週末はスポーツ観戦

テニス中心に、サッカー、野球などの観戦記や思った事を徒然に赴くままに

2018 全豪オープンテニス ドロー表 各選手動向 試合結果

・QF チョン、錦織以来のアジア人GSベスト4進出の快挙!

・QF ナダル、フルセットの末、無念の棄権敗退・・

・4回戦 チョン・ヒョンが怪我明けのジョコビッチに完勝!!

・3回戦 チョン・ヒョンがズべレフの精神をを破壊し勝利!

・2回戦 西岡ストレートで敗退。杉田はフルセットマッチのサドンデスで惜敗・・

・1回戦 杉田 対 ソック 杉田シード8位相手に躍動の完勝!!

・1回戦 西岡 対 コールシュライバー 西岡シード相手に初戦勝利!! 

 2018年最初のグランドスラムが1月15日(月)より開催されます。

 開催都市はオーストラリア、時差もほとんどない事から視聴が容易と思いきや、平日は勤務時間と重なるという事情から全ての視聴が難しいという状況かと思われます。

 

 昨シーズンはフェデラー、ナダルの華々しい復活があった中、ジョコビッチ、マレー、ワウリンカ、錦織、ラオニッチと上位選手が相次いで途中でシーズンを終了してしまい、これらの選手の再起をかける意味でも重要な大会となりそうです。

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シード選手 

 上位選手の中では、臀部の怪我が長引き手術の決断を下したマレーは全豪はおろか全仏も欠場する事となっております。

 更には錦織選手も練習はできるものの手首の違和感が取れず、当初の予想通りの全豪回避となりました。しかしながら、チャレンジャー大会に立て続けに出場する事からフィジカル的な問題はクリアしている様子がうかがえ、早い段階でATPツアーに復帰する事が期待されます。

 

 シード1 ラファエル・ナダル

 シード2 ロジャー・フェデラー

 シード3 グリゴール・ディミトロフ

 シード4 アレクサンダー・ズべレフ

 シード5 ドミニク・ティエム

 シード6 マリン・チリッチ

 シード7 ダヴィド・ゴファン

 シード8 ジャック・ソック

 シード9 スタン・ワウリンカ

 シード10 パブロ・カレーニョブスタ

 シード11 ケビン・アンダーソン

 シード12 ファン・マルティン・デルポトロ

 シード13 サム・クエリー

 シード14 ノバク・ジョコビッチ

 シード15 ウイフリード・ツォンガ

 シード16 ジョン・イズナー

 シード17 ニック・キリオス

 シード18 ルーカス・プイユ

 シード19 トーマス・ベルディヒ

 シード20 ロベルト・バウティスタ・アグート

 シード21 アルベルト・ラモス・ビノラス

 シード22 ミロシュ・ラオニッチ

 シード23 ジレ・ミュラー

 シード24 ディエゴ・シュワルツマン

 シード25 ファビオ・フォニーニ

 シード26 アドリアン・マナリノ

 シード27 フィリップ・コールシュライバー

 シード28 ジュルーム

 シード29 リシャール・ガスケ

 シード30 アンドレイ・ルブレフ

 シード31 パブロ・クエバス

 シード32 ミーシャ・ズべレフ

 

 ジョコビッチが14位、ラオニッチが22位と近年のランキングからして違和感しかないシード位置におり、早い段階から注目対決が頻発する形となります。

 若干20歳のルブレフがシーズン最初の大会で準優勝を果たし、待望のグランドスラムシード権を獲得したのが真新しい所です。

 

ドロー表

Aブロック ナダル、チリッチ山 

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Aブロック展望

本命 ナダル 対抗 無し

 このブロックはナダルが大本命です。対抗となるのはチリッチですが、年明けはどの年もコンディションの悪さが目立つため、対抗馬がほぼいない状況と言えるでしょう。最も、エキシビションを回避するなどナダル自身も万全とは言い難く、何かを起こす選手が現れる期待もなくはないです。

 昨年大活躍しシードを獲得したシュワルツマン、守備型とは言え固いテニスを披露するチョリッチ当りがナダルに対抗できるかどうかにかかってきます。 

Bブロック ディミトロフ、キリオス山

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Bブロック展望

本命 不在(キリオス) 対抗 ディミトロフ

 本命不在の混戦グループとなりました。

 ファイナルで優勝したディミトロフは昨年は素晴らしい開幕ダッシュを見せました。今年もその再現はなるのでしょうか。

 対抗としてはシードが高いソックやツォンガ、アンダーソンよりもキリオスを推す声が高いはずです。地元オーストラリアで開催のグランドスラムで調子も悪くなく、一発の破壊力を秘めた選手です。

 


 

 


Cブロック ティエム、ズべレフ、ワウリンカ、ジョコビッチ山

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Cブロック展望

本命 不在(A・ズべレフ) 対抗 ティエム

 このグループは有力選手が固まった非常に予想しにくいグループになっています。

 何といってもシード14のジョコビッチです。初戦からヤングという難敵にぶつかり、4回戦ではAズべレフ、QFではワウリンカやティエム当りとの対戦となるなど、中位シードに落ちた苦しみを物語るドローとなりました。

 また、その他では兄弟である、アレクサンダー・ズべレフとミーシャズべレフが同じ小ブロックを形成しており、3回戦で当たる可能性があります。対戦が実現すればATPツアーの試合としては初の対戦となり、注目が集まる事になります。

