錦織対デルポトロ 5時間遅れの試合も天敵にストレート勝利 2017シティーオープン 3回戦
8月4(金)アメリカのワシントンで行われているシティーオープン。多くの有力選手が参加する中行われている3回戦が悪天候により大きく遅れています。
当初の予定では日本時間の8;00開始予定だった、錦織対デルポトロ戦は悪天候によりその前のティエム対アンダーソンの試合が再開されていない関係もあり、かなりの遅れが生じます。
深夜の試合を強行される
シティーオープンは屋根付きコートがないため、雨天の場合は順延されますが、欧州ラウンドとの大きな違いは明確なサスペンデットがないという所でしょうか。
アメリカではメジャーリーグを代表されるように、延長になったり、雨が降ってもとことんまで引き伸ばされ、日を跨ごうとも続けられます。
シティーオープンでもナイター設備は完備されている、というよりもこの時期は昼間の気温が高く、健康の面を考慮してか、第一試合開始が現地時間の16;00と欧州での午前11;00開始が主流なのに対してかなり遅く設定されています。
そのため、スケジュールに狂いが生じると日を跨ぐ事は簡単に起きてしまいますが、これに対してその日のうちに終わらせたいというアメリカでのスポーツにおける認識により深夜に持ち越されてでも試合は続行されます。
錦織選手の初戦のヤング戦は開始時間が現地時間の23;20で終了時点では深夜2時に迫る時間でした。
このように順延した場合はそれだけ選手は何度も準備をさせられ待たされるという事になり、コンディション面ではあまり良い事とは言えません。しかしながら、その土地によるスタイルを重視するためか、その部分はあまり考慮されないようです。
対戦成績 錦織 1 対 5 デルポトロ
3回戦の相手デルポトロは過去にグランドスラムを制した確かな実力者です。右手首に慢性的な怪我を抱えてはいるものの、何度も長期離脱を繰り返しながらもこの1年はツアーに帯同し続けています。
右手首の痛みが沈静化している時のデルポトロは170キロ級の恐ろしい程のフォアショットを放ちます。またサーブも強烈でストロークも198cmと大柄な割には柔らかく、ミスも少なく、スライスなどの遅く変化のあるショットも多く見せます。その緩急こそが生命線でしょう。
その対戦内容に関しては、昨年4年ぶりに対戦したスイスのバーゼルではストレートで初勝利を挙げてますが、直近でのイタリアのローマオープンでは3回戦で2ndセットのデルポトロのアンフォーストエラーが0という驚異の安定感を見せられてのストレート負けを喫しています。
この両者のこれまでの6戦はグランドスラムも含めてすべてストレートで勝負が決しています。試合が競っていない所を見ても相性は部が悪いです。
部が悪い原因は錦織選手がどちらかと言えば勢いのある選手に冷静に対応する選手なのに対してデルポトロ選手は見た目と違いミスが少ない選手です。強烈なフォアショットという武器を持ちながらも見た目以上にクレバーで弱点とされるバックハンドショットで繋ぎつつフォアでの攻撃のチャンスをうかがいます。むしろ錦織選手が攻めようとしてもデルポトロ選手がうまく対応してフォアでのショットで返り討ちにする場面が何度も見られました。精神力はかなり強い選手です。また、そうでもなければグランドスラムを制する事はできません。
試合開始予定
現在日本時間11時 ティエム対アンダーソン選手の試合が再開されており、アンダーソンが良いテニスでティエムを翻弄してる所から見て、
日本時間 12時当りに開始される公算が高いです。
→ティエムがタイブレークを制してフルセットに突入。
日本時間 13時頃開始となりそうです。
→ティエム対アンダーソンがファイナルセットもタイブレークで激闘を繰り広げたため、
日本時間 13時10分頃開始となりました。
試合経過
1st | 2nd | 3rd | result | |
錦織 | 6 | 7 | 2 | |
デルポトロ | 4 | 5 | 0 |
1stセット
深夜開始となったこの試合。
立ち上がりサーブが冴え楽にキープする錦織。その後も軽快なプレイで速攻のキープを果たす錦織に対してデルポトロの体は重くショットも安定しない。
第5ゲーム、錦織がこの試合初めてのブレークポイントを握ると、デルポトロのショットミスにより労せずして錦織が先行ブレークに成功する。
ここでデルポトロがトレーナーを呼び首当たりを指して協議する。
試合再開後、錦織のサービスゲームでややもたつきが見られポイントを先行されるも今日はフォアショットの精度もよくキープする。
その後はお互いにブレークポイントを握られる事なくキープが続く。
第10ゲーム、錦織のサービンフォーザセット。サーブからの崩しが出来ている錦織はデルポトロに容易なリターンの隙を与えない。デルポトロは回り込んでのフォアで対応しようとするも、錦織も簡単にはさせない。2つのセットポイントを握ると、ラリーから粘りのショットで打ち抜き、ゲームカウント6-4で錦織が1stセットを取ります。
今日の錦織はサーブを中心によく組み立てができており、デルポトロが攻め入る隙がないテニスを展開しております。デルポトロもテクニカルタイムアウト後はそれ程不安定な動きはなく棄権という線はなさそうです。
この調子を維持できないのが今年の錦織。この試合はこのままいけるでしょうか。
2ndセット
第1ゲーム、デルポトロのサービス。錦織が回り込んでのフォアショットを決めるなどし2つのブレークポイントを握るも凌がれる。しかしその後も集中力を切らさない錦織は粘りのストロークでデルポトロのミスショットを誘いブレークに成功する。
第8ゲーム、錦織のサービスゲーム。ここでサーブの精度が下がり、デルポトロにブレークポイントを奪われると、錦織のショットがミスとなり、終盤でのブレークバックを許す。
第9ゲームのリターンゲームを楽にキープされると、第10ゲーム、デルポトロは更に攻勢を強めてフォアの強烈なショットを炸裂させるなどし2つのセットポイントを握り錦織を追い詰める。なおもデルポトロのフォアの強打に苦しめられるも錦織のサーブもここ一番で復活し、辛くもキープする。
第11ゲーム、デルポトロのサービス。このゲームは壮絶な打ち合いとなり、フォアの強打をカウンターで錦織が返すなどの素晴らしいプレイが見られデュースに。その後も集中を切らさない錦織が粘ると、デルポトロのショットがアウトとなり、錦織がここにきてブレーク先行する。錦織のカモーンの声が響き渡る。
第12ゲーム、錦織のサービンフォーザマッチ。サービスの調子を取り戻した錦織が押し3つのマッチポイントを握るとラインギリギリのショットを決め、錦織がストレートでデルポトロに通算2勝目を上げました。
途中まではデルポトロの調子の悪さもあり楽勝ムードが漂いましたが、終盤はデルポトロも徐々にフォアの調子を上げセットポイントを握られるなど追い詰められましたが、今日の錦織選手は土壇場でも集中力を切らさず、また今シーズンあまり良いとは言えないサーブやフォアの精度が大分改善されています。
この調子がこの試合に限らず今後のハードコートの試合で見れる事を期待しています。
QF(4回戦)の相手は ポール選手
4回戦の相手はシード選手のジレ・ミュラー選手にフルセットの末逆転勝ちしたアメリカの弱冠20歳のトミー・ポール選手と決定しました。ランク外の選手ですが、次の試合までの時間がそれ程あかないため、しっかりと体を休めて備えていきたい所でしょうか。