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2017 ATP1000 ロレックス・パリ・マスターズ ドロー表(フェデラー欠場修正版)

 ATPファイナルを掛けた最終局面に突入しました。今回行われるパリ・マスターズによって出場者が決定します。

 

2017 ATP1000 ロレックス・パリ・マスターズ 決勝 ソックファイナルランク24位からの大逆転目前

 

・ソック 大外からの大逆転ファイナル進出なるか

・デルポトロ無念の敗北、ファイナル逃す

2017 ATPファイナルツアー争い 最終局面 -

 

 

ファイナル進出速報

 

 F前現在

 ゴファン3回戦で敗れるも出場決定

 イズナーがクライノビッチに敗れファイナル出場を逃す。

 ソックがベネトーを破り決勝へ。決勝勝利でファイナル出場確定。敗れた場合はカレーニョブスタがファイナル確定。

 

 SF回戦現在

 ゴファン3回戦で敗れるも出場決定

 デルポトロは敗退でファイナル出場消滅

 イズナー、ソックは優勝で決定。両名が決勝進出でカレーニョブスタのファイナル出場は消滅。

 

 QF時

 ゴファン3回戦で敗れるも出場決定

 デルポトロはイズナーに勝利で確定。

 イズナー、ソックはデルポトロがQFで敗れた上での優勝が必要。

 3回戦時

 ゴファン3回戦で勝てば出場決定

 デルポトロはSF進出で決定。

 プイユはデルポトロが3回戦で敗れてのF進出以上で決定。

 イズナー、バウティスタ、ソックはデルポトロがQFまでに敗れた上での優勝が必要。

 

シード選手

 今回のパリマスターズは48人出場の大会となり、上位16シード選手が1回戦免除となります。

 シード1 ラファエル・ナダル

 シード2 ロジャー・フェデラー

 シード3 マリン・チリッチ

 シード4 アレクサンダー・ズべレフ

 シード5 ドミニク・ティエム

 シード6 グリゴール・ディミトロフ

 シード7 ダヴィド・ゴファン

 シード8 パブロ・カレーニョブスタ

 シード9 ジョン・イスナー

 シード10 サム・クエリー

 シード11 ウイフリード・ツォンガ

 シード12 ケビン・アンダーソン

 シード13 ファン・マルティン・デルポトロ

 シード14 ロベルト・バウティスタ・アグート

 シード15 アルベルト・ラモス・ビノラス

 シード16 ジャック・ソック

 シード17 ルーカス・プイユ

 10月30日、日本時間の昼の時間にロジャー・フェデラーが披露を理由にパリマスターズの欠場を発表しました。

 これによりフェデラーの位置にシード17としてプイユ選手が入り、プイユ選手の元位置にラッキールーザーでドンスコイ選手が入りました。

 


 


ドロー表 

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 ファイナルツアーに絡む選手が全選手参加しますが、注目となるのはファイナルを掛けた6選手の動向となるでしょう。

 ゴファン、カレーニョブスタの圏内の選手2人に加えて、アンダーソン、クエリー、デルポトロ、ツォンガまでに可能性を残します。優勝すればバウティスタにもチャンスはありますが、ほぼ絶望的です。

 


最注目選手

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 注目選手は6名になりますが、最も注目される選手はデルポトロ選手でしょう。

 2大会連続で好成績を収め一気に出場権をうかがう位置まであがってきました。しかし、スイスインドアで優勝を逃した事が大きく、パリマスターズでは最低でもSF進出以上が条件となります。

 デルポトロ選手の前には早々に当たる可能性があるシード勢としてはアレクサンダー・ズべレフがQFに向けての障害となり、SFを掛けてはディミトロフとの再戦の可能性が高くなります。何れにしてもファイナル進出決定している強敵との対戦が避けられそうにありません。

 


放送予定 

民放放送

NHK

 NHKで注目試合を中心に7試合放送されるとの事です。試合カードは事前に確認が必要となります。

 

CS配信

GAORAスポーツ

 ATP500、1000の試合は基本的にGAORAスポーツで注目試合を中心に生放送されます。野球のペナントシーズンが終了し、延長や録画による放送もなくなるはずです。

 

ネット配信

スポーツナビ

 スポーツナビでは初回と2回戦が無料で放送されるとの事です。杉田選手の活躍や、その他の注目試合以外はチェックする事ができます。


試合トピックス

1日目 1回戦

 

杉田 対 クライノビッチ 22時開始予定

 初日から早くも杉田選手が登場します。相手はランキング75位のクライノビッチです。主にチャレンジャーを転戦しており、今シーズンのATPツアー成績はまだ2戦しただけの1勝1敗です。

