2017 NITTO ATPファイナルツアー 概要ラウンド 放送予定
2017年もATPツアー残す所1戦となりました。ツアーファイナルです。
昨年まではバークレイがメインスポンサーでしたが、プレミアリーグのスポンサーも下り、今年からはNITTOがメインスポンサーとなっております。
ファイナルツアー参加者一覧
順位 | ポイント | 試合数 | 優勝 | 準優 | 勝ち | 負け | GS勝 | |
ナダル | 1 | 10645 | 17 | 6 | 4 | 67 | 10 | 23 |
フェデラー | 2 | 9005 | 11 | 7 | 1 | 49 | 4 | 18 |
Aズべレフ | 3 | 4410 | 24 | 5 | 1 | 53 | 19 | 6 |
ティエム | 4 | 3815 | 26 | 1 | 2 | 46 | 25 | 14 |
チリッチ | 5 | 3805 | 20 | 1 | 2 | 42 | 19 | 13 |
ディミトロフ | 6 | 3650 | 22 | 4 | 1 | 44 | 19 | 11 |
ゴファン | 8 | 2975 | 24 | 2 | 2 | 50 | 22 | 9 |
ソック | 9 | 2765 | 24 | 3 | 0 | 34 | 18 | 3 |
*カレーニョブスタ | 10 | 1015 | 23 | 1 | 1 | 35 | 22 | 11 |
*デルポトロ | 11 | 1015 | 18 | 1 | 1 | 38 | 16 | 8 |
今年のファイナルツアー参加可能性のある選手の一覧です。可能性と書いたのは、ナダルやフェデラーに辞退の可能性があるためです。正式に発表があるのは金曜日となります。
昨年と大分様変わりし、去年も出場していた選手はティエム、チリッチ、予備からの参加したゴファンの3人だけとなりました。ズべレフ、ディミトロフ、ソックの3選手は初出場となります。
過去2年のファイナルツアー参加状況
2016年
順位 | ポイント | |
マレー | 1 | 10910 |
ジョコビッチ | 2 | 10780 |
ワウリンカ | 3 | 5050 |
ラオニッチ | 4 | 5115 |
錦織 | 5 | 4705 |
モンフィス | 6 | 3650 |
チリッチ | 7 | 3425 |
ティエム | 8 | 3215 |
昨年は錦織選手が3年連続出場と常連化しました。
また、フェデラー、ナダルが欠場し、ティエム、モンフィスら新しい顔が入ったファイナルでした。
ポイントのボーダーが今年より大分高いですがこれでも例年よりは低いボーダーでした。
2015年
順位 | ポイント | |
ジョコビッチ | 1 | 15085 |
マレー | 2 | 8745 |
フェデラー | 3 | 7265 |
ワウリンカ | 4 | 6465 |
ナダル | 5 | 4630 |
ベルディヒ | 6 | 4620 |
フェレール | 7 | 4305 |
錦織 | 8 | 4035 |
2年前はビック4にワウリンカという常連にベルディヒ、フェレール、錦織が挑戦するような図式でした。しかし、ポイントを見るとわかる通り、ボーダーギリギリの錦織ですら4000ポイント以上を獲得しております。今年4位のティエムより上ですが、それだけ上位争いが激しかった事を物語ります。
ちなみに9位はガスケ選手で2800ポイント余りでした。8位と9位にかなりのポイント差がありました。
こうしてみてみると、今年はボーダーラインが例年以上に低いだけでなく、フェデラー、ナダル以外のトップ選手がポイントを獲得していない事がわかります。4位のティエムで4000ポイントに届いていませんし、3位のズべレフも本来なら6,7位当りのポイントです。
今年は10~30位当りのポイント格差が少なく、来年以降はランキングの上下動が激しく起こる事を意味します。
出場選手概要
ラファエル・ナダル
今年完全復活を遂げたナダル。特にクレイコートでは1敗しかせず、相手の心をへし折る圧倒的なパフォーマンスを披露しました。
そしてハードコートでも好調は続き、全米オープンでの優勝、北京ではデルポトロを寄せ付けないテニスを披露し、年間1位の座も獲得が決定しています。
しかし、パリオープンでは痛めていた膝の慢性疲労がたたり途中棄権。ファイナルツアーも出たい意思は表明しているものの参加を断言できないとの事です。果たして回復具合はどれ程のものとなるでしょうか。
