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フェデラー対アレクサンダーズべレフ F決勝 2017ゲリーウェバーオープン

 ドイツのハレで行われてるゲリーウェバーオープンも残す所決勝のみとなりました。

 決勝はフェデラー対アレクサンダーズべレフに決定しました。

 

フェデラー 対 アレクサンダーズべレフ

 今大会全てストレート勝ちできているフェデラー。SFのカチャノフ戦ではややリターンが不安定だったものの要所を締めてウインブルドンへの調整を整える総仕上げとしたい決勝となります。

 一方のズべレフはQFのバウティスタ、SFのガスケに対応したよいテニスをされ、共に1stセットを落とすも、2ndセット以降も持ち前のサーブの強さとストロークの粘り強さと強打で勝ち上がってきました。

 

 咋シーズンはこの対決がSF準決勝でありましたが、その時はズべレフがフェデラーに勝利し新時代を予感させる出来事となりました。

 

 今年のフェデラーは参加大会が6大会と少ないものの初戦負けした2大会以外は全て優勝とメリハリのついた戦いをしております。この大会ももちろん優勝候補筆頭と捉えられています。ズべレフはフェデラーの速い攻めとの相性が良いとは言えませんし、去年当たった時よりも明らかに今のフェデラーの方が強く、簡単にはいかないでしょう。

 速い攻めやドロップショット、ネットプレイと多彩な揺さぶりにズべレフがどう対応してくるかが鍵となりそうです。

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対戦成績

 過去の対戦成績は フェデラー 1 対 1 ズべレフ です

 前述した昨年のハレのSFでフルセットの激闘の末にズべレフが新時代の扉を開いています。また、同年のクレーコートのマスターズイタリアオープンではフェデラーがストレートでズべレフを破っています。

 

 フェデラーは今大会順当に勝ち上がってはいますが、試合勘が完璧という程寄せ付けない内容というわけではなく、ミスによるブレークも見られるなど、まだ探っている感覚があります。おそらくはこの大会の決勝でも最高の状態で迎えるという事はないと捉えていますが、実戦感覚を掴むことによりウインブルドンでは最終的には全豪レベルにまでは仕上がっていくでしょう。

 ズべレフは今正にピークという感じです。全仏オープでの1回戦敗退があまりにも悔しく1日おいて直ぐにグラスコートでの練習を始めたというくらいにこのグラスシーズンに入念な準備をして挑んできています。今大会では相手選手にうまく対応されてナーバスになる事はあってもエラーを連発する事はなくなり、自我のコントロールに僅かながら成長が見られます。弱点であったネットプレイも積極的に取り入れて実戦で試行錯誤しています。強烈なサーブ、力強いストロークに粘り強いカバーリングなど、必要な要素がどんどん埋まってきたズべレフは今年のワールドツアーファイナルの出場も濃厚でしょう。

 

試合内容

1stセット

 1 ズべレフS ズべレフのリターンにドロップショットを使い0-30とするフェデラー。更にはセンターへのエースが決まったかと思いきや、フェデラーのチャレンジでラインギリギリアウトのチャレンジ成功し、ライン際へのショットズべレフがリターンしきれず3つのブレークポイントを握ると、バックハンドと思わせてのフォアストレートをラインギリギリに決めフェデラーが今までと違い全開のプレイでブレークを奪う

 2 フェデラーS 角度のあるスライスやネットプレイでズべレフを翻弄し難なくキープする。

 3 ズべレフS 今日のズべレフはリターンショットの精度が悪く、アウトショットを繰り返す。更にはズべレフのの股を通す鋭いショットにも対応し、2度のブレークポイントを握ると、ズべレフのリターンがわずかにアウトし、フェデラーが2連続ブレークを奪う

 4 フェデラーS 隙のないフェデラーはズべレフに思うようなリターンもさせず楽々とキープする。

 5 ズべレフS バックハンドとフォアを使い分けてズべレフを翻弄するフェデラーしかし、今度はズべレフも粘りネットに出たフェデラーの横を抜くショットを決め、この試合初キープを果たす。

 6 フェデラーS フェデラーもミスはあるものの、フェデラーのサーブにまだ対応できていない。2ndサーブのリターンも強く返す事ができず、フェデラーに主導権が行く形でこのセットもキープする。

 7 ズべレフS ズべレフのリターンがネットにかかりフェデラーに3つのセットポイントを握られる。すると40-30からのズべレフの逆クロスリターンがアウトとなり、フェデラーが6-1でセットを先取する

 

 フェデラーは出だしから強度を増し、決勝戦での集中力を見せつける。

 逆にズべレフは思い通りにならないのか、かなりタンパクにバックアウトショットを繰り返す始末。サーブは相変わらず走っているもののフェデラーに難なく対処されてしまっており、1stwin42%、2ndwin27%と為すすべがない状態です。

 このままフェデラーのレッスンを消化しきれないまま試合は終わってしまうのでしょうか。

 

2ndセット

 1 フェデラーS 30-30からフェデラーの逆クロスがアウトとなり、ズべレフにこの試合初めてのブレークポイントが来る。しかし、サーブで思うようなリターンをさせないフェデラー。デュース後のサービスでズべレフのリターンが浮いた所をスマッシュで決めてキープを果たす。