 過去の対戦はなく、初対戦となります。

 同じチャレンジャーを回っていたという事もあり何度か対戦がある選手でもあり、現在ATPツアーに定着した貫禄を示して欲しい所です。

 

  1st 2nd 3rd result
杉田 4 2   0
クライノビッチ 6 6   2

 試合は序盤の数ゲームは探りながらのキープが続くも、サーブで押すクライノビッチに杉田は守勢に回らされる場面が増える。打開しようとするも今日のフォアクロスは大きくアウトする場面が多く、大事な場面で取り切れず、最初のブレークポイントを逃すと、リターンゲームであっさりブレークを許し、1stセットを落とす。

 2ndに入るとクライノビッチは前に出てくる積極性を発揮するのに対して、杉田のリターン精度は最後まで上向かず、ブレークポイントを握られても力なくネットに掛けるなどし、そのままストレートでの初戦敗退となりました。

 

 今日のテニスの出来は残念の一言です。試合に対する覇気も相手が上回り完敗でした。しかしながら1シーズンとして見れば40位当りでシーズンが終了する事は望外の結果ではあったでしょう。

 来シーズンの全豪のシードはほぼ絶望的ですが、来シーズン中にグランドスラムをシードを取れるかの本人の挑戦は続くでしょう。

 

 1回戦、その他の試合はシャポバロフがメインカードとしてセンターコート最終試合で登場しましたが、リターン精度が良くなく、ベネトーに完璧にペースを握られてのストレート負けとなりました。こちらも試合内容としては残念な試合でした。

 

 2日目以降は期待に沿うような試合となる事を期待したい所です。 

 


2日目 1、2回戦

 

 ファイナルを争うクエリーとカレーニョブスタが早くも登場します。

 クエリーは1回戦で杉田を破ったクライノビッチ、カレーニョブスタはマユとの対戦となります。必勝なるでしょうか。

 

クエリー 対 クライノビッチ

 序盤から攻勢をかけるクライノビッチにサーブが持ち味のクエリーは受けに回ってしまうと、終盤にブレークを許しそのまま1セットアップを許す。

 流れは変わらずクライノビッチは攻め続け、クエリーは反撃の糸口も見つける事ができずにあっさりとストレート負けに終わりました。

 大事な局面だったにもかかわらずテニスのプレイの質は高くなく、残念な結果となりました。年齢を考えても最後のチャンスだったのではないでしょうか。

 

カレーニョブスタ 対 マウ

 前の試合クエリーが敗れた事を知ってからの対戦。カレーニョブスタが冷静な立ち上がりを見せ早々にブレークを奪うも、地元の声援に後押しされるマウが声を上げて力を振り絞りブレークをすると会場は一気にマウ色に染まる。カレーニョブスタがミスを連発し、そのまま逆転でマウが1stセットを取る。

 第2セットは一方的な流れとなり、カレーニョブスタのリターンをことごとくマウが強打で跳ね返すなどし、6-1で取り切ります。

 カレーニョブスタは初戦敗退となり、ファイナル進出に赤信号という所です。アンダーソンの楽ドローやデルポトロやツォンガの調子を考えると厳しくなりました。

 


3回目 2回戦

 

 各シード選手、ファイナルを争う4選手が登場となります。

 

ツォンガ敗退

 同胞対決となったこの試合は1stセットを取りながらマウに逆転で敗れました。終盤になるほど表情が虚ろとなり、精神的なダメージを引きづったままの敗戦したように見えました。プレッシャーを力に変える事はできなかった模様です。

 

アンダーソン敗退

 こちらはスペインの曲者ベルダスコとの対戦。1stセットは取ったもののベルダスコに気迫に徐々に押され始めるとファイナルセット第11ゲームにブレークを許し、そのまま押し切られてしまいました。メンタル面で自分を鼓舞するなど改善が見られたものの、最終局面ではそのメンタルの弱さが出てしまったように思います。

 

ズべレフ敗退

 アレクサンダー・ズべレフはオランダのベテラン、ロビン・ハーセとの対決となり、1stセットは取った物のいつもよりサーブは遅くリターンスピードも貧弱でラリーで常にハーセの攻撃的なリターンに押されました。悔しくてもラケットを折るような気迫とパワーすら見られず体調不良を心配するようなひ弱な出来での敗退という印象です。

 

ナダル年間1位決定

 ナダルは韓国の期待の若手チョン・ヒョンとの対戦です。チョン・ヒョンはNEXTGENミラノに出場が決定しており、粘り強いテニスを見せます。ナダルにブレークされてもその都度食らいついてブレークバックし意地を見せますが最後は押し切られると2ndセットは格の違いを見せつけられました。

