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ディミトロフが初出場で完全優勝の快挙 ATPツアーファイナル 決勝

 ATPツアーもこの決勝で今年の全日程が終了します。

 ファイナルの決勝に上がってきたのは大方の予想を裏切る形で、ディミトロフとゴファンが上がってきました。

 ディミトロフはここまで全勝で勝ち上がってきています。フルセットの試合もしっかり勝ち切るなどメンタルの弱さをどんどん克服していってます。

 一方のゴファンは準決勝のフェデラー戦で劣勢から見事な逆転を見せ決勝に挑みます。

 過去の対戦はディミトロフの5勝1敗で、ラウンドロビンでの対戦ではディミトロフが圧倒のストレート勝利を収めています。しかし、決勝では違った展開も予想されます。

 尚、ディミトロフは決勝の結果にかかわらずシーズンを3位で終わる事が既に確定しています。

 

 

1ST

 第1ゲーム、ディミトロフのサービス。ディミトロフのリターンがバックアウトになり、いきなりゴファンに2度のブレークポイントが来ると、ゴファンの浅い位置への鋭いリターンエースでゴファンがいきなりブレークのスタートとなり、ラウンドロビンとは違う所を早くも見せつける。

 第2ゲーム、ゴファンは攻め急ぎリターンをネットにかけ、今度はディミトロフが2度のブレークポイントを握ると、センターのラリーからのゴファンのリターンがわずかにバックアウトになり、今度はディミトロフがブレークバックに成功する。

 第3ゲーム、深い逆クロスを決めたゴファンが0-40とし、3つのブレークポイントを握ると、前に出たディミトロフの更に横をワイドに抜きゴファンが再びブレークに成功する。

 第4ゲーム、なかなかキープができないゲームが続くも、30-30からゴファンが連続でサービスエースを決めこの試合初めてのキープを果たす。

 第5ゲーム、ゴファンのリターンがよくこのゲームもデュースに。最後は強烈のワイドサーブにゴファンがリターンをバックアウトしディミトロフもキープで食らいつく。

 第8ゲーム、ゴファンがダブルフォルトを犯し、ディミトロフにブレークチャンスが来ると、ゴファンのリターンがアウトになり、ディミトロフがブレークバックに成功する。

 第9ゲーム、ゴファンはネットプレイを多用しディミトロフにプレッシャーをかけるもディミトロフをよく見てパッシングを成功し、このゲームをキープする。

 第12ゲーム、互いに痺れるラリーを展開。ディミトロフが前に出てゴファンのリターンアウトを誘い、ディミトロフが2つのセットポイントを握る。しかし、ゴファンもディミトロフのクロスとリターンの打ち分けに対応し、カウンターショットを決めデュースに。

 更にゴファンがネットに出てのボレーがわずかにサイドアウトになり、このゲーム3度目のセットポイントが来るも凌がれる。

 その後、ゴファンはネットに出たもののディミトロフに対応され4度目のセットポイントが来るもこれも凌ぐ。

 再びデュース後、ゴファンの逆クロスのリターンがアウトになり、ディミトロフに5度目のセットポイント。最後はラリーからゴファンの攻めのリターンがネットにかかり、ディミトロフがゲームカウント7-5でセットを先取する。

 

 ゴファンは1stサーブの確率を落としてでもサーブでポイントを取ろうと勝負のサーブに行き、ラリーではロングラリーよりもネットに出て早い展開に持っていくような戦術でしたが、ディミトロフが冷静に対応し、逆にネットプレイやドロップショットで返すなど、ディミトロフの精神力がたくましくなっているのがわかるプレイぶりで好勝負となっています。

 

2ND

 第3ゲーム、ディミトロフのサービス。デュースになるも、ディミトロフがワイドのサービスエースを決めキープに成功し、ここまで両者のキープが続く。

 第6ゲーム、ゴファンのサービス。ゴファンの強打がネットにかかりディミトロフにブレークチャンスが来る。ここでゴファンの鋭いクロスがライン際でアウト判定になるも主審がオーバールール。これにディミトロフがチャレンジするも主審がしっかり見ておりイン判定となる。その後はサーブで押したゴファンがセンターのサービスエースでキープに成功する。

 第7ゲーム、ディミトロフの揺さぶりに対してゴファンはチャンスと見てネットに出て強烈なリターンを決めゴファンが2つのブレークチャンスを握ると、ゴファンが強引にフォアリターンを振りぬきこのセットの先行ブレークを取る。

 第10ゲーム、ゴファンのサービンフォーザセット。40-0からディミトロフのリターンが相手コートに帰らずゴファンがセットを取り返し、決勝はファイナルセットで決まる展開となる。

 

 1STセットと同じく強気のサービスに、リターンでもネットプレイの他、強引に角度を変えるリターンを随所に織り交ぜ、1ブレークながらもゴファンが圧倒したセットとなりました。