 一時は怪我の影響で全豪回避が濃厚と思われていたワウリンカは出場エントリーをしましたが、まだまだ予断は許さないでしょう。

 

Dブロック フェデラー、ゴファン、デルポトロ山 

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Dブロック展望

大本命 フェデラー 対抗 デルポトロ

 大本命フェデラーが抜けているグループとなります。大きな大会ではしっかり調整をしてくるプロ中のプロであることからも番狂わせは起こりにくいです。

 対抗できるとすれば、昨年ファイナルでそのフェデラーを破って実力をつけているゴファン、そして上位勢と質も互角のテニスを披露する実力者デルポトロという事になります。この両者が順当に勝ち上がると4回戦で早くも対戦となんとも惜しい早期対戦となりそうです。

 


 


 

日本人出場選手

杉田 祐一  ランキング41位

 昨年は錦織選手が不安定な中、途中からは日本人選手の希望として最後まで戦い続け、松岡修造を抜く歴代日本人2位の最高位を獲得した杉田。

 今年は高いランキングでほぼすべてのグランドスラムを本選からの出場するシーズンとなります。活躍次第ではシード獲得の希望も膨らみます。しかし、それだけにランキング維持も至難となります。

 初戦の相手は昨シーズン終盤に大活躍を見せたシード8のジャック・ソック選手との対戦となります。対ソックに対しては悪くない成績となっており、昨年シンシナティーマスターズで対戦し、ストレート勝利を収めています。

 

ダニエル 太郎 ランキング98位

 昨年は全米でナダルと対戦し1セットを奪うなどの活躍が印象には残ったものの、大活躍とまではいかなかったシーズンを送ったダニエル。

 今年はランキングでの本選出場となりました。

 初戦の対戦相手はランキング58位、フランスの36歳のベテランのベネトー選手です。昨年のパリでは印象的な活躍を見せておりまだまだ現役でやっていこうという気構えがあり油断できません。

  

西岡 良仁 ランキング169位 プロテクトランキング

 昨年のマイアミでの怪我で長期離脱をしてしまった西岡選手は長いリハビリを経て年初に復帰しました。まだまだコンディションが整っているとは言い難いですが、今年は大会に出続けてランキングを2桁に復活させることが目標となるでしょう。

 初戦の相手はシード27のドイツ人プレイヤーのコールシュライバーです。老練なプレイにどう対処していくのかが注目されます。

 

その他選手

 その他、予選から出場の3選手は本選出場なるでしょうか。

 

 


 

 

 


1回戦注目カード

ルブレフ 対 フェレール

 年末から年初にかけて成長を見せるルブレフに粘りが復活しつつあるフェレールの1戦です。ルブレフはカタールオープンの準優勝でシード権獲得を滑り込みで手にし勢いがあります。

チチパス 対 シャポバロフ

 共に若手の注目株同士の対決です。大舞台で力を発揮しているシャポバロフに対してチチパスはまだまだ知名度はないですが実力は互角と見ており、面白い試合となりそうです。

クライノビッチ 対 マナリノ

 昨年共に活躍した両選手。クライノビッチはパリマスターズで予選勝ち上がりから準優勝を果たすなど一躍名前が売れました。

 対するマナリノも杉田選手と1年で4度も対戦し、その3戦で壁となるなど日本テニスファンにとっては印象的な選手となっています。

 *クライノビッチが体調不良により出場を辞退したため、ラッキールーザーでイタリアのベレッティーニが入ります。

バウティスタ 対 ベルダスコ

 大よそノーシードとは言い難い実力を突発的に発揮するベルダスコ。昨年の全仏オープンでもノーシードからアレクサンダー・ズべレフを含むシード勢を下し、錦織選手を追い詰めました。

 対戦するバウティスタも昨年それまで未勝利であった錦織選手に作戦勝ちするなどパワーよりもうまさで対応します。いぶし銀の試合となりそうです。

コキナキス 対 メドベデフ

 痛みが無ければトップ選手にも勝利しているコキナキスとメドベデフの今年22歳になる選手同士の戦い。爆発力を秘めるコキナキス選手に注目が集まります。

ミーシャ・ズべレフ 対 チョン・ヒョン

 サーブ&ボレーを進化させ、常に30位台をキープし安定感を見せつけているアレクサンダーの兄ミーシャ・ズべレフ。

 対するはNEXTGENファイナルで優勝し、高い守備力を武器にサーブも進化途中のチョン・ヒョン。体躯的にはアジア人の中では恵まれているだけに今後更に脅威となりえる選手です。

ティアフォー 対 デルポトロ

 昨年はアレクサンダー・ズべレフを破り、全米ではフェデラーをあと一歩まで追い詰めた若手の気鋭。

 デルポトロは昨シーズン終盤に怒涛の追い上げでファイナル進出にあと一歩まで迫りました。常に怪我との戦いですが、状態が安定すれば上位とも互角に争えるだけに若手の勢いに負けるわけにはいきません。