 ナダルはこの勝利で年間1位が確定しました。しかし途中で手を抜く事は考えずパリでも優勝を狙うとの事です。

 


4回目 3回戦

 ベスト16の8カードが揃いました。デルポトロ、ゴファン、プイユ当りのファイナル進出を掛けた選手に注目が集まります。

 

デルポトロ 対 ハーセ

 アレクサンダー・ズべレフを破ったハーセとの闘いは簡単にいかないと思われたものの、デルポトロは安定したプレイぶりで無難なストレート勝ちを収めました。ファイナル争いのプレッシャーを力に変えており、グランドスラム覇者らしいメンタルの強さも発揮するなど勝負強さを取り戻しています。

 

ゴファン 対 ベネトー

 今日の勝利でファイナル出場が確定するゴファンだが終始動きにキレがなくショットにもミスが目立ち、ベネトーにストレート負けの完敗でした。しかし、他の候補者が軒並み敗戦し、ファイナル出場が決定しました。怪我からの復帰でよく頑張ってはいますが疲れが見えます。ファイナルまでに立て直しが急務となるでしょう。

 

プイユ 対 ソック

 僅かな望みが少しずつ大きくなってきたプイユと、優勝+条件付きでまだ可能性のあるソックの1戦。試合は地元の声援を受けるプイユがブレークし有利に試合を進めるもブレークバックされタイブレークに。タイブレークでも有利に進めるも土壇場で追いつかれ、そのままソックに逆転されて1stセットを落とし、会場はお通夜状態となる。

 2ndセットは勢いをなくしたプイユがミスを連発し、そのままソックのストレート勝利となりました。

 プイユはこれで完全に脱落。一方のソックはデルポトロが同胞のイズナーに勝てない場合は優勝で無条件ファイナル進出とクリアーな状況に変化しました

 


5日目 QF(ベスト8)

 デルポトロが全てのカギを握るQFとなりました。

 勝てばファイナル出場が確定しますが、敗れた場合はファイナルへの道が断たれます。

 可能性のある2選手の条件は、イズナーはデルポトロに勝ちつつの優勝。ソックはイズナーにデルポトロに勝ってもらった上での優勝です。

 そして、デルポトロ対イズナーがこの日のファーストマッチとなり、いきなり情勢が大きく動くことになります。

 

                  

デルポトロ 対 イズナー 22;00時開始 センターコート 第1試合

 ファイナル争いの最終局面と言ってよい戦いとなりました。

 デルポトロは安定したテニスとメンタルの強さを発揮しての勝ち上がり。一方のイズナーはディミトロフとの激闘の末の勝ち上がりです。サーブに持ち味がある両者ですが、イズナーのサーブを受けきれればデルポトロが大分有利に立ちますが、どうなるのでしょうか。

 

 1stセット

 互いにブレークがないままイズナーが第10ゲームで2つのセットポイントを握ると、最後はデルポトロがダブルフォルトを喫し、まずはイズナーがセットを先行する。

 2ndセット

 イズナーは足首や腰に不安を抱えるもののリターンがコーナーに決まるなど隙を与えるタイブレークへ。

 タイブレークはお互いにサービスでポイントが決まる痺れる展開で、6-5でデルポトロがセットポイントでのイズナーのサービスがダブルフォルトとなり、タイブレーク唯一のミニブレークでデルポトロが1セットオールと盛り返す。

 3rdセット

 第2ゲーム、デルポトロのリターンが決まってゲームを取ったかに見えたものの、イズナーのチャレンジが成功しゲーム続行。するとデルポトロの集中力の欠いたリターンにイズナーのリターンエースも決まりデュースに。されにはデルポトロがイズナーの逆をつくショットに態勢を崩すとともに表情をゆがめる。すると、ブレークポイントを握られ、デルポトロのリターンが力なくアウトになり、イズナーが先行ブレークを取る。デルポトロはかなり厳しくなる。

 試合はそのまま進み、デルポトロは痛み止めを飲み試合を続行し必死に食らいつくも1stサーブが180キロ台まで落ちるなど力が入らない。

 迎えた第10ゲーム、イズナーのサービンフォーザマッチ。イズナーのサービスがセンターに決まり観客からややブーイングが・・。しかしセカンドサービスからのラリーでしつこく粘りイズナーがアウト。観客が大歓声。デルポトロよりの応援となる。

 30-30となるもセカンドサービスでも190キロを出す強烈なサーブにデルポトロのリターンがサイドアウトになり、遂にマッチポイント。最後はイズナーのワイドサーブにデルポトロのリターンがネットを超えす、イズナーが激闘を制しました。

 

 デルポトロは疲労が溜まっており、3rdセットで体が完全に根を上げました。しかし、それでも棄権せず最後まで可能性を追っていました。図太いメンタルを見せてくれました。

