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2018 ATPツアーファイナル 錦織選手の出場確定

 11月4日(日)日本時間早朝に、デルポトロがツアーファイナル出場の辞退を表明し、ランキング9位の錦織が繰り上がりでのファイナル出場が決定しました。

 

 

 

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デルポトロ「膝をよくするために、可能な限りの手は尽くした。順調に回復していると感じるが、しかし、まだ時間が必要なんだ。ロンドンにいけないのは凄く残念でならない。それでもいいシーズンだったと振り返ることができるよ・」

 

 デルポトロはそれなりにツイッターを更新するプレイヤーで、過去の欠場の際にも理由をコメントしていましたが、そのツイートが10月6日で更新がストップしていることを見ても、声明以上の悔しさがある事が想像できます。プールリハビリで下半身に負担を掛けないトレーニングを何時間も行っていたということですが、まだコートレベルでの練習はできていないとのことでした。

 

 デルポトロは最後まであきらめることのない選手です。2017年全米オープンでの4回戦のティエム戦。デルポトロは明らかに体調が悪く、ティエムの前に圧倒され2セットダウンの状況になりました。しかし、棄権するような体調ながら薬の服用を繰り返し、しぶとくバックハンドスライスで食い下がるとティエムが攻め焦り、必死に耐えたデルポトロは最後大逆転でゲームを物にしました。

 今回も諦めなかったからこそ最後まで望みを掛けていたということでしょう。しかし、体調不良と骨折では余りにも勝手が違いすぎたようです。

 

 シーズンオフの2か月の間に順調にリハビリが進むように祈るばかりです。

 

 

錦織のトップ10返り咲きが確定

 パリでは3回戦でイズナーがハチャノフに3回戦で敗れ、チョリッチがQFでティエムに敗れた時点で9位以上が確定していました。

 自力出場をかけて挑んだQFフェデラー戦ですが、フェデラーの調子が上がらないものの、錦織もミスがかさみ互いにキープで迎えた第9ゲーム、リターンをネットにかけ初のブレークポイントを握られると、力んだフォアがライン外に外れてブレークされて1stセットを奪われると、そこから糸が切れたように2ndセットも強引なショットでミスを繰り返し先行ブレークを取られ、その後はフェデラーに流される形でキープされストレートで敗れました。プレー強度は悪くありませんでしたが、集中力を欠いたゲームで精神的に切れてしまった部分を突かれました。この部分でトッププレイヤーと対戦する精神面には課題がまだある事を露呈しています。

 

 この時点ではファイナル出場はデルポトロ次第という状況でしたが、冒頭にある通り、錦織のファイナル出場が決定しています。

 また、ファイナルに出場する選手、補欠選手を含めて11位以下の選手の逆手が不可能になったため、ランキング10位以内でシーズンを終えることも確定しています。

 

ファイナル補欠選手はまだ未決定

 補欠選手は錦織と最後まで争ったイズナー選手は決定です。

 もう1人はチョリッチが濃厚ですが、パリマスターズで決勝まで勝ち上がったハチャノフがジョコビッチを破り優勝した場合はハチャノフが補欠2番手に昇格します。どちらの選手も補欠を辞退することはないはずです。

 チョリッチ、ハチャノフ共に後半に印象的な活躍で一気にランキングを上り詰めました。攻撃力に特化したハチャノフに、よりバランスが優れたチョリッチと若手の突き上げもあり、来シーズンに期待できそうです。

 

予想外に早いトップ10復帰も課題点に成長猶予有り

 錦織は怪我からわずか1年でトップ10返り咲きを果たしました。序盤のシーズンを欠場していることも考えると、素晴らしい活躍だったと振り返ることができます。

 1度も優勝していないという意見もあるでしょうが、逆に優勝の大ポイントを獲得せずともこれだけのポイントを重ねたことに意味があり、下位シードから昨年のトップ10レベルの選手を次々倒して行けたという事の裏返しにほかなりません。

 昨年上位だったディミトロフ、ティエム、ソックよりは安定して強いプレイをしていた印象です。

 実質的にはその1段上の、アンダーソン、チリッチ、ズベレフらと今後はトップ10圏内を争うライバルと見てよいでしょう。

 そして今後はチチパス、チョリッチ、ハチャノフ、メドべデフ、シャポバロフなどがトップ10を伺う構図になるでしょう。

 

 とはいえ、数字上は素晴らしいシーズンだったとはいえ、決勝ですべて敗れている事と、トップ選手に勝てていない事に不満を持つファンもいるはずです。

 楽天の決勝やエルステバンクオープンの決勝では特に相手選手に気圧された面が目立ち、更にはジョコビッチやフェデラーに対するここ一番でのミスを見ても、「重要な局面でのメンタルコントロール」がどうしても残念な部分が見えるのも事実です。これは錦織選手がもってる資質みたいなもので中々矯正が効かないのも仕方ない事と言えるでしょう。少なくても臆病になって守って負ける、2017年のモントリオールのモンフィス戦のような負け方はなくなっています。今は維持になって攻め続けてその攻めが失敗しているという状況です。気持ちは厚く、しかしプレイは冷静にというジョコビッチの域に達するかどうかが今後の錦織選手のキャリアを分けるように思いますが、簡単ではないでしょう。

 この部分は「デルポトロ」がお手本になるはずです。彼のここ一番での勝負強さ、トップ選手も食えると感じさせるプレイは見るものを引き付けます。何よりあきらめません。

 錦織選手は重要な局面で攻めミスし後の表情が「もうどうでもいい」的な投げ槍感が出ます。そして引きずってしまいます。つい昨日のフェデラー戦がまさにそうでした。1stセットの第9ゲームから2ndセットの第2ゲームまで錦織は1ポイントも取れませんでしたが、錦織の意地になった攻めでのエラーが6つもあります。試合中のコーチングが出来ず、本人が制御しない限りはこれを繰り返すばかりになります。この部分をどうするかにかかってくるでしょう。

 逆に言えば伸びシロがまだ存在するという事に他なりません。

 

 本日行われたフェデラー対ジョコビッチは、序盤こそややミスが目立つ展開でしたが、互いの維持がぶつかり合った壮絶なフルセットマッチでした。錦織も2016年ツアーファイナルでマレーと3時間30分に及ぶ壮絶なフルセットマッチを演出していますし、できる選手なはずです。

 

ファイナルは11月11日開催

 ツアーファイナルは11月11日にイングランドのロンドンで開催されます。2年前にバークレイからNITTOにスポンサーが変わり、インドアハードコートで行われます。その雰囲気、電飾の演出などかなり派手に行われます。

 現状はナダルの出場が不安視される状況ですが、おそらくは出場してくるものと思われます。

 

 

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