ジョコビッチ 対 ヤング

 昨年の不調、及び長い怪我からの復活を期すシーズンになるジョコビッチ。その最初の相手はホームランか三振の波のふり幅が激しいドナルド・ヤング選手です。

 相手がどのような状態であれ勝っていくことを求められるジョコビッチにとっては嫌な相手となりそうです。

クエリー 対 フェリシアーノ・ロペス

 ともにビックサーブが売りで早い攻めが得意な両選手の対決です。実力はクエリーがリードしているとはいえ、ロペス選手も今年36歳ながら元気な姿を見せており、競った試合が期待できるでしょう。 


 

 


テレビ放送

民放

NHK放送

 NHKでは注目試合、及び日本人選手の試合を中心にダイジェスト版で毎日深夜録画放送予定となっております。

 

CS系

WOWOW、WOWOWオンデマンド 

 グランドスラムの試合はWOWOWが放映権を握っており、日本人選手を中心に注目試合を放送する予定です。

 また、パソコンやタブレットなどでの3チャンネルのオンデマンド放送にも対応しています。

 また、全米オープンは1日目は無料で視聴が可能となっております。(1回戦ではなく、1日目だけが無料視聴となる事にご注意下さい) 

 1月15日の放送分のみ無料視聴可能という事になります

 

 


 

試合結果

 

1回戦 1日目

                                                                                      

杉田 対 ソック コート2 第4試合 14時開始予定

 昨年共に飛躍の年となった両選手は、昨年シンシナティーマスターズで対戦し、杉田選手がストレートで勝利し、通算成績を1勝0敗としております。また、ソック選手は西岡選手を苦手とするなど、日本人選手との相性の悪さが目に付きます。

 とは言え、実力的には間違いなく格上の選手です。ソック選手も昨年ファイナル進出し8位でシーズンを終えたものの、グランドスラム4大会で3勝に終わるなどケチが付く部分もあったため、今年はしっかりと勝って上位選手である所を見せたいと意気込んでいるはずです。

  1st 2nd 3rd 4th 5th result
杉田 祐一   3 
(8)ソック 1 6(4)   

1stセット

 杉田は髭をたくわえて臨む今回のグランドスラム。

 互いにフォアの打ち合いで杉田がブレーク合戦で先行すると、ラブゲームブレークで畳いかけ、最後はフォアショットでソックの逆を付き、わずか21分で一気に1stセットを6-1で奪取する。

2ndセット

 ソックのフォアがサイドアウトになり、このセットも杉田がブレークを先行させる。

 その後もサービスエースや足を止めてのダウンザラインのショットを決めるなど杉田は加速し、2ブレークアップで4-1と大きなリードを掴む。

 しかし、チャンスボールを力んでネットに掛けてブレークバックを許すと、杉田のライン際のショットが外れ、4-4のイーブンに持っていかれる。このセットはそのままタイブレークに。

 タイブレークはソックが前に出るプレイでポイントを0-3と先行される展開。しかしその後は杉田が強力なショットでイーブンに戻すと、ソックの鋭いサイドリターンに見事に反応し2つのセットポイントを握ると、ソックのリターンがネットにかかりながらラインを割り、杉田が2セットアップ。杉田はガッツポーズで気合を見せる。

 

3rdセット

 立ち上がり杉田の強気の攻めがサイドアウトとなり、ソックがいきなりのブレークを果たす。

 第10ゲーム、ソックとサービンフォーザセットで杉田は3つのブレークポイントを握ると、ソックのリターンが大きくアウトになり、5-5のイーブンとなる。

 第11ゲーム、杉田はダブルフォルトなどで2つのブレークポイントを握られると、ソックのバックハンドがライン際に決まり、そのままソックが1セットを奪い返す。

4thセット

 ソックは軸足が痛むのか気にする素振りを見せるも、いいショットが決まると雄叫びをあげるなど自分を鼓舞する場面が見られる。

 このセットは互いにキープが続き迎えた第7ゲーム、先にソックにブレークポイントを握られる。デュースから杉田はダブルフォルトなどで何度かピンチを迎えるもこれを凌ぎ切る。

 すると第8ゲーム。デュースから杉田が目を覚ますような強烈ショットを決めブレークポイントを掴むと、ソックがリターンを大きく打ち上げ、杉田がここでサービンフォーザマッチの権利を掴む。

 第9ゲーム、杉田のサービンフォーザマッチ。センターへのサービスエースを決めるも、サイドへの際どいショットがアウトになるなどし、デュースへ。そして最後はクロスの打ち合いから強烈な逆クロスを決め、杉田は地面に頭を付けて喜びをかみしめる。

 

杉田 ジャック・ソック
14 サービスエース 6
6 ダブルフォルト 7
61 1st IN(%) 62
74 1st ポイント(%) 68
60 2nd ポイント(%) 61
53 ウイナー 30
     
7/9 ブレーク 5/12

  スタッツを見ても杉田の堂々とした戦いぶりが光りました。サーブでソックを推し、ソックが揺さぶりをかけてもサイドへ強烈なショットを立て続けに決めるなど、ソックに反撃の機会を与えませんでした。何よりもプレイぶりで大きく観客を沸かせており、見ていても気持ちのよいプレイぶりは今後に期待せざるを得ません。

 杉田はこの勝利でトップ10からの初の勝利と共に、グランドスラム3大会連続で初戦突破となりました。強さにもい安定感が出てきており、今年も更なる上位進出が期待できる出だしとなりました。

