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錦織対トミーポール戦 錦織大逆転勝利!2017シティーオープン 4回戦QF

 上位勢が続々と敗れる中、シード4までで最後に残った錦織選手は4回戦アメリカの新鋭20歳のランキング225位とトミーポールとの対戦です。これが初対戦となります。

 

試合経過

  1st 2nd 3rd result
錦織 3 7  6  2 
トミー・ポール 6 6(8)  4  1 

 

1stセット 

 立ち上がりからポールが強烈なサーブで錦織に1本のリターンもさせずラブゲームキープを果たす。

 すると、第4ゲームの錦織のサービスゲーム。錦織がイージーなミスでブレークポイントを握られると、ラリーでも押されブレークを許す展開に。

 第7ゲームは壮絶なシーソーゲームとなり、錦織が4度のブレークポイントを握るもその都度ポールのワイドサーブや錦織のイージーなミスでチャンスを逃し続けてポールに押し切られる。

 このゲームが決定打となり、第9ゲームのトミーのサービンフォーザセットでも錦織の逆をつくフォアショットを炸裂させるなど錦織を圧倒。

 1stセットはポールがゲームカウント6-3でセットを取る

 錦織選手の調子はそれ程悪くはありませんが、大事な所でミスが目立ちチャンスをことごとく逸しています。またポールのワイドサーブが強烈でチャンス自体を多く作れていません。ラリーでもポールは錦織に負けない対応力を見せており、巻き返すためには何かが必要な厳しい展開になっています。

 

2ndセット

 第1ゲーム、錦織はサービスやフォア精度が悪く、立て続けにアンフォーストエラーを犯し自らピンチとなる。更にはラリーでも主導権を握られ2つのブレークポイントを握られる。しかしポールもポイントを狙いに行ってのショットがアウトにあり、デュースに持ち込む。更にはバックのリターンまでもアウトになり頼れる武器がなくなっていく。しかし、その後ポールもポイントを焦ってのバックアウト、更には錦織にチャンスが来てフォアの逆クロスを決めて望みをつなぐキープを見せる。

 第2ゲーム、ポールはサーブのキレ味に加えて錦織のリターンにもしっかり打ち分けての対応で危なげのないキープを見せる。

 第3ゲーム、錦織はやや落ち着いたプレイでポールの逆を付くショットなどで前ゲームに比べて比較的楽なキープを見せる。

 第4ゲーム、強気の攻めが空回りし錦織が0-30とするも、ワイドサーブを主体に錦織に反撃を許さずこのゲームをキープする。

 第5ゲーム、前に出るプレイに打開策の糸口を見つけ出そうとする錦織。しかしイージーにネットに掛けるプレイや、バックハンドショットが大きくミスショットになるなどするなど波に乗り切れない。最後はポールが強打をネットに掛けあまり安心とはいかない展開でのキープを見せる。

 第6ゲーム、錦織の大事なショットが悉くアウトになるなどし40-0に。しかしここからポールがチャンスボールを立て続けにアウトしデュースに。しかしセンターのサービスエースでこのゲームをキープする。錦織には明確なチャンスが全く来ない厳しい状況

 第7ゲーム、横を抜かれるショットを打たれ、かつダブルフォルトで窮地に立つ。更にはフォアのライン際のショットがアウトになりブレークポイントを握られる。すると前に出てのチャンスボールをネットに掛けてポールが勝利を決定づけるかのようなブレークを奪う

 第8ゲーム、ポールのプレイが躍動し錦織はなすすべなく防戦一方な上、先にミスをしてポイントを失う展開であっさりとポールにブレークを許す。試合もほぼきまってしまったかのような様相を見せる。

 第9ゲーム、ポールの攻めが空回りするも錦織もリターンをネットに何度もかけデュースの中での争いになる。錦織の2ndサーブを狙われ、更にはライン際を抜かれるなどしマッチポイントを握られる。しかしここで互いの長いラリーで錦織がドロップショットでポールを転倒させるショットで持ちこたえる。最後はセンターへのサービスエース級のショット2発で何とか命からがらのキープを見せる。

 第10ゲーム、ポールのサービンフォーザマッチ。最後の連続エース級のショットで何とか挽回を図りたい錦織。ポールのリターンミスからスタート。更には左右に振る主導権を握るプレイで0-30と挽回の気配を見せる。更には錦織の深いサイドへのリターンがラインにかかり3つのブレークポイントを握る。

 ここで錦織リターンをネットに掛けてしまうものの、その次のポールのリターンが大きくアウトし、錦織が超土壇場でのブレークに成功するポールはサービンフォーザマッチで明らかに慎重になりすぎショットに威力を欠いたのが原因でゲームを落とす

 第11ゲーム。展開的にはなかったはずの錦織のサービスゲーム。ポールは気落ちしたのかリターンの精度が落ち、連続でバックアウトになるなど今までのポールとは全く違う様相を見せ始める。更には錦織のワイドのサービスエースが決まる(実際はアウト)など錦織が巻き返しに掛る。所が錦織が2つのイージーなバックアウトを喫すると、このポイントに自信を回復したのかポールのリターンエースが決まりデュースに。しかし、ポールも立て続けにリターンアウトするなどお互いに硬いプレイに終始し錦織がなんとかキープする。

