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錦織対アレクサンダーズべレフ 63分の完敗 2017シティーオープン SF準決勝

 日本時間8月6日午前8時より開始予定の錦織対アレクサンダーズべレフ。

 これまで上位にいながらこの対戦が今回が初めてとなります。それだけに注目される戦いになります。

 現状を見ると尻上がりに調子を上げてきているズべレフに対して錦織は深夜の連戦及びフルセットマッチとかなり消耗し、かつズべレフのプレイの完成度の高さを考えると錦織選手はかなりの苦戦が予想される戦いとなりそうですが、どうなるでしょうか。

 

試合経過

  1st 2nd 3rd result
錦織 3  4    0 
Aズべレフ 6  6    2 

 

1stセット

 第1ゲーム ズべレフのサービスでスタート。圧倒的にサーブ力で錦織にテニスをさせずのラブゲームキープ。

 第2ゲーム 錦織はネットに掛けるリターンなどで3つのブレークポイントを奪われるとストロークでもズべレフに振り回されてリターンを大きくアウトさせられラブゲームブレークを喫してしまう

 第3ゲーム 錦織はようやく1ポイントを奪うもズべレフのプレイぶりはぶれず危なげなくキープされる。

 第4ゲーム 大きく打ち上げるなど錦織のショットは制裁を欠きデュースに持ち込まれる。ここでズべレフが連続でバックアウトし、錦織が辛うじてキープする。

 第5ゲーム 2ndサーブも威力があり、かつネットに出てプレッシャーを掛けるズべレフ、更にはドロップショットで錦織を翻弄し、最後はワイドエースを決めるなど千変万化なプレイでラブゲームキープ。

 第6ゲーム 錦織の強いショットも更に強いクロスでリターンされる。良いバックハンドショットを見せても、次のプレイでネットにかけるなど安定しない錦織。更にはダブルフォルトでデュースとなる。ズべレフが錦織の深いクロスカウンターをストレートで返すなどのプレイが飛び出すも錦織がズべレフのショットアウトを誘い、キープする。

 第7ゲーム ここまでズべレフのサービスゲームは無風状態。ストロークでも劣勢から一発でひっくり返す強打などで錦織に容易なポイントを与えず、ここも危なげのないキープ。

 第8ゲーム 錦織がショットがうまくいかないのかネットに再三かけ声を荒げる場面も見られる。しかし、引き付けてのフォア逆クロスなどでズべレフを崩し、初めてともいえる危なげないキープを果たす。

 第9ゲーム ズべレフのサービンフォーザセット 左右に振って錦織を翻弄するズべレフ。3つのセットポイントを握ると、最後もリターンを錦織がミスしズべレフが危なげない試合展開でゲームカウント6-3で取る

 

 ここまでズべレフはガッツポーズと取ったり感情を表現する場面が一度も見られていません。ズべレフはピンチの時には自分を鼓舞して感情を表すプレイヤーなだけに、それが見られないという事は、ピンチが一度もないという事です。それほどズべレフは安定しています。錦織は昨日とそれほどプレイぶりに変わりはない感じでネットに掛けるプレイが多くみられアジャストしていない感じです。このままでは厳しいでしょう。

 昨日と同様、何かがなければ厳しい展開ですが、トミーポールと違い経験も豊富なズべレフの前ではその何かが起こる可能性はかなり低く見えます。

 

2ndセット

 1ゲーム 錦織のサービスから 危なげなくラブゲームキープからスタートする。

 2ゲーム ズべレフがこちらも危なげなくラブゲームキープ。

 3ゲーム 錦織は連続でショットミスが続きラケットを交換する。更にはリターンをまたもネットにかけ2つのブレークポイントを握られる。ズべレフはなおもストロークで深いショットで錦織を攻め錦織はリターンを返せずブレークを奪われる。ズべレフは勝利を確信したかのようなカモン!の声をあげる。

 第4ゲーム ズべレフのサービスゲームを崩すビジョンが見えないこの試合。ズべレフは2ndサーブも錦織にリターンの自由を与えず圧倒的な差を見せつけてのキープ。

 第5ゲーム 40-0とした所から連続で大きくバックアウトするなどショットが終始安定性を欠く錦織。しかしズべレフがサービスリターンをネットに掛ける。このゲームは全てズべレフのミスによるポイントで錦織がキープ。

 第6ゲーム 錦織は大きく下がってズべレフのサーブをリターンしようと対策を練る。この試合初めてズべレフのサービスゲームで30-30とする。しかしそこからワイドサーブでポイントを取りズべレフがキープする。

 第7ゲーム ズべレフは錦織の2ndサーブを強く叩いてくるもアウトを連発。サービスゲームに自信があるのかショートポイントを狙うズべレフのショットがエラーとなり、錦織がキープする。

 第8ゲーム 錦織は前に出てボレーするもネットに掛けてしまう。更にはセンターとワイドに強烈なサーブでリターンを許さずラブゲームキープを果たす。

 第9ゲーム 互いに良い攻防を見せるも錦織が危なげなくキープする。

 第10ゲーム ズべレフのサービンフォーザマッチ ズべレフの深く強いストロークに翻弄される。ズべレフがこの試合初めてのダブルフォルトを喫し観客大声援。更にはストローク戦でズべレフがバックアウトしこの試合初めて15-30となる。しかしセンターのサービスを決められる。更にはサーブでポイントを取りマッチポイントを迎える。更には強烈なクロスショットで錦織のリターンがネットにかかかりズべレフがストレート勝利を収めます

 

試合内容

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 63分と短い時間で終わってしまったこの試合は、上記スタッツをそのまま反映した試合でした。ズべレフのサービスゲームではブレークポイントはおろかデュースになる事すらありませんでした。最終ゲームの15-30になった場面のみ少し緊迫しましたが、それ以外ではズべレフがゲームを支配していました。残念ながら調子の上下ではなく実力で完敗したとみるべきでしょう

 錦織選手は深夜の連戦、及び昨日のフルセットマッチの影響か移動距離が少なく、自分の打ちたい側でのショットが打てていないのかネットに掛けるプレイがかなり見受けられました。これはシティーオープンで一貫して見られていました。粘り強いリターンが見せられない状況では流石に厳しかったです。ズべレフのエースは4本とさほど多くはありませんでしたが、ボールに触れていただけでリターンを返せない場面はその数倍ありました。

 ズべレフは全体的に絶好調というわけではなく普通の状態のズべレフという感じでした。マスターズのローマオープンではもっと隙がなくミスが少なかったです。あるいはハレでのゲリーウエバーオープンではもっと強いプレイを見せていました。そのより強いプレイでもフェデラーには歯が立ちませんでした。今の錦織選手の現状ですと上記を考えると今後勝ち越すのが難しい選手と既になっていると感じます。 

 錦織選手に今後ズべレフ選手に対抗するために必要なのは序盤の試合で体力を使いすぎずに勝ち切る事でしょうか。とは言えサーブでショートポイントを稼げないプレイスタイルである以上それは厳しいように思います。フィジカルをあとどれ程上げれるかどうかにかかっていると言えるでしょう。

 

 ズべレフの決勝の相手はティエムやソックを破ったケヴィン・アンダーソン選手です。強い選手ですが、順当に行けば対戦成績でも全勝しているズべレフがそのまま優勝を飾りそうです。

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