 2回戦はストレート勝ちをしてきたビックサーバーのイボ・カルロビッチが相手となります。ランキングは下でも昨年まで20位常連の実力者であり、全く油断はできないでしょう。

 

                                                                                  

西岡 対 コールシュライバー コード5 第2試合 12時開始

 怪我明けで再起にかける西岡ですが、初戦から老練なシード選手との戦いとなります。どのようなテニスを見せるかに注目が集まりますが簡単な試合にはならないでしょう。

  1st 2nd 3rd 4th 5th result
西岡 6 6 3 
(27)コールシュライバー 2 

 開始から前に出る西岡は、ベースライン付近から安定したストロークを見せて1stセットを1ブレークアップで奪取する。

 しかし、2ndセットはコールシュライバーはネットプレイを多用する作戦に切り替えると、西岡のペースが崩れてあっさりと2ブレークアップを許し、1セットオールとなる。

 3rdセット、今度は開始から西岡がネットに出る積極的なプレイでラブゲームキープスタートを果たすと以降はコールシュライバーが若干集中力を欠いたプレイを見せ、西岡が一気に6ゲーム連取のベーグルで2-1セットとリードする。

 4thセット、このまま一気にいきたい西岡。しかし、疲れからかフォアショット精度が鈍ると、長いラリーでもコールシュライバーに押され、1ゲームしかキープできずに試合はファイナルセットへもつれ込む。

 ファイナルセットは西岡が4thセットよりも動きがよくなり、左右に振られても動じないで対応していくと、コールシュライバーが立て続けにネットにかけるなどし、一気に2ブレークアップする。最後はコールシュライバーのフォアスライスがサイドアウトになり、この瞬間に西岡は手で顔を覆い感極まった表情を見せる。

西岡 コールシュライバー
3 サービスエース 8
2 ダブルフォルト 4
72 1st IN(%) 55
62 1st ポイント(%) 78
43 2nd ポイント(%) 61
36 ウイナー 40
     
8/19 ブレーク 6/17

 経験豊富なコールシュライバーだけに流れを一気にもっていく事はできなかったものの、ファイナルセットでも機敏に動けた事は大きな自信となるでしょう。体力的な面で相当な準備をした事が伺えます。

 シード選手からのアップセットを生かし、本人が言及している通り、3回戦で実現するかもしれない日本人対決に向けて1日十分休養をして欲しい所です。

 2回戦の西岡選手の相手はセッピ選手との対戦となります。

 


1回戦  2日目 

デルポトロ 対 ティアフォー

 昨年は体調が整わず不参加のデルポトロが満を持して登場。

 爆発力を持ったティアフォーを相手にうまくパワーを往なす形で無難なストレート勝利を収めます。体力的にも十分に蓄えたまま次の戦いに挑めそうです。

 

 


2回戦  3日目 

                                                  

西岡 対 セッピ コート8 第1試合 9時開始

  1st 2nd 3rd 4th 5th result
西岡 1 3 4     0 
セッピ 6 6 6     3 

 復帰2大会目の西岡はグランドスラム3回戦出場をかけてベテランセッピとの対戦となりました。

 しかし、開始から西岡はショットにミスが目立ち、ほぼ一方的にセッピに攻め込まれてそのままセットを落とします。

 するとその後は度々ピンチに立たされてブレークを奪われる苦しい展開の中、打開策がなくストレート負けとなりました。

 とはいえ、体はまずまず動けておりしばらく5セットマッチもないため、プロテクトランキングを使って大会に出場していくうちに、昨年の水準に戻す期待は高まっています。

 

杉田 対 カルロビッチ コート8 第2試合 11;30時開始予定

  1st 2nd 3rd 4th 5th result
杉田 6(3)  5  6  10 2 
カルロビッチ 6(3)  7  4  12  3 

 1回戦、シード8のソック相手に内容も観客も魅了する圧倒的なパフォーマンスで勝利した杉田は、38歳ビックサーバーで大ベテランのカルロビッチとの対戦です。

 カルロビッチは現在78位と杉田より大分ランキングを落としていますが、昨年は大体20位当りに位置し、デビス杯決勝ではデルポトロと死闘を繰り広げたりと、サーブが調子がよい時はまずブレークを奪わせてくれません。杉田はどのような対策を練るでしょうか。

 

 試合に関しては、やはりブレークが取りにくい試合展開で序盤2セットはタイブレークでの決着で1セットオールとなります。

 第3セットも両者のサービスゲームが淡々の流れる中、最後に杉田選手のフォアの精度がおち、ダブルフォルトなどで2-1とセットカウントをリードされます。

 しかし、第4セット、やや疲れが見えるカルロビッチを背に更に動きの質を増す杉田が待望のブレークを奪い、2セットオールとなります。

 ファイナルセットは、杉田が快調にラブゲームキープを重ねる一方、カルロビッチのサービスでは杉田がヤマを張るリターンを見せるなどし、何度もブレークポイントを握るもののこれを生かす事ができないジリジリした展開となる。

 このセットはそのまま6-6までもつれ込み、2ゲーム差をつけた方が勝つサドンデスに突入する。

 延長に入っても、流れは杉田にあるように見えた第21ゲーム、杉田はサーブのミスやカルロビッチがここにきて力を振り絞るリターンなどでブレークを奪われると、カルロビッチの応戦に杉田のフォアハンドがミスショットとなり、痛いブレークを奪われる。

