週末はスポーツ観戦

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自分のテニスを見つめなおすトップ選手達 ジョコビッチ、マレー、ティエム、錦織

 芝でのシーズン、ウインブルドンの次のグレードの高いゲリーウェバーオープン、エイゴン選手権が終了し、各選手の調整具合により、今週はトップ選手にも普段とは違った動きが見られました。(以下選手敬称略)

 

マレー選手 エキシビションマッチに参戦

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 エイゴン選手権でまさかの初戦ラッキールーザーのトンプソン選手に敗退し、まだ芝シーズンでの実戦を1試合しか行えていないマレーは、自国で開催されるエキシビションマッチ(アスボールテニスクラシック)に参戦します。

 この大会にはツォンガ、ベルディヒ、ラオニッチなどのトップ選手が相次いで参加します。ポイントの付かないエキシビションですが、大会直前という事も考えると他のエキシビションとは違いある程度の力を入れての実戦となるでしょう。

 マレーは今シーズンはカタールでの優勝はあったものの、各大会で本来の出来とは程遠い出来に終始しており、全仏のデルポトロ戦やワウリンカ戦でようやく調子を取り戻してきたかに見えましたが、エイゴンオープンでは再び今後に不安を抱かせる出来で敗れてしまいました。

独り言のバロメーター

 マレーの場合は試合中にアクションの多い選手です。1つのプレイでも納得がいかないと吠え、あるいは独り言のように自分に怒りに満ちた表情でぶつぶつとしゃべります。しかし、そのような時は闘争本能が出ている証拠で立て直しが効いてる時です。

 しかしながら最近の敗れた時のマレーはこのような仕草がすくなく、下を向いて諦めたかのような表情を良く見せます。しゃべる事もあるのですが、それは自分に対しての怒りではなく、苦笑いが多く、自分を鼓舞していないのです。同じ独り言でもそこが好調の時のマレーとは違います。そして、それはひとえに本来の自分のプレーがどうやってもできない状態にあるという事を示してもいます。

 エキシビションの調整は特にウインブルドンに向けて良い悪いの印象に影響はないでしょう。となれば、やはり感染症の影響が長引いてるという報道は否定できない所です。 

2017 全仏オープンに向けて トップ選手の状況 現地報道マレーに大きな懸念

 

ジョコビッチ選手 急遽イーストボーン大会参戦

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 エイゴン選手権やゲリーウェバーオープンではなく、イーストボーンというウインブルドンの直前週の大会に参戦を表明したジョコビッチ。

 これは、ウインブルドンでの2週間の体力調整よりも、自分自身のテニスに疑問と自信が欠けている証拠と見るべきでしょう。それ程ジョコビッチは迷いもがいています。

マレーと同様に負ける試合で見られる試合中の傾向

 ジョコビッチも決して口数が少ない選手ではありません。マレー程はっきりわかるようにしゃべるわけではないですが、納得いかないプレイには表情や仕草で反応します。

 ただ、最近で少し変化が見て取れるのは自分だけではなく、他のものにも当たってしまう傾向にありす。最近では頻繁にボールボーイに「ボールを早く寄越せ」と要求します。そしてそれこそがジョコビッチのもがき足掻く現状を示しています。いや、これが本来のジョコビッチかもしれないと最近では思うようになる程にです。

 もがいて足掻いてはいるものの、プレイの質の向上につながっていない所が深刻とも言えます。ジョコビッチは必要最低限の感情表現の時が一番パフォーマンスが良いという見立てです。ローマオープンでのデルポトロ戦やティエム戦ではプレイにイラつく事もなく、ブレークを握ると相手を威嚇するかのように吠えるのみでした。

 ジョコビッチの場合はマレーと違い身内のコーチ陣を切り、アガシをコーチに加えるなど、動きに動いて状況を打破しようとしていますが、未だに明確な結果を出すには至っていません。モチベーションがないならばここまでの動きはしないはずで、テニスで上位に残りたいというモチベーションは感じます。しかし、残念ながらランキングもフェデラーに抜かれてトップ4陥落は時間の問題といっていい状況です。その結末は残酷なものになるかもしれません。

 

ティエム選手 トルコ、アンタルヤオープンに参戦

 短い芝シーズンで今年の活躍を更に推進しようとしてるティエムはゲリーウェバーオープンはハーセ選手の見事なパフォーマンスの前に敗れました。ティエムが悪いというよりはハーセの出来がよく敗れた格好で、不調という感じではありませんでした。ただ2試合しか芝の実戦を積んでいないため、ここで更に調整するといった感じでしょう。

 ティエムの場合はウインブルドンでの2週間の体力考慮の必要はなく、思う存分実戦を積むという調整方法で問題はないでしょう。持ち前の220キロを超すサーブやバックラインからの強打で攻め続けていくのみでしょう。

 

錦織選手 芝での試合実戦に耐えられるかの不安

 ゲリーウェバーオープンでは2回戦のカチャノフ戦でやや有利に試合を進めながらも臀部の痛みにより棄権となってしまい、これで芝大会では5連続体に支障をきたしての棄権となりまた。

芝だから怪我が多いのだろうか

 5試合連続での怪我での棄権となれば、芝そのものに錦織のプレイスタイルが合わないという論調も当然出てくると思います。サーブの威力が増し、ストロークでも跳ね返りが低く左右への揺さぶりに反応がきつくなる芝との錦織選手の相性は良いとは言えないのは事実でしょう。

 しかし、錦織選手の場合は芝で特に棄権が多いのは事実であっても、他のサーフィスでも棄権が多い選手です。試合中に起きる突発的な体重移動に耐えうるフィジカルが整わないままの状態なのです。更には全仏のベルダスコ戦やマレー戦でも見られたようにセットが進むと足が固くなり反応しなくなります。

様々な側面でのフィジカル対応能力不足が顕著

 このように連戦に耐えうるフィジカルもトップ選手であるための条件ですが、今年の錦織はこの部分でここ3年よりは弱体化している印象を受けますテニスの質は向上しているのにそれに体がついていかないという、非常に勿体ない状態です

 「突発的な体重移動を支えるフィジカル」とグランドスラムの連戦に耐えうる「持続的なフィジカル」両面でのケアが今後はより必要になると同時に、強化に当たっての見直しの必要に迫られてると言えるでしょう。

体が小さいからという論調は・・・

 

 フィジカルは日頃の食生活やトレーニング、及び日常行動での抑制などによりコントロールできる部分ですし、ジョコビッチやマレー選手はその効果で現在の地位を確立しています。特にジョコビッチは身体的に恵まれていない(筋肉がつきにくい)にもかかわらずです。

 体が小さいからという理由もありますが、同じ理由で最近までランキング1桁に居座り続けたフェレール選手の存在もあり、それは言い訳になってしまいます

 テニスの質や粘りやメンタルは向上してきているのを感じるだけに、フィジカルに関しては専属コーチとの意思疎通や日頃からの回りのサポート等も重要になってくると思われます。よく話題に上がる日常の痴話話等に関しては錦織選手の判断次第でしょう。外的要因に左右されるならばそこまでと考えるべきです。それを跳ね返せるかどうかは錦織選手自身にかかっていますし、彼を応援する者にとってはソコに深く言及するべきではないように思います

 

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