランドのファンも拍手で選手をたたえました。

 一方、地元ファンも多いマレー選手は足早にコートを去ってしまいました。その立ち振る舞いに調整試合と割り切ったわけではない深刻な印象を受けました。前述したとおり、被害者に対する責任を果たせなかったという無念の気持ちもあるのでしょう。

 また、プレイぶりもうまくいかないショットがあっても吠えたり何かに訴えたりするような一人芝居じみた仕草もなく、淡々とプレイしていた部分も気がかりです。淡々とプレイする時のマレーは調子が良くない時のマレーです。このプレイ内容だと、全英前の週の大会に急遽参戦はありうるでしょう。

 

ワウリンカ 対 F・ロペス

  1st 2nd 3rd result
ワウリンカ 6(4) 5   0
F・ロペス 7 7   2

 

 生涯グランドスラムに向けてアナコーン氏を臨時コーチに迎えて挑んだこの大会。

 お互いの速い攻撃の応酬でブレークのないキープが続いたまま迎えたタイブレークでロペスのサイドへの揺さぶりでワウリンカが態勢を崩すとワウリンカが痛恨のダブルフォルトを喫するなどし、このタイブレークを7-4でロペスが制する。

 2ndセットは先にワウリンカがチャンスを迎えるも決めきれない。するとと12ゲーム目にロペスがマッチポイントを握ると、ロペスのリターンショットがコードボールとなりワウリンカ側サイドに落ち、ロペス選手がストレート勝ちとなりました

 

 ワウリンカは決してひどいプレイをしたわけではないですが、元々痛めていた左膝の状態がよくなく、試合中も何度もその部分を叩く仕草が見られました。芝コートは滑りやすく膝への負担が大きいため、これが今後の試合に影響が出てくる可能性は高く、フィジカルコンディションを回復するためには早期敗退は良かったのかもしれません。

 

ラオニッチ 対 コキナキス

  1st 2nd 3rd result
ラオニッチ 6(5) 6(8)   0
コキナキス 7 7   2

 クイーンズでの300ポイント、全英での1200ポイントを大きな失効が待っているラオニッチは得意な芝でどのように巻き返すか、対するは全仏でシングル復帰2戦目で錦織選手を苦しめたコキナキス。

 試合は序盤からラオニッチが優位にするめるもチャンスで決めきれない。1stセットは8度のブレークチャンスを決められずタイブレークに突入すると、5-7でタイブレークを落とし、まさかのセットダウンを喫する。

 2ndセットに入るとラオニッチはチャンスを作れなくなり、淡々と試合が進みタイブレークに突入する。タイブレークは6-3とラオニッチ有利に進めるも追いつかれてしまい、更にはミスショットを連発してマッチポイントを再三に渡って握られると、最後はコキナキスのショットが決まり、タイブレークを10-8で奪取したコキナキス選手のストレート勝ちになりました。

 

 内容から言えばラオニッチが負ける試合ではありませんでした。奪われたブレークポイントは0です。しかしタイブレークでのここ一番でミスを連発し取り切れなかった部分は頂けません。今後に不安を残します。

 一方のコキナキスはシングル復帰3戦目で、錦織選手を苦しめたプレイぶりから今後の芝、ハードでの活躍を予感させましたが早くもランキング1桁選手を破るアップセットを演じました。粗削りなプレイでミスも多いですが今後に期待を抱かせる選手です。

 

 シード選手が相次いで敗れる中、チリッチ選手はビックサーバー同士の対決となったイズナーを危なげなく下し、今大会の本命に躍り出ました。

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