 カルロビッチはサービンフォーザマッチでも全く衰えないサーブで杉田を押し切り、フルセットの4時間37分の激戦の末、杉田は惜しくも2回戦敗退となりました。

 

 試合内容では決してひけを取っていませんでしたが、カルロビッチが10回中2回のブレークチャンスをものにしたのに対し、杉田は12回のチャンスがありながら1度のみしかブレークできませんでした。今日のカルロビッチは最高速でも199キロとスピードの数字自体は出ていませんでしたが、身長を生かした角度のあるサーブはやはり強烈でした。これまでのビックサーバーの対決は昨年のラオニッチが1ゲームでラオニッチが棄権し、ほとんどこの類の選手とは試合をしていませんでした。それでもしっかり対応したテニスを見せていました。

 課題があるとすればプレースタイルの狭さとなるでしょう。この試合ではドロップショットやロブショットは1本も披露していませんでした。揺さぶりがない直線的なテニスは魅力とは言え、相手の調子を崩す意味ではある程度取り入れていかないと上位進出が難しい位置までランキングを上げているとも言えます。

 とは言え、そういうプレイでスタイルを崩すよりは、このプレイスタイルでどこまでいけるかを見てみるのも十分に魅力があるとも感じます。本人次第となるでしょう。

 

 


 


3回戦  

 ここまで32人に絞られました。

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 Aブロックは大きなシードダウンがなく順当に選手が上がってきている印象です。シュワルツマン、カレーニョブスタの昨年飛躍した選手も元気です。

 大本命のナダルはメイヤーにストレート勝ちしているとは言え、攻撃的なテニスに対応した時にハードコードでは若干受けに周り体力を消耗している感じが見受けられます。しかし、このブロックではチリッチ戦も含めて問題なく駆け上がる可能性の方が高いでしょう。

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 このブロックは左側はシード選手が全て残ったのに対して、右側は1回戦の時点でシードが全て落ちています。西岡、杉田にもチャンスはあったものの老獪なベテラン選手勢を崩す事はできませんでした。

 ディミトロフは2回戦を辛くも勝ち上がり、キリオスが盤石の勝ち上がりで3回戦はシャポバロフを接戦の末に破ったツォンガとの好勝負が期待できそうです。

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 怪我明けのワウリンカが2回戦サンドグレンに成すすべなく敗れました。まだまだ実戦感覚が十分ではないという感じですが、ワウリンカが敗れるのはこんな感じではあります。

 その他は軒並み順当な勝ち上がりと見ます。

 ジョコビッチは勝ち上がっていますが安定感はさほどなく、勝ち上がるのは簡単ではないでしょう。

 逆に注意すべきはチョン・ヒョン選手です。1回戦は途中棄権とは言え圧倒し、2回戦も同世代のメドベデフを寄せ付けませんでした。そして3回戦ではアレクサンダー・ズべレフとの対戦です。昨年の対戦ではズべレフを苛つかせて勝利を収めておりますが、その時よりかなり成長が見られ非常に注目度が高い試合となります。この試合の勝者がこのブロックを抜けるとすら思っています

 また、土曜日という事もあり、じっくり観戦できそうなのも良いです。

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 ゴファンが2回戦でベネトーに敗れた以外は怪我明けのラオニッチの1回戦敗退も含めて大きな波乱はない印象です。

 3回戦ではひっそり勝ち上がる事に定評のあるベルディヒとデルポトロの戦いが注目されるでしょう。

 フェデラーはうまく試合ペースをコントロールし危なげない試合でファンを安心させています。

 

ディミトロフ 対 ルブレフ ロッドレーバーアレーナ 第3試合 13;00開始予定

  1st 2nd 3rd 4th 5th result
ディミトロフ 6 4 6 6    3
ルブレフ 3 6 4 4    1 

 昨年の全米ではディミトロフを逆転で破ったルブレフ。

 しかし春先に合わせるディミトロフは2ndセットを奪われるものの、比較的安定したテニスでルブレフを翻弄した勝利となりました。

 

キリオス 対 ツォンガ ロッドレーバーアレーナ 第4試合 17;00開始

  1st 2nd 3rd 4th 5th result
キリオス 7 4 7 7    3 
ツォンガ 6(5) 6 6(6) 6(5)   1 

 3回戦としてはもったいないカードとなったこの試合。

 互いのサーブがよく、お互いにチャンスがなかなか来ない展開で緊迫した試合となる。ほとんどのゲームでタイブレークになるものの、最後まで集中力を切らさなかったキリオスが僅差で押し切った格好となりました。

 地元の声援を大きく受け、4回戦はディミトロフとのこれまた好勝負が期待できます。 

                                    

チョン・ヒョン 対 ズべレフ

  1st 2nd 3rd 4th 5th result
チョン 5 7 2 6  6  3 
ズべレフ 7 6(3) 6 3  0  2 

 若手の中でも圧倒的な実力と人気を誇るスター選手候補のズべレフに対し、ネクストGENファイナル優勝し、着実に力をつけているチョンとの対決。

 1stセットから互いにショートポイントで終わらない戦いとなる。その中で終盤にピンチを迎えるズべレフはサーブのギアを1段上げ、218キロのサーブを連発しこれを凌ぐと、そのリターンゲームでチョンのサービスゲームを破りズべレフがセットを先行する。

