週末はスポーツ観戦

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ナダル、地元18歳シャボパロフに屈する 大会全体が大波乱 2017ロジャースカップ 3回戦

 シード勢が続々と敗れる波乱含みの2017モントリオールで行われているロジャースカップ。

 ベスト16の8試合が一気に行われましたが、試合内容も含めて全ておさらいしていきましょう。

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ドナルドソン 対 シュワルツマン

  1st 2nd 3rd result
ドナルドソン 6 5 5 1
シュワルツマン 0 7 7 2

 ブイユ、ペールなどの格上のフランス選手を連破してマスターズでのベスト8を伺う若手のドナルドソンに、ティエムに激戦の末勝利したハードコーターのシュワルツマン。

 序盤からドナルドソンがサーブやストロークで押すとシュワルツマンはあきらめたかのようなプレイで1stセットはベーグルでドナルドソンが先取。

 2ndセットは互いにブレークを奪い合う展開からシュワルツマンが抜け出しセットオールに。

 ファイナルセットもドナルドソンの2ndサーブを狙ったシュワルツマンが多くのブレークポイントを迎えてブレーク合戦となり、シュワルツマンが差し切った格好となりました。

 ドナルドソンは1stサーブがどのセットも50%を切り厳しい戦いでした。

 シュワルツマンは捨てる所と拾う所をはっきりしてトータルポイントではドナルドソンに5ポイント上回れながらも勝ち切りました。

 

バウティスタ 対 モンフィス

  1st 2nd 3rd result
バウティスタ 4 7 7 2
モンフィス 6 6(5) 6(2) 1

 共に上位ランク同士の対決。しかし試合は互いがミスを繰り返し閉まらない試合となる。互いに重要な場面でのダブルフォルトが目立ち、試合の流れが互いに行きあう荒れ模様の展開。

 互いに簡単にキープが進まない展開で試合時間も長くなる。

 その結果、ファイナルセットタイブレークでモンフィスが体力の限界を迎えバウティスタが勝利しました。

 勝ちはしたもののかなりの2時間56分と長い試合に疲弊があり、次の試合満足に戦えるかに疑問が残る試合となりました。迫力には欠ける試合でした。

 

フェデラー 対 フェレール

  1st 2nd 3rd result
フェデラー 4 6 6 2
フェレール 6 4 2 1

 35歳のフェレールと36歳のフェデラーと超ベテラン同士の対決。

 開始からフェデラーは運動量豊富に精力的に動くとフェデラーの動きが重く、フェレールが9度のブレークポイントを握り、2つのブレークを奪いこのセットを取る。

 しかし2ndセット以降は1stイン確率を上げて修正してくるフェデラーが6-4でゲームを取ると、3rdセットはフェレールの体力が尽きてフェデラーが圧倒的な攻め力を見せての逆転勝利となりました。

 フェデラーはセットを取られたのは実に14試合ぶりとなりました。出足が悪くサーブもパッとせず早いポイントで勝負ができませんでしたが、徐々に修正する当りはさすがです。

 

アンダーソン 対 クエリー

  1st 2nd 3rd result
アンダーソン 6 6   2
クエリー 4 1   0

 共に好調選手同士のビックサーバー対決。

 1stセットはアンダーソンが早い段階での先行ブレークを握ると、サーブを武器に淡々と互いがキープする展開でアンダーソンがそのまま押し切る。

 すると2ndセットでは更にアンダーソンがストロークでも強打を連発し、ブレークポイントブレークの山を築くと、結局1度のブレークポイントを握られる事なく予想外にアンダーソンが圧倒しました。

 

アレクサンダー・ズべレフ 対 キリオス

  1st 2nd 3rd result
Aズべレフ 6 6   2
キリオス 4 3   0

 今日一番の注目カード。

 ガスケとの熱戦を終え、足首の負傷の具合や疲労が心配されるズべレフ。

 方や省エネで楽に勝ち上がり久しぶりの調子の良さを見せるキリオスがどう対するか。

 ゲームは序盤から互角の展開。互いに簡単にキープを許さない。

 するとズべレフが左右に振るプレイでキリオスのミスを誘うと、キリオスが立て続けにネットにショットをかけズべレフが先行ブレークする。

 キリオスは計6度のブレークポイントを奪ってズべレフを追い込むも、その都度決めにイクショットをネットにかけるなどしてチャンスを物にできず、そのまま1stゲームは1ブレークアップの6-4でズべレフが取る。

 キリオスは1stゲーム途中から腰当りを気にしてトレーナーを呼ぶと、1stセット終了時点で入念なマッサージを行う。

 

 2ndセットも互いに良いプレイが見られる。ズべレフのスマッシュを読み強烈なリターンを返すもズべレフがそれを更に超反応でリターンしたかと思えば、互いにネットに出てのショットの応酬など観客を沸かせるプレイが目立った。

 しかし、キリオスの股抜きショットが僅かにアウトになりブレークポイントを奪われるとキリオスはまたもミスからブレークを奪われ、最終ゲームも3つのマッチポイントを握ると、最後はワイドサーブをリターンエースで決めズべレフが勝利しました。