 対するイズナーは足首や背中に異常を見せながらもサービンフォーザマッチで1stサービスが最速の225キロを放つなど最後の力を振り絞りこちらも素晴らしいテニスを見せました。

 

 デルポトロはロンドンには予備人員として参加できるものの、本人がロンドンに行くか家に帰るかと言及していた事から、予備人員としてファイナルに参加しないものと予想されます。

 

大波乱の結末

 その他の試合は、ナダルが棄権を表明し、クライノビッチが予選勝ち上がりからのまさかのSF進出。

 ソックがベルダスコとの死闘を制して勝ち上がります。

 また、チリッチが地元ベネトーに押されてストレート負けしました。

 この結果、SFのカードは、

 イズナー 対 クライノビッチ

 ソック 対 ベネトー

 の2カードに決まりました。どの選手が優勝してもマスターズ初優勝になります。

 また、ファイナル争いはデルポトロが敗れて可能性はなくなったものの、権利があるイズナーとソックが残った事により、イズナーとソックが決勝に上がった場合はこの勝者がファイナルの最後の椅子を取る事が確定します。カレーニョブスタは引き続き気が抜けない状態が続きます。

 

 


6日目 SF(ベスト4)

イズナー 対 クライノビッチ センターコート 第1試合 22;00開始

 予選から勝ち上がったクライノビッチとファイナルを掛けるイズナー。

 1stセットは第5ゲームにクライノビッチが1チャンスを物にしブレークすると、イズナーはブレークポイントを生かせずそのままクライノビッチが1stセットを取る。

 2ndセットは一進一体の攻防で共にブレークできずにタイブレークへ。タイブレークではイズナーのサービスが良く決まり、そのままイズナーがタイブレークを制する。

 3rdセット、イズナーが何度かブレークポイントを握るもその都度クライノビッチの良いサーブが決まり互いにチャンスはあまりなくタイブレークに入る。

 タイブレークではいきなりイズナーがミニブレークを先行するも、クライノビッチがイズナーの足元に落とすリターンでミニブレークバック。更に5-5からのイズナーの強烈なサーブをまたも足元に落とすリターンを放つとイズナーがネットにかけマッチポイントを迎えると、クライノビッチが華麗にクロスを決めそのままピッチに崩れ落ちる会心の勝利を収めました。

 敗れたイズナーはこれでファイナル出場への道が完全に閉ざされました。試合展開で言えばスタッツ的にはイズナーが上回っており、トータルポイントも6ポイントイズナーが上回っていましたが、試合の展開はクライノビッチが劣勢には全く見えませんでした。予選からここまで堂々とした勝ち上がりは見事の一言でしょう。

 予選勝者からのマスターズ優勝の偉業の達成が目前に迫りました。

 

ソック 対 ベネトー

 地元の声援を一身に受けるベネトーに淡々とプレイするソック。

 1stセットから互いのブレークの応酬となる。ソックがブレークするとベネトーもすぐにブレークバックする展開も、第11ゲームでソックが3度目のブレークリードを奪うとそのまま1stセットを取る。

 2ndセットは一方的な流れとなり、ここまで、シャポバロフ、ツォンガ、ゴファン、チリッチと強力な相手を破ってきたベネトーには力は残っていませんでした。

 結局ソックがストレート勝ちを収めました。

 

 パリマスターズが開幕する頃はファイナル争いは、ゴファン、カレーニョブスタ、クエリー、アンダーソン、デルポトロ、ツォンガの争いと見られていましたが、候補者が悉く敗れ去り、優勝でしかチャンスのないイズナーやソックが最後まで争いに残るという大波乱の展開の中、その中でも一番可能性が低く数字的にも1%の可能性も考えられなかったソックがあと1勝でファイナルというとんでもない展開となっています

 

 


7日目 F(決勝)

      

ソック 対 クライノビッチ

 共にどちらかと言えばアウトサイダーからの大まくりの決勝です。

 クライノビッチは予選勝者、ソックはファイナル可能性のある選手の中で最もポイントが低い部類の選手であり、優勝だけでは足りないはずだったものの、候補者が悉く優勝で逆転の可能性がある範囲で敗れるというスーパーな展開でチャンスをつかみつつあります。

2017 ATP1000 ロレックス・パリ・マスターズ 決勝 ソックファイナルランク24位からの大逆転目前 

 

 結局最終セットにスーパープレーを連続で炸裂させたソックが3つのブレークを奪い優勝しました。

 この結果、ソックはマスターズ優勝の栄誉だけではなく、初のトップ10、ファイナル出場という大きな勲章を一度に手に入れました。

 


 

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