 2ndセットでも互いに譲らないままタイブレークへ。タイブレークではポイントを先行されたチョンだが盛り返してタイブレークを制しセットオールとなる。

 3rdセットになるとズべレフが更にギアを上げてリターンスピードを上げるとチョンが大事な場面で連続でネットに掛けるシーンが目立つようになり、2ブレークを奪われる。このセットはそのままズべレフが取り、ズべレフが勝利に向けて前進しているように見受けられました。

 しかし、4thセットは序盤からズべレフがチョンのリターンに苦しみ、サーブでポイントが取れなくなる。すると、冷静に対応するチョンに対してミスがどんどん増える。

 長い試合となった事で証明がつくと、ズべレフはその証明がまぶしいと主審に再三消灯を要求するも受け入れられない。何度も口論するズべレフに観客がブーイングを浴びせる場面が出てくる。

 こうなるとメンタルがどんどん崩れてくるズべレフ。それを尻目にチョンは全くぶれないプレイで逆にミスを減らすと、チョンがブレークをし、セットオールとしてしまう。

 ファイナルセット。ズべレフは完全に集中を切らすとあっさりミスからブレークされ、その後も立て続けにブレークを奪われ、ラケットを投げ、更には叩きつけてへし折るといういつもの悪いズべレフ全快となる。

 試合はそのまま最後まで立て直せなかったズべレフを相手にチョンは全くペースがぶれない安定したストロークで対応し、ファイナルセットは6-0のベーグルでズべレフを圧倒し、グランドスラム初の4回戦進出と共に、初のトップ10選手の勝利を飾る。

 


 


4回戦  

 3回戦が終了し上位シードでは、4位ズべレフ、7位ゴファン、8位ソックの3人が落ちました。

 その他の上位選手は、チリッチ、ナダル、フェデラー、ディミトロフが順調な仕上がりを見せる中、ティエムは消耗し、ジョコビッチもまだまだ本調子とは言えません。

                                  

チョン・ヒョン 対 ジョコビッチ

  1st 2nd 3rd 4th 5th result
チョン 7 7 7     3 
ジョコビッチ 6(4) 5 6(3)     0 

 ズべレフを精神的に追い詰めて実力で上がって来たチョンヒョン。方や結果だけを見れば盤石の勝ち上がっているように見えるジョコビッチですが、プレイの強度やストロークの安定感は全盛期を知る物にとってはまだまだという印象がぬぐえないできです。

 

 1stセット、試合の入りからチョンはいつものように待つスタイルではなく、積極的に左右に揺さぶりをかけていく。この猛攻にジョコビッチは防戦一方になる。ジョコビッチも逆を突くショットを度々見せるもチョンが悉く食らいつきライン際にウイナーを量産し、あっという間に2ブレークアップとチョンがリードする。

 しかし、ここからジョコビッチは耐え忍ぶテニスで声を張り上げながら奮闘するとこの2つのブレークをバックする事に成功し、タイブレークへ。

 タイブレークではジョコビッチのらしくないミスなどもあり、チョンが冷静に対応し、1stセットをチョンヒョンが取る。

 

 セット間でジョコビッチはトレーナーを呼び痛そうな顔をし、足首や腰当りを気遣う様子がうかがえる。

 

 第2セットに入ると横に振られるたびにジョコビッチが悲鳴にもにた声を張り上げるなど痛々しい姿を見せる。このセットもプレイ強度が上がらないジョコビッチに対して冷静に対応するチョンがブレーク先行するも、ジョコビッチもバックハンド側の強度がないもののネットに出るなどの経験を生かした攻めでチョンヒョンを揺さぶりブレークバックに成功する。

 しかし、最後はチョンヒョンの粘りのテニスに屈し、チョンヒョンが2セットアップとなる。

 

 第3セットも流れはかわらず、チョンヒョン優勢で進む。ジョコビッチのフィジカルも限界近い状態にある事も見て取れ、会場もやや悲観した空気に包まれる。

 しかしここからトップ選手たるジョコビッチの精神力が発揮される。

 動かない足をひきずるように左右に強いショットを打つと、チョンヒョンの超反応のリターンにもネット際に落とすなど老練なプレイを見せチョンヒョンを揺さぶり、また1打事に声を張り上げて諦めない姿勢を最後まで見せる。

 尚もジョコビッチはチョンヒョンを揺さぶり幾度となくブレークポイントを掴む。しかし、そのたびにチョンヒョンは大外からの巻き込むウイナーを決めたり、届きそうもない深いリターンを柔軟な開脚でリターンして見せたりとブレークを許さない。

 このセットはそのままタイブレークに突入する。

 そのタイブレークはジョコビッチのミスもあり、3-0とチョンヒョンがリードする。しかしそこからジョコビッチがネットプレイを決めるなどし観客を煽り3-3のイーブンに持って行くと会場は大きな歓声に包まれる。

 しかしこれで崩れないのがチョン。ジョコビッチの会心の深いショットに体をよじれながらネットの深い位置にリターンを決めるとガッツポーズを見せ、観客を両手で煽る。

 最後はジョコビッチのリターンがサイドアウトとなり、チョンヒョンは感情を表に出す事なくゆっくりとセンターコートに向かうと、ジョコビッチが笑顔でチョンを出迎えコート上で労いの言葉を何度かかけると、チョンヒョンが照れ臭そうにほほ笑む。