ロジャー・フェデラー
ロジャー・フェデラーも見事復活しました。大会を絞りベストのパフォーマンスを出す事に集中しており、11試合の出場で優勝7回に準優勝1回、勝ち数49に対して負け数が4、そして1つ欠場しているグランドスラムですがそれでも18勝2敗と圧倒的なパフォーマンスです。レジェントでありながらもまだまだやれる所を見せつけています。
アレクサンダー・ズべレフ
昨年、ワウリンカを下しツアー初優勝を果たし今年のブレークが期待されていましたが、その期待通り見事に開花しました。
クレーコートのマスターズではジョコビッチを、ハードコートのマスターズではフェデラーを完勝で下し文句なしのマスターズ2勝を含む5勝を挙げ堂々のファイナルツアー出場となりました。
新コーチとしてフェレーロを迎え試合展開もコントロールするうまさも加わった反面、まだまだメンタルコントロールがうまくいかず、全米以降の大会はあまり良い結果を見せていません。
そしてグランドスラムは全大会に出場しているにもかかわらずわずか6勝にとどまっています。今回のファイナル出場者の中では2番目に少なくトップ3としてはこの成績は指摘される部分でしょう。
しかし、それだけにこの大会でしっかりと結果を残したいと思っているはずです。それに向けてNEXTGENファイナルを欠場し、しっかり準備中との事です。
ドミニク・ティエム
昨年数多くの大会をドサ周りポイントを重ねてファイナルに進出しました。
今シーズンもクレーコートではパワフルなテニスでナダルに唯一のクレーシーズンの黒星を付けるなど活躍し、早い段階でファイナル有力候補となりました。
しかし、グラスコート、ハードコートシーズンでは全く冴えませんでした。
グランドスラムでは4大会で14勝とまずまずの成績でトップ3の成績とは言え、後半戦で稼いだポイントは1000にも満たず、昨年に引き続く課題が残りました。
今回のファイナルは初出場選手が多く、選手の格的にもトーナメント進出が期待される所ですが、どうなるでしょうか。
マリン・チリッチ
シーズン序盤は早期敗退を繰り返し苦しいシーズンになると思われました。
しかし、ローランギャロスでは好パフォーマンスを見せ、ウインブルドンでは決勝に進出しました。以降はどの大会でも優勝はないもののコンスタントにSF進出でポイントを稼ぎ、危なげなくファイナルの椅子を手にしました。
面子的にもラウンドロビン突破は有力と見られますが、どうなるでしょうか。
グリゴール・ディミトロフ
今年のディミトロフは出入りが激しかったですが、最終的には良い形で終わりそうな気配です。
年初はブリスベンで錦織に逆転勝ちの優勝を皮切りに3大会優勝。全豪でもSFに進出しナダルとフルセットの死闘を演じました。
しかし、クレーコートシーズンに入るととたに勢いに急ブレークがかかり全く勝てなくなりました。
転機はアメリカのハードコートシーズンのマスターズ優勝です。ここからはまた本来のディミトロフの姿に戻り、それなりの成績を収めるようになり、ファイナル出場を危なげなく決めました。
恵まれた体躯とバックハンドの美しさ、バランスの良いビジュアルとスター性はあるだけにこの大会の優勝で更に自信を深めたい所です。
ダヴィド・ゴファン
やや華奢な部類に入るゴファンはとりけハードコートでは力強いパフォーマンスを披露し、それまで勝った事のないジョコビッチを破りました。しかし、次戦のナダル戦では世紀のオーバールールで崩れ、更にはローランギャロスでは防水シートに足を取られグラスシーズンを棒に振る大怪我をしてしまいました。
不運の連続もあり、またアメリカシーズンは怪我の回復が万全ではなく、ファイナル進出は厳しいと思われたものの、アジアシーズンに入ると楽天オープンを含む2大会で連続優勝し、他の候補者がポイントを伸ばせないのを尻目に一気に圏内になだれ込み、そのままファイナル出場を決めました。
最後は展開的な幸運に恵まれてのファイナル出場という事もあり、1年を通すと、幸不幸がイーブンだった印象です。
ジャック・ソック
ソックのファイナル出場はまず予想できる事ではありませんでした。
シーズン序盤はデルレイビーチで優勝し、更に錦織を破りインディアンウエールズマスターズSFに進出、次のマイアミでもQF進出するなど良い出足を見せました。
しかし、その後の大会では見せ場はほとんど訪れず、グランドスラムでは4大会出場でわずか3勝と、ファイナル補欠者を含めてもダントツに低い成績でした。
