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ネイマールPSG移籍問題決着 自身の決断という言述の懐疑性 スポーツへの情熱氷解の恐れ

 6月下旬当初は噂レベルで誰も信じなかったネイマールのPSG移籍がとうとう実現してしまいました。移籍金に関しては諸説があり290億というのが大まかな金額となっているようですが、バルセロナファン、、いやサッカーファンにとってはその金額以上にショッキングな出来事に思えるのではないでしょうか。

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 PSG戦6-1の逆転勝利時のネイマールの姿

 

大逆転の歓喜の中心にいて観客と喜び合ったはずが・・・

 

 パリと言えば、16-17チャンピオンリーグ、アウエーで0-4と絶望的なビハインドを背負いながらもホームで6-1と大逆転勝利を収めた相手です。

 その時ネイマールはピッチ上でこの世の幸せを掴んだように上空を見上げ、ファンの喜ぶ姿を気持ちよさそうに眺め、かつ観客と一緒にその喜びを分かち合っていました。

 それから数か月して、その喜びを分かち合ったファンとの縁が切れる事になるとはこの時点では想像する事もできませんでした。

 

ネイマールは自分の決断を強調

 ネイマールはバルセロナでの生活やサッカー、ファンに感謝しながらも自分の意思を持って移籍を決断という事を強調しております。代理人の父に批難が殺到する中、それを擁護する発言となります。

 

チームメートとの関係は最後まで良好だったと推測されるものの・・

 チームメートもネイマールを説得したという事ですが、おそらくは事実でしょう。ジェラール・ピケは早い段階で説得が難しいとわかっていたようですが、現地情報によるとメッシよりもスアレスの方が必死に説得をしていた模様です。それだけに移籍を決定的にさせる8月2日のバルセロナでの最後の挨拶では感情的になったとの事です。メッシよりも遅く労いのメッセージを送ったのも、心の整理がつかなくて間を置いていたものと思われます。

 

移籍前段階で綿密に計画を練る・・その計画発案者は父だけではなく

 移籍問題に関しては移籍が決まるまでネイマールはマスコミへ固く口を閉ざしていました。そして、その間はプレシーズンにもフルで参加しており、チームの中でも出色の活躍をしておりました。

 その活躍ぶりに、大きな移籍を決断している選手のそれではないという見方もでき、当初は移籍はやはり噂話を出ないのではないかという意見が大勢を占めました。

 この記事でも移籍しようがしまいが、これほど世界を騒がせておきながらサッカーで何一つブレないプレイぶりができる時点で既に普通に人間ではなく超人という事を言及していますが、、さすがに移籍する事が決まっていてあのパフォーマンスを見せれるという事は、、それ以上の超人、、むしろ狂人といってもいいくらい普通の人間では推し量れないメンタルを持っていたという事になります。

ネイマール移籍問題

代理人の父のこれまでの言動

 ネイマールの父もそれほどマスコミに対して言及はしておりませんが、「父親に従えばよい」というニュアンスの発言を残しています。移籍した場合、父親の判断だったと匂わせる発言です。ネイマール移籍後の発言を見ると父親はネイマールを守っているという発言となります。

移籍前のネイマール

 移籍前のネイマールは一言「家族を優先する」という言葉を残すのみです。このネイマールの発言と代理人の父の発言が出た後、移籍に向けて話が進んでいるというニュアンスが全世界に伝わり大騒動に発展しました。

ネイマールの発言の矛盾点

 

 この「家族を優先する」という言葉と、ネイマールが移籍後に言及した「自分の決断」に関しては矛盾する点が多いというのが普通に見た時の印象ではないでしょうか

 家族を優先し、自分の意思で決断を下したのに父には反対されたと言及しているのです。話が合いません

 ネイマールのそれまでのバルセロナでのプレイぶりやチームメートとの居心地の良さを考えても自分の意思が100%反映されての移籍というのはかなり無理のある弁明と言えるのではないでしょうか。

 

普通に解釈すれば自分「以外」の人のお金のため

 バルセロナで取るものは取りつくして次の野望を持ってのプレイという意味での移籍という線は少しはあるでしょう。移籍願望0%の場合さすがにこの移籍が実現する事はないので・・。

 しかし、大きなウエートを占めるのは「家族のため」の発言が一番の本音ではないでしょうか。今は自分自身の財産を親族で分け与えても多くの税金がかかる時代です。自分の懐の金を親族に配るより、違う親族に直接的にお金が入った方が「家族全体のため」になるのは間違いありません。

 今回に関して言えば、財産をある程度父が持つという事で家族の今後の繁栄が約束されたわけです。この部分に対してネイマールが大きな喜びを持ったとう事になるのではないでしょうか。巷で言われている父が強制的にネイマールに移籍を強いたという見方は恐らくは違います。ネイマールも代理人の父親も、「概ね移籍で双方納得できる」という状況だからの移籍と捉えます。

 従って、どちらが悪いという事もどちらが良いという事でもなく、今の移籍市場を自分たちの都合のよいように動かせたという事になる。それに尽きます。

 サッカーを純粋に見ている人にとってはこの移籍劇は全く持って気持ちのいいものではないという事は共通認識として持てると言えるのではないでしょうか。

 

今後の移籍市場にも大きな爪痕を残す

 今回のネイマール問題のように、移籍不可能と思われる高額のバイアウトを払っての移籍は今後に深い影を落とします。

 それは選手とチームの信頼関係にも影響します。ネイマールの移籍でより契約についてシビアな取り決めがどの選手にもかけられる事になるかもしれません。

 しかし、そんな事はどうでもよい事のように思います・・・・。

 

 最も大きな問題は、世界的に見ても金銭感覚がどんどん一般的な金銭感覚と離れていくこのサッカーの移籍市場に置いて、純粋にサッカーをショーとして楽しむ層が楽しめる感情を持てなくなるのではないか?という部分を一番に危惧せずにはいられません。

 世界的にも貧困層は拡大を続けて一極集中の富裕層しか楽しめない・・・。

 そんな世界になってしまわないかをこの移籍問題でも少しは考えさせられた所です。

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