 主審と握手した後はチョンヒョンはコート上に深々と膝と頭を下げる。

 

 韓国人という事もあり、何かと対立感情を持つ人もいるかとは思いますが、テニスプレイヤーとしてのチョン選手は本当に礼儀正しく、また、練習でも一切手を抜かないキマジメな青年という事ですが、この試合でもジョコビッチが万全でないという事から大きな喜びを見せる事なく配慮している当り、本当に今後の成長が末恐ろしく思います。

 今日のテニスができるならば好調時のジョコビッチにもそれなりに戦えることを示しています。

 持ち前の守備力だけでなく、守勢から一発で逆転する鋭い攻撃力も身についてきています。サーブはアジア人の中では強力な方であり今後もっと伸びるでしょう。同世代の西岡選手はどのように見ているのかも気になる所です。

 

 チョン選手の次の相手はワウリンカ、ティエムを破って来たテニス・サンドグレン選手となりました。共にノーシードながらグランドスラムベスト8進出となり、ノーシードからベスト4進出が既に確定しております。

 

 


QF(準々決勝) 

                    

ナダル 対 チリッチ

  1st 2nd 3rd 4th 5th result
ナダル 6 3 7 棄権 

チリッチ

3 6 6(5) 2 

 互いに順調に勝ち上がって来た両者の対決。

 ナダルは4回戦シュワルツマンの粘りの前に4時間近い熱戦を強いられて疲れが残っているかが気になる所です。

 

1st

 開始から互いにデュースが行きかう熱戦となるも、わずかのチャンスをナダルがものにしてセットを取る。

2nd

 第5ゲーム、チリッチは2回のダブルフォルトなどで先にブレークを許すもリターンゲーム、3度のデュースの末に華麗なリターンを決めブレークバックに成功すると、第8ゲームもナダルのリターンミスなどもあり連続ブレークし、セットオールとする。

3rd

 第7ゲームのナダルのサービスゲームでチリッチがしぶとく食い下がり長いゲームとなるもこれをキープし、タイブレークまで持って行く。

 タイブレークは互いのサーブでキープができない状況が続くも、チリッチのチャンスリターンがミスになるとそのままナダルが押し切ってセットカウントをリードする。

4th

 第3ゲームのチリッチのサービス。チリッチはダブルフォルトなどで2度のデュースになるもののこれをキープすると、第4ゲームでナダルのサービスゲームを破り先行ブレークを果たす。

 第5ゲームをチリッチが簡単にキープした直後、ナダルがテクニカルタイムアウトを取る。股関節に痛みがあるのか入念なマッサージを受ける。更には4粒程痛み止めの薬も飲む。

 その後試合に復帰したナダルは、サーブこそ強度を持って打てるものの、左右の動きが極端になくなると、そのままチリッチがブレークし、セットオールとなる。

ファイナルセット

 チリッチのサービスで始まったこのセットはナダルがチリッチのサーブに全く反応できない。

 第2ゲームのナダルのサービスではしつこくチリッチに食い下がり幾度もデュースになるも、最後はチリッチのフォアリターンが炸裂しブレークされる。

 するとここでナダルは自ら主審にリタイアの意思を告げ試合は終了しました。

 

 互いに良いプレイとミスがいりまじるもトップ選手の対決らしい素晴らしい試合でした。しかしナダルの股関節の痛みはすぐに治まるかもわからず今後に不安を残す結果になりました。

 一方のチリッチはフルセットとはいえ気鋭は充実しております。今年は年初の不調もなく順調に仕上げており、上位勢に怪我があればひょっとしたらランキングの頂点を狙えるかもしれない程順調に進む可能性もあります。

        

チョン 対 サンドグレン

  1st 2nd 3rd 4th 5th result
チョン 6 7 6     3

サンドグレン

4 6(5) 3     0

 共にノーシードから上がって来た番狂わせを演じている2人の対戦です。

 サンドグレンは2回戦でワウリンカ、4回戦でティエムとの激闘を制してきました。

 対するチョンは3回戦でアレクサンダー・ズべレフに逆転勝ちし、ジョコビッチに完勝しました。

 

 

1st

 序盤から勢いを見せるサンドグレンに対してチョンは冷静にミスの少ないテニスで対応していく。

 すると第3ゲームのサンドグレンのサービス。ダブルフォルトなどで3つのブレークポイントを与えると、撃ち合いからのフォアショットがアウトとなり、チョンが先行ブレークを果たす。

 その後はチョンが楽にキープするのに対して、サンドグレンは度々デュースになるなど押し込まれ、そのまま1stセットはチョンが先取します。

2nd

 チョンは更にサンドグレンを追い込む。粗いプレイのサンドグレンにしぶとくラリーを展開すると第1ゲームをいきなりブレークする。

 このまま押し切りかねないと思われた第4ゲーム、チョンのサービス。サンドグレンはやや落ち着きを取り戻し左右への揺さぶりにもしっかり対応していくとチョンヒョンのリターンがアウトになるなどし、ブレークバックに成功する。