 第12ゲーム、ポールのサービス。錦織のミスが縦続きラブゲームキープでタイブレークに。

タイブレーク 左 錦織 右 ポール

 0-1 錦織s 錦織のリターンがバックアウト

 0-2 ポールs ポールのコーナーに素晴らしいバックハンドショットが決まる

 0-3 ポールs 錦織の逆を付くウイナーを決める

 1-3 錦織s 長いラリーから錦織がスマッシュを決める

 2-3 錦織s 深いショットでポールを崩す

 3-3 ポールs ポールのバックハンドショットがサイドアウト

 3-4 ポールs 錦織のバックハンドショットがネットに掛る

 4-4 錦織s ポールの逆をつくバックハンドショットが決まる

 4-5 錦織s 錦織のバックハンドショットが大きくアウト

 5-5 ポールs ポールのバックハンドショットが大きくアウト

 5-6 ポールs 錦織のスライスショットがネットに掛る

 6-6 錦織s 錦織のフォアショットがコーナー付近に決まる

 7-6 錦織s ポールがリターンを大きく打ち上げる

 7-7 ポールs チャンスボールを錦織がラインアウトする

 7-8 ポールs ポールのフォアハンド逆クロスが決まる

 8-8 錦織s ポールのフォアショットがラインの僅か外側に外れる

 9-8 錦織s ポールのショットがバックアウト

 10-8 ポールs ポールのリターンが大きくアウト

 錦織がかろうじてこのセット僅差で取り、セットオールとなりました。

 試合展開的にはまだポールのショットが勝っており、精神的に錦織が気持ちを取り戻すかどうかに勝敗はかかってきそうです。

 

ファイナルセット

 第1ゲーム、ポールのサービス。ポールが前に出るプレイで比較的楽にキープ。

 第2ゲーム、錦織がライン際にアウトショットを放つなどしポールに2つのブレークポイントが来る。しかしポールの打ち急いだショットがアウトになるどし、この難を逃れるキープを果たす。

 第3ゲーム、左右に錦織が振られるもポールのショットが際どくラインを外れ錦織が3つのブレークポイントを握ると、ポールのリターンが大きくアウトし、錦織が逆転のブレーク先行を果たす

 第4ゲーム、ポールのショット精度が落ち、錦織がワイドのサービスエースを決めキープに成功する。

 第5ゲーム、お互いの白熱した攻防の末デュースとなる。ポールのワイドサーブにストレートのリターンエースを決め錦織がブレークポイントを握るるも、ポールも深くストレートを打ち抜きポールが必死のキープを見せる。

 第6ゲーム、ポールのワイドへの鋭いショットが連続で決まりデュースにもつれ込む。その後もバックハンドのウイナーを決めるポールに対して錦織も粘り強く対応し、ポールのバックアウトを誘い、何とかキープする。

 第7ゲーム、錦織はポールの2ndサーブを前に出てショートポイントを狙い、ライン際のショットを決めデュースに。しかしポールも攻めに攻めこのゲームをキープする。

 第8ゲーム、ポールを左右に振る攻撃を見せ、更にはワイドへのサービスエースを決めるなど流れを完全に掌握し、最後は前に出ての逆ハンドのボレーでキープを果たす。

 第9ゲーム、ポールがサービスで錦織を崩し、楽にキープを果たす。ポールは雄叫びを挙げリターンゲームに気合をうかがわせる。

 第10ゲーム、錦織のサービンフォーザマッチ。錦織の狙いすましたフォアのクロスが決まるなどするも、チャンスボールをネットに掛けるなど力みも見られる。しかしポールのリターンがバックアウトになり、錦織が2つのマッチポイントを握る。最後はセンターのサーブでポールの態勢を崩すとリターンが大きくアウトになり、錦織が2時間38分にも及ぶ長い試合で大逆転でこの試合を制しました

 

試合スタッツ

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 ハッキリ言って完全なる負け試合でした。スタッツもポールが全てにおいて勝っていますし、それは試合内容も反映しています。

 しかし、ほとんど望みの無い所からの巻き返しは流石・・・・と言いたい所ですが、、勝因は、ポール選手の勝ちビビりと言われるプレイになってしまうでしょうか。ポールは自身のサービンフォーザマッチでそれまでの攻撃的なショットを全て控えてリターンに徹しましたが、それが悉く精度を欠きました。これは気持ち的に守りに入った事に他なりません。最後まで攻め気を見せていればそのまま押し切っても仕方のない流れでした。

 逆に錦織はその時点で攻めに攻めました。

 3rdセットに入っても最初は錦織にピンチがきましたが、テニスの質では今日はポールが上回っていたので当然の流れと言えます。しかし、ここで錦織は粘りと攻めの攻守一体のプレイを見せて踏ん張りました。そして、その後のポール選手がやや落ちる所を狙い1チャンスを物にしてからは試合全体を支配していきました。正にトップ10選手の面目躍如といった所でしょうか。

 敗れたポール選手も強烈なワイドサーブを軸にストロークでも全く打ち負けず、かといって簡単にはミスのしないプレイで錦織選手に対応しほぼ勝利に近づいただけに、勝利を決めに行く段階での心の持ち方の難しさを身をもって体験したのではないでしょうか。このプレイが今後も続くのであればトップ50まで駆け上がってくるのも時間の問題のように思います。今後の活躍に期待できる選手です。

 

SFは待望のアレクサンダー・ズべレフとの初対戦

 SF準決勝は盤石の勝利を重ねたズべレフ選手との対戦となりました。両者はこれが初対決になります。新時代の象徴の選手との待望の対決の実現とあって、注目度は大いに高まるでしょう。要注目の試合です。

 

 

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