Aズべレフ フェレーロとの関係に終止符
前途ある若者アレクサンダー・ズべレフが、アカプルコオープンの準決勝の記者会見中に、コーチであるフェレーロとの決別を報告しました。
うまくいっていた関係に何が・・
フェレーロとのコーチ契約を結んだのは昨年中頃北米シーズンが始まる前となります。そこからはズべレフは自信をどんどんつけていき、北米シーズンではマスターズを含めて2タイトルを含む10連勝を達成。特にそれまで出た大会でほぼ優勝を飾っていたフェデラーを完膚なきまでに叩きのめす勝利でした。
しかし、全米オープンでは同世代のチョリッチに苦杯を舐めると、そこからは目立った活躍ができず現在に至っています。
現在ランキング5位に位置するものの、その多くはシーズン中盤までに稼いだポイントであり、今後は現在のような成績に終始するのであればトップ10維持も難しくなるでしょう。
そして何よりも、負けた試合で必ずといっていい程ラケットを破壊します。ただ投げるだけでなく完全にぐしゃぐしゃに破壊するのです。これは見ていてもそれ程いい気分にはなりません。
それが原因かどうかはわかりませんが、互いにはいい分があるようです。
ズべレフの言い分 チームへのリスペクトが欠けていた
フェレーロは最初から最後までよくやってくれていたと思う。しかし、彼はチームをリスペクトしなかった。礼に欠けていたと思うよ。うまくいってる時はそれでもいいのだが、現状を考えれば関係を解消するしか方法はないと考えたんだよ。
また、噂されるボリス・ベッカーの入閣はないよ。彼はドイツテニス界のために働いているしね。
フェレーロは抜けたけどそれだけの事さ。チームには他に変更はないよ。
ここでいう「チーム」という表現は、ズべレフ一家に対する表現と見ていいでしょう。ズべレフは基本的には兄も含めて一族がコーチ陣を務めています。その中にフェレーロが入閣していた格好です。
フェレーロがどのように礼を欠いたかは定かではありませんが、チームとしての方針に異論を唱えた事は想像に難くないでしょう。その結果関係が終了したと言えるでしょう。
フェレーロの言い分 謙虚になるべきだ
ズべレフに言える事があるとすれば、もっとチームに敬意を払うべきだ、、という事だろうね。練習に遅刻を繰り返すのはよくないよ。それと試合では自制心を持って挑むべきだろうね。
彼は最初は自分の言う事に頷き敬意を持って接していたんだよ。でも、結果が出て自信がつくようになると私の指導に疑問を持つようになったのかもしれないね。
フェレーロの言う「チーム」は恐らくは一族に対してではないはずです。私を含めたコーチ陣という意味でしょう。ズべレフは練習によく遅刻していた模様です。しかし、それを父親であるコーチは黙認でもしていたのでしょうか。
あとは自制心に関してはその言葉通りでしょう。フェレーロにとっては負ける試合で必ずといっていい程見せるラケット破壊はやはり快く思っていなかった様子です。
現状他のコーチ陣を迎えるのは至難
一族で固められている雰囲気やフェレーロがうまくいかなかった事を見ても、例え新たなコーチを迎え入れたとしても、うまくいく可能性は高くないと言えるでしょう。
そして、ズべレフがこのまま自制心を抑えられないキャラでいくのならファンの支持は掴みにくくなる可能性はあるでしょう。
そして、そのアカプルコオープンの準決勝では老練なデルポトロのスライスに苦しめられ何度もラケットに当り、やはりというか、ラケットを破壊して敗れていきました。
うまくいかない時の制御の仕方は昨年の芝のゲリーウエバーオープンでは見事にできていただけに、この1年で退化してしまったように思います。
彼を制御するコーチは現れるのでしょうか・・・。