 

 敗れた後もお互いの健闘をたたえ合いコート上でハグし合う2人。今後この2人が中心になる日も近いでしょう。

 

ディミトロフ 対 ハーセ

  1st 2nd 3rd result
ディミトロフ 6(3) 6 1 1
ハーセ 7 4 6 2

 ヤングガンズ最後の砦のディミトロフとサーブが強力なロビン・ハーセとの対決。

 1stセットは共にウイナーとエラーを繰り返す荒い展開も、共に迎えた3度のブレークポイントを凌ぎタイブレークに。タイブレークではディミトロフが攻めきれずな弱気なプレイからリズムを崩しハーセが先取する。

 2ndセットではディミトロフが逆襲し、立て続けにブレークポイントを握るとブレークに成功し2ndセットを取る。

 2ndセットの内容からそのまま押し切るかに見えたディミトロフは3rdセットで突如異変が起こる。1stサーブが入らず、更にはリターンショットをミスのオンパレードでブレークを許すと、ほぼ反撃する事もできずにあっさりとハーセがゲームカウント6-1で取り試合を物にしました。

 突然崩れるディミトロフを見ているとシーズン序盤の好調はどこへいったのかと心配になります。ヤングガンズ世代は全滅となってしまいました。

 

マナリノ 対 チョン・ヒョン

  1st 2nd 3rd result
マナリノ 6 6   2
チョン・ヒョン 3 3   0

 アンタルヤオープン準優勝、ウインブルドン4回戦進出、更には今大会もラオニッチを破るなどで調子とランキングをどんどん上げているマナリノと韓国の新鋭チョン・ヒョンとの闘い。

 しかし、サーブが共によくキープしていくも、チョンヒョンが再三チャンスを迎え、計5度のブレークポイントを握るもそれを生かせない。するとマナリノが1チャンスを物にし1stゲームをマナリノが先取する。

 2ndセットに入るとチョン・ヒョンはマナリノのしぶといストロークに持ちこたえられず立て続けにブレークを奪われると3度のブレークを奪われる。ストレートでマナリノが勝利しました。

 

ナダル 対 シャポバロフ

  1st 2nd 3rd result
ナダル 6 4 6(4) 1
シャポバロフ 3 6 7 2

 ラオニッチが早期敗退して期待を一身に受ける地元カナダの18歳ブロンズヘアーのシャポバロフ。対するはクレーキングのナダル。

 1stセットはナダルが1stサーブの入りが悪いもののサービスイン率は高く、シャボパロフにほとんど隙を与えず。またシャポバロフの強気のショットがアウトになるなどでナダルがチャンスを作りブレークするとそのまま6-3でナダルが先行する。

 しかし2ndセットになってもシャポバロフは攻勢を弱めず強気にどんどんとクロスやストレートショットを打ち込み計6度のブレークポイントを奪い2度のブレークに成功し、セットオールとなる。

 ファイナルセットはナダルもアクセルを強め、ネットに出てのボレーや対角隅を狙い続ける鬼のようなラリーを見せシャポバロフを再々追い込み9度のデュースや6度のブレークポイントを見せるも、その都度シャポバロフが強気のリターンで凌ぎタイブレークへ。

 タイブレークに入るとシャポバロフのミスショットなどでナダルが3-0とリードするも、そこから強気のリターンとセンターへのサービスエースが立て続けに決まりポイントを戻す。更にはナダルがリターンをアウトし、シャボパロフに2つのマッチポイントが来ると、最後はセンターに豪快に打ち抜きシャポバロフはその瞬間ナダルの全仏優勝ばりにネットに倒れ込み勝利の瞬間をかみしめました。

 

 地元ファンも大声援のこの試合は互いに勝負の流れが行きかいましたが、最後までシャポバロフは強気の攻めを崩しませんでした。ウイナーもナダルの倍以上の49を記録し、怖いもの知らずの若手の勢いを見せました。

 

QF準々決勝組み合わせ

 シード8以上のトップシード選手がわずか2人しか残らない波乱の大会となっているロジャースカップ。準々決勝は以下の4カードとなりました。

 

・ハーセ 対 シュワルツマン

 共にアップセットの連続の両者。マスターズSFに向けてのまたとないチャンスは互角に双方にチャンスがあります。

 

・フェデラー 対 バウティスタ

 やや出来の悪さを修正力でカバーしたフェデラーに、疲労の色が濃い試合で勝ち上がったバウティスタ。フェデラーが圧倒的な試合をする可能性が高いです。

 

・シャポバロフ 対 マナリノ

 地元の大声援を受けるシャポバロフに伏兵的な存在のマナリノ。強打のシャボパロフと凌ぎのマナリノと構図がはっきりしており、攻撃力と守備力の対決はある意味興味深い戦いとなりそうです。

 

・アレクサンダー・ズべレフ 対 アンダーソン

 先週対決したばかりのこの対戦。ズべレフは足首の状態が万全でなくこの大会はブレークポイントを度々握られているだけにアンダーソンも今度はよりチャンスがある戦いとなるでしょう。

 

 

 

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