 2 ズべレフS フェデラーの圧力は尚も続き、15-30となるも、前に出でのショットに対応し、サーブでフェデラーを崩し、価値あるキープを果たす

 3 フェデラーS フェデラーの前後の攻撃がズべレフを襲うと、フェデラーのドロップショットにズべレフがネット際で転倒し悶絶の表情を見せる。ゲームはフェデラーがキープする。

 4 ズべレフS ズべレフはこのセットは積極的にネットに出てのプレイをしフェデラーにプレッシャーをかけるもフェデラーは微塵も乱れず、逆にフェデラーのスマッシュがさく裂するとズべレフが先ほどの転倒の影響からよろける。ブレークポイントを奪われるも、サーブ&ボレーで対応するズべレフ。このゲームをキープする。

 5 フェデラーS フェデラーの1stでは94%と高い決定力を誇る。このゲームもライン際のショットをクロスでリターンしラブゲームキープを決める。

 6 ズべレフS 前に出てのプレイをズべレフが引き続き見せるもスマッシュをも鋭いリターンで返され2つのブレークポイントを握られると、長いラリーからフェデラーがドロップ気味のスライスショットを見せるとズべレフがこれをリターンをするのがやっと。これをフェデラーは鋭くアウトサイドで抜きフェデラーが優勝へ向けてのブレークを奪取する

 7 フェデラーS フェデラーのサーブの威力にズべレフは浮き球を返すのが精いっぱいでフェデラーが難なく強打でねじ伏せる。更には狙いすましたドロップショットにズべレフが全く追えなくなり、このゲームをキープし5-2とする。

 8 ズべレフS 最後の意地と言わんばかりのクロスリターンを決め、このゲームをキープする。

 9 フェデラーSFC フェデラーのサービンフォーザチャンピオンシップ。ズべレフも左右に振ってのライン際の強打でフェデラーを揺さぶるも、フェデラーはネットに出てズべレフに主導権を渡さない。更にはズべレフのライン際のリターンに反応し、フェデラーが2つのチャンピオンシップポイントを掴むと、ワイドへの強烈なサーブでズべレフを走らせてオープンコートを作りボレーを叩き込んで、フェデラー選手がストレート勝ちを収め、ゲリーウェバーオープンを制しました

  1st 2nd 3rd result
フェデラー 6 6   2
Aズべレフ 1 3   0

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スタッツ

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 改めて言える事ですが、トップ選手ともなれば、決勝とその他の試合はテンションや気合の入り方などにおいて違いがみられるというのを見せつけられます。全仏のナダルは決勝は本当に異次元でしたが、この芝のハレでもフェデラーはもたつきがあった準決勝までとは違うフェデラーを見せてくれました

 ズべレフに的を絞らせないセンターやワイドへのサービスもそうですが、ドロップショットやネットに出ていくタイミングが絶妙で、サービスゲームでは1度しかブレークポイントを握られず、ズべレフのリターンが浮く場面がかなり見られました。この攻撃性能に経験が加わり、晴れてウインブルドンの大本命に躍り出た感があります。

 ズべレフはこれまで自身のサービスゲームをブレークされるかされないかという試合ばかりでしたが、フェデラー相手となるとキープにもかなりの苦労をしました。準決勝までの1stwin率は80%を超えたのに対してフェデラー戦では50%程でした。いかにサービスに苦労したかがわかります。かつフェデラーのリターンはあまり大きくうかず、低くしかもライン際に来るためズべレフは窮屈な態勢でのリターンを迫られました。序盤はあきらかに集中力を欠いた部分もありました。

 しかし、2ndセットに入ると冷静さを取り戻し、劣勢の中でも気合のキープや無駄な強打をせず、2ndセットのアンフォーストエラーはわずか2本と大きく精神的な成長を見せました。ただ、その冷静さをもってしてもフェデラーには完敗してしまいました。良い経験となったでしょう。

 

ズべレフ兄弟、ダブルスで惜しくも優勝逃す

 フェデラーに完敗したアレクサンダー・ズべレフは、同じくQFでフェデラーと戦った兄ミーシャ・ズべレフと共に同一大会で兄弟でフェデラーに敗れた事になります

 このズべレフ兄弟はダブルスにも参加しており、決勝ではランキング1位のクボット・メロペアに1stセットを奪取するものの、2ndセットを奪われると、ファイナルセットタイブレーク方式のセットで10-8で競り負けてしまいました。同日のファイナルで共に敗れ、アレクサンダー・ズべレフにとっては失意の日となってしまいました

 

ウインブルドンに向けて

 ジョコビッチがイーストボーンの大会に急遽参加を決めるなど、トップ選手は予定を変更してまでグランドスラムに対する思いは強いです。ただ彼が今後もアガシコーチと共にする可能性はあまり高くなく、今年中に調子が上向かなければ来年の今頃はコートにいるかどうかが疑わしいという見立てもあるでしょう。

 同じ事はマレーにも言え「トップレベルで戦えるのはもう数年しかないだろう」と本人がハッキリと口にしています。この「数年が」2,3年なのか、今年でいっぱいという意味なのかがかなり気になる所ですが、マレー、ジョコビッチはもがいてあがいているといった所でしょうか。

 そのもがきが出ているうちはいいのですが、双方共にあきらめの境地も垣間見せている所がファンにとっては心配の種でしょうか。

 

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