2018 ATP1000 3回戦 錦織対デルポトロ マイアミオープン
共に苦戦の末に勝ち上がった同世代同士の戦い、錦織対デルポトロ
度重なる怪我から復活し、去年の後半からはしぶとさと強いショットを織り交ぜてフェデラーと好勝負を繰り広げ上位の砦として君臨するデルポトロ。
方や怪我からの復帰途中であり、長引く風邪の影響もあり、まだまだ本来の動きができない錦織。
この試合はデルポトロは13連勝がかかり、錦織はトップ選手とどれ程やれるかが試される試合となります。
1stセット
第1ゲーム、錦織のサーブ。錦織のサーブの立ち上がりがよく、サーブの威力でデルポトロを押し込むなどラブゲームキープを果たす。
第2ゲーム、デルポトロのサービス。デルポトロの200キロを超えるサーブに力強いリターンで応戦しデルポトロを追い詰めいきなりのブレークポイントを握るも、デルポトロもセンターへのサービスエースなどでこれを凌ぐ。
第5ゲーム、しぶとくデルポトロを攻める錦織だが、スライスショットを外し2つのブレークポイントを握られる。ここをサービスからの組み立てで凌ぐも、デルポトロのドロップショットで3度目のブレークポイントを握られる。だが今日の錦織は一味違い、ここも強打を繰り出しデルポトロを揺さぶり、最後はネットに出てのボレーでこれも凌ぐ。更には錦織の強いサーブにデルポトロがフレームショットでミスをするとデルポトロが珍しくラケットを叩きつけようとするシーンも。
ここから錦織は攻めを見せるも前に出た所をデルポトロにボディーを狙われ4度目のブレークポイントを握られる。すると、錦織のリターンがネットにかかり、ついにブレークを許す展開となる。
第7ゲーム、デルポトロの深いロブショットに鋭い背面リターンで対応するも及ばずブレークポイントを握られる。すると、長いラリーからデルポトロのフォアストレートが炸裂し、2つ目のブレークを取られ、このセットはそのまま6-2でセットダウンする。
2ndセット
第1ゲーム、錦織のサービス。錦織の強打がことごとく外れ3つのブレークポイントを握られる。錦織はデルポトロを揺さぶり前に出るも、ボレーがネットにかかり先行ブレークを許す。
第2ゲーム、錦織は果敢に前に出て鋭いリターンでポイント先行するも、デルポトロが不利な態勢から強烈なバックハンドショットで抜きキープする。
第5ゲーム、錦織はダブルフォルトを犯し3つのブレークポイントを握られる。するとデルポトロのリターンが浅くなったチャンスボールに力みリターンをネットに掛けて2ブレークを許す展開となる。
第7ゲーム、錦織はやや集中力を切らしリターンをネットに掛けると、更にデルポトロの強烈なフォアクロスを喰らい2つのマッチポイントを握られるもこれを凌ぐ。その後は長いデュースでデルポトロの強打に4度のマッチポイントを握られるも、サービスエースや絶妙なロブショットなどで何とかキープに成功する。
第8ゲーム、デルポトロのサービンフォーザマッチ。デルポトロのワイドサーブが決まり5度目のマッチポイント。最後はデルポトロのサーブに錦織のリターンがネットを超えず、デルポトロが13連勝に連勝記録を伸ばします。
スタッツ さほどの悲観性は無し
スタッツを見ると正に完敗と言えますし、試合内容も完敗とは思います。
ただ、錦織のエラーは2nd以降やや集中力を切らして増えてしまった所もあり、デルポトロのサーブやストロークに成すすべなくやられたという感じではありませんでした。強いフォアにもカウンターで強烈なリターンも何度か見せてました。またサーブにもしつこく食らいついていました。ただ、ここぞの場面でのショットの精度はまだまだ試合勘が戻っていない部分を見せてしまったという感じです。
また、前に出て強いライン際のショットも見せ、かつデルポトロのバック狙いというわけでなく、フォアで強打を打たせながらもしっかりラリーも出来ていました。このスタイルでは流石に勝てないでしょうが、ある意味割り切った戦い方をしたとも思います。
試合展開は惜しくはなかったですが、少なくともツアーレベルには戻りつつあると感じる試合ではありました。今後のクレーシーズンに向けてどのような調整をするのかに期待すべきでしょう。
勝ったデルポトロは割と疲れを見せず勝ち上がり、フェデラーがいない今となってはファンの声援を最も集める選手としても負けられない戦いが続きます。