 更に第8ゲーム、チョンがややリターンの精度を欠くと、サンドグレンがコーナー一杯に素晴らしいリターンを決めブレーク先行する。

 第9ゲーム、サンドグレンのサービンフォーザセット。いきなりサービスエースを見せるも、ダブルフォルトを喫するなどやや硬さが出てくる。長いラリーも粘る事ができず土壇場でチョンにブレークバックを許す。

 このセットはタイブレークに突入。互いにミニブレークをしあう展開もほぼイーブンで進むものの、6-5からサンドグレンのリターンがアウトになり、チョンが2セットアップとなる。チョンは両手で観客を大いに煽る。

3rd

 

 第3ゲーム、チョンのサービス。ピンチがあったチョンだが粘り強い対応でこれを凌ぎ切ると、第4ゲーム、このゲームもデュースとなり互いの5度に及ぶネット前での攻防など見所があったものの、サンドグレンが勝負を焦り、粘ったチョンが大きなブレーク先行を取る。

 迎えた第9ゲーム、チョンのサービンフォーザマッチ。チョンの攻勢が続きあっという間に40-0と3つのマッチポイントを握る。しかし、ここからチョンの勝負を焦るクロスリターンが連続でアウトになり、更にサングレンはアウト覚悟の強烈なリターンでデュースに持ち込む。その後は互いに素晴らしいネット際やクロスリターン、更には中央でのスライスの打ち合いなど見所のある場面で攻め合う。

 そして、最後はサンドグレンのリターンがバックアウトとなり、チョンは静かに胸を叩き喜びをかみしめると、互いにネット前で肩を叩き合いながら健闘を称えます。

 

 試合を通してチョンヒョンのプレイは安定しており、一発逆転を狙うサンドグレンを最後まで寄せ付けませんでした。ジョコビッチ戦と違い最後は焦りが出ましたが、落ち着きと守備力に加えてネットに出て相手を威嚇する戦術も身に付きつつあり隙がなくなりつつあります。

 サンドグレンも最終ゲームはあっさり終わりそうな所を最後まで粘り11分の白熱したゲームでファンを魅了しました。敗れたとはいえ、全豪初参加でのベスト8は望外の結果であり、今後ATPツアーストレート参加も可能になる順位まで上げる事になります。今後より勝ち上がりが求められるようになるでしょう。

 チョンのSFの相手はフェデラー対ベルディヒの勝者となります。どちらが来ても恐れるものは何もありません。

 

フェデラー 対 ベルディヒ

  1st 2nd 3rd 4th 5th result
フェデラー    

ベルディヒ

6(1)     

 昨年のウインブルドンSFで対決した両者。この時はフェデラーがストレート勝ちするも試合内容ではベルディヒも全く引けを取らない素晴らしい内容でした。

 

1stセット

 サービスエースなどで好調な出だしを見せるベルディヒに対し、フェデラーはリターンの感覚が悪くネットにかけるなどしてピンチを迎えると、得意のバックハンドショットをミスし、早くもブレークを許す。

 以降もベルディヒは安定したプレーぶりで一気にサービンフォーザセットを迎える。

 このゲームでフェデラーはベルディヒの微妙なサーブにチャレンジを使うもホークアイの映像がモニターに移されず、主審にはサーブインのジャッジをされるとフェデラーが珍しく主審に詰め寄り長い抗議を行う。

 しかし、これで吹っ切れたのかその後は強いリターンでベルディヒに食い下がる。ベルディヒも何度かセットポイントを握るも強度を増したフェデラーにラリーで押され、土壇場でブレークバックを許す。

 このセットはそのままタイブレークへ。

 タイブレークになるとフェデラーが隙のなさを見せて圧倒的に支配し、7-1でこのセットを大逆転で奪う。

2ndセット

 第3ゲーム、フェデラーのサービス。互いに良いショットが飛び出しデュース合戦になるも、フェデラーが凌ぎ切る。

 第8ゲーム、ベルディヒのショットがアウトとなりフェデラーが2つのブレークポイントを握ると、ベルディヒのショットをバックハンドで強烈に弾き返し終盤での貴重なブレークを奪い、そのままフェデラーが2セットアップとなる。

3rdセット

 第3ゲーム、ベルディヒのサービスゲーム。激しい攻防となったこのゲームをフェデラーがブレークするも、リターンゲームでベルディヒが意地のブレークバック。

 しかし第5ゲーム、ベルディヒの巻き返しを許さないフェデラーの深いリターンが決まり再びブレークを先行させると、第10ゲームのサービンフォーザマッチでラブゲームでこの試合を締めくくる。

 

 立ち上がりがやや不安定だったフェデラーですが、主審に詰め寄った当りから開き直りが見て取れプレイ強度が増しました。昨年の全仏オープンでの錦織対マレー戦でのマレーを彷彿とさせる回復ぶりでした。

 その後は厳しく早い攻めでベルディヒに反撃の機会を作らせませんでした。

 ベルディヒの攻めも悪くなく、ボディーを狙ったリターンやあまり使わないドロップショットなどを使いフェデラーを揺さぶってはいましたが、フェデラーが回復前に1stセットを取れていれば・・と悔やまれる部分です。

 

 フェデラーはSFでチョン・ヒョンとの対戦となりました。これまで上位選手を次々と破って来たチョン選手がフェデラーにどのようなテニスを見せるかが注目されます。

 

 

 


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