ハード、グラスコートでは全く活躍できず、アメリカハードシーズンではシティーオープンでSF進出するものの、全米、アジアシーズンもほとんど成績を残せず、序盤に稼いだポイントからの上澄みがなくパリマスターズを迎えました。
パリマスターズには優勝条件にして17名に逆転のチャンスがあるという団子状態の中でも下から2番目の選手であり、他の選手の結果も良く作用する必要がありましたが、見事に作用し、かつ優勝をさらって奇跡の大逆転でファイナル進出を射止めました。
前述したようにグランドスラム3勝、優勝もデルレイビーチのATP250の1つだけとファイナルに進出する選手としては非常に物足りないものの、権利を獲得した以上は過程は重要でなく、この場で結果を残す事に意味があります。
(補欠)パブロ・カレーニョブスタ
カレーニョブスタはシーズン序盤からなかなかの成績を収めてシーズンをスタートします。南米のクレーコート3大会連続でSF進出、インディアンウエールズSF進出、更には欧州クレーコートシーズンでは、エストリルで優勝、ローランギャロスでもラオニッチとの死闘を制しQF進出。しかし、このQFでのナダル戦で脇腹を痛めてグラスシーズンを棒に振ります。
奇しくもゴファンと同じ離脱期間となったものの、ゴファンよりも怪我が順調に回復し、全米ではSF進出でファイナル進出にかなり前進したかに見えました。
しかしここからの5大会でわずか1勝しかできず、全米からポイントをほとんど伸ばす事が出来ず、他の候補者も勝てずにボーダーラインが低く推移したのにもかかわらず、ファイナル出場を逃してしまいました。
本人にとっては後から振り返ると非常に悔しい出来事として残る今シーズンになりましたが、トップ10で年内を終える事も決定しており、実りある1年になった事は間違いありません。
しかし、それだけに上位勢が復活する来年に同じレベルでポイントをディフェンドできるかどうか、かなり難しい挑戦が待っています。
全体的に見れば素晴らしいシーズン
(補欠)ファン・マルティン・デルポトロ
今シーズンのデルポトロはあまり好調とは言えない出だしでした。体が重そうでフォアを狙い通りに打てない試合が続き、厳しいシーズンとなるかに思えました。
しかし、アメリカシーズンから徐々に本来のフォアを含めたテニスを披露するようになると、全米ではフェデラーを破りナダルにも正面から対抗するなどしSF進出の成果を上げると、アジアシーズンでも安定した成績を収め、インドアハードシーズンではストックホルムオープンで優勝し、一気にファイナルボーダー付近まで上がってきました。
勢いと周りの候補者が続々と脱落し、あと1勝という所まで来ましたが、パリマスターズではQFのイズナー戦で敗れてファイナル出場の道及び補欠での出場もほぼ絶望な状況となりました。
とは言え、怪我に泣かされたデルポトロは久々にシーズンを通してツアーに参加できました。本人には一番それが重要視されるのではないでしょうか。
試合を見るとわかる通り、好調のナダルやフェデラーにもしっかり対応できるテニスと恐さがある所を十分に見せており、軽くひねられる若手に比べても可能性を感じるデルポトロは来年も活躍が期待されます。
ラウンドロビン
怪我が心配されたナダルも参加が決定し、ラウンドロビンの組合せが発表されました。
ベッカーグループ
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勝ち | 負け | セット差 | setup | setdown | |
フェデラー | |||||
ズべレフ | |||||
チリッチ | |||||
ソック |
サンプラスグループ
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勝ち | 負け | セット差 | setup | setdown | |
ナダル | |||||
ティエム | |||||
ディミトロフ | |||||
ゴファン |
トーナメント
決勝トーナメントはラウンドロビン各終了の翌日から開始されます。
開催都市
開催国:イングランド
開催都市:ロンドン
サーフェス:インドアハード(ブルーコート)
開催期間:11月12日~19日
放送予定
GAORAスポーツ
ラウンドロビン、トーナメント、及びセレモニーを全完全生中継で放映予定です。
スポーツナビ
ネット放送のスポーツナビはファイナルの試合を全試合生放送予定です。
NHK(BS)
ラウンドロビン、トーナメントをセレクトして放送予定です。
試合結果