 対戦成績が悪いゴファンですがこの展開は押し切る事も考えられる展開になってきました。

 

3RD

 第1ゲーム、ディミトロフのサービス。ゴファンがダウンザラインに綺麗にリターンエースを決め2つのブレークチャンスをつかむ。ここで更にリターンエースをねらったゴファンのリターンが手元に食い込みデュースに。

 更にゴファンの強い攻めにディミトロフのリターンがアウトになり、ゴファンに3度目のブレークチャンスが来るも、ゴファンのリターンがアウトになりこれを凌ぐ。

 ゴファンは尚も深い切り返しで4度目のブレークチャンスをつかむも、ゴファンの狙いすましたストレートショットが僅かにアウトになり凌ぎ、11分かかった1stゲームはディミトロフが辛うじてキープに成功する。

 第2ゲーム、ゴファンのサービス。お互いの粘りのリターンからゴファンがリターンをネットにかけディミトロフがブレークポイントを握る。しかしゴファンもサーブが好調でこのピンチを防ぐキープに成功。

 第4ゲーム、デュースに持ち込まれたこのゲームは、ゴファンのサーブをディミトロフがネットにかけ、ゴファンがキープする。

 第6ゲーム、カメラでベッカムが来場している姿が捉えられた中で迎えたこのゲーム。互いの深いラリーからゴファンがリターンをネットにかけディミトロフにブレークチャンスが来る。ここからは互いに凌ぎあいのデュース合戦となる。

 ここでゴファンのバックリターンがネットにかかりこのゲーム2回目のブレークポ二とが来ると、ゴファンのバックハンドリターンがサイドアウトとなり、ディミトロフが優勝に向けてのブレークを果たす。会場はディミトロフコールに包まれる。

 第7ゲーム、このゲーム当りから観客がざわつきなかなかサーブに入れない状態となる。その中で表情一つかえずディミトロフが淡々とキープする。

 第8ゲーム、客のざわつきに明らかにゴファンはやりにくそうである。ゴファンが果敢にネットに出るもディミトロフは粘ってロブを上げるなどして全て対応し、0-40と3つのチャンピオンシップポイントを迎える。

 しかしそれでもゴファンは強気のショットで3つのポイントを全て守り切りキープする。ゴファンは両手を振り上げ観客を大いに煽る。

 第9ゲーム。ディミトロフのサービンフォーザチャンピオンシップ。互いに気持ちの入った声と共にラリーが展開される。ディミトロフのワイドサーブにゴファンがリターンをアウトにしディミトロフに4度目のチャンピオンシップポイントが来るも、ゴファンがクロスラリーからネットに出てディミトロフがパッシングで抜こうとするも、ゴファンはこれをウオッチし、バックアウトとなりゴファンが意地を見せる。

 5度目のチャンピオンシップポイント。そのセカンドサーブ。ゴファンの強い攻めにディミトロフがスライスでリターンをすると、これがゴファンのボディーに入りゴファンがリターンをネットにかけ、この瞬間ディミトロフは正面からコートに崩れ落ちる。

 

 ディミトロフがツアーファイナルを完全優勝で締めくくりました。

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 ディミトロフはこれで1500ポイントを上乗せし、自身初の4000ポイントの大台を超え、5000ポイント超までポイントを上乗せしました。5000ポイントは超一流選手としての証と言え、ついにトップ選手として自他共に認められる存在となりました。

 また、敗れたゴファンも相性の悪いディミトロフ相手に先に先に攻めようと1stサーブの確率が悪くても攻め続け、ラリーで普段より数倍多いネットプレイを仕掛けました。その執念がディミトロフを追い詰めましたが、ディミトロフも精神力で押し込まれる事なく、しっかりスライスで対応し、機を見たバックハンドショットやパッシングショットでゴファンに的を絞らせませんでした。

 決勝当初はフェデラーやナダルがいない決勝に不安な見方もありましたが、終わってみれば素晴らしい決勝になったと実感します。

 

 来年にはディミトロフは今年上げたポイントのディフェンドができるかどうかが勝負となります。年初と年末に多大なポイントを上げているため、クレーコートシーズンでポイントを重ねる事ができれば更にその上を狙う事も可能でしょう。しかし、トップ選手が何人かは戻ってくると考えられるため、道はかなり厳しいでしょう。

 一方のゴファンは怪我で棒に振ったグラスコートシーズンを考えるとサーフィスを選ばないプレイスタイルであり、サーブにも強みが出てきた事から今年以上にポイントを稼ぐ事が予想されます。しかし、ディミトロフ動揺上位選手にどこまで対応できるかにかかるでしょう。ゴファンの場合は上位選手には負け下位選手に負けないというハッキリした面を持っているため、何人かのトップ選手に勝てるようになるかが来年の飛躍に影響するでしょう。今シーズンは初めてジョコビッチやフェデラーを破りましたが、来年も同じ結果が残せるかは上位勢の復活次第となります。

 

 

 

 

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