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2018 ATP250 ダニエル太郎がツアー初優勝を達成 イスタンブールオープン

 

 クレーシーズンコート、日本人選手がここ数シーズンは錦織選手以外にも活躍が目立ってきている中、25歳のダニエル太郎がついにATPツアー初優勝の快挙を達成しました。

 

エストリルからイスタンブールへ参加大会を変更

 当初は同週に行われるエストリルオープンに参加予定であったダニエル太郎は、イスタンブールにもエントリーをしていました。

 ランキングが114位という事でどちらも予選でのエントリーとなったのだが、4月中旬にイスタンブールで本選から出場できる見込みの知らせが届き、既に準備をしていたエストリルからイスタンブールに移動して大会を迎えました。

 

 

際どい試合内容を勝ち抜く

 ダニエル太郎選手は現在114位でストレート出場ながらも1回戦からの登場となりました。

 1,2回戦は後方のラインから粘り強いストロークで相手のミスを誘い共にストレート勝ちをしてきました。

 3回戦のブラジルのシルバ戦は互いに1-6、6-1でセットを取り合ったファイナルセットでデトラシルバの丁寧なプレイにダニエルがミスを連発し、2ブレイクダウンの0-4ともはやこれまでの所まで追いつめられました。しかし、そこからダニエル太郎はあきらめずにしぶとくラリーを展開し、最後はシルバが根負けし苦笑いの中でダニエル太郎が6ゲーム連取で一気に大逆転勝利を収め、この時点で、ATPツアー初の準決勝SF進出を果たしました

 

ストローク強度格上の選手とのSF,F

 準決勝は錦織選手とよく対戦しているイメージのあるフランスのシャルディー。

 ストロークスピードがダニエル太郎より早い選手ですがミスも多く、ダニエルが1stセットを取ります。

 しかし2ndセットはプレイ面で押されてセットを奪われると、ファイナルセットは終盤まで息を付けない展開となります。

 第9ゲーム何度かピンチを迎えたもののしぶといプレイで何とかキープで凌ぐと、第10ゲームにシャルディーのサイドへのショットミスなどによりダニエル太郎がついにATPツアーの初決勝に上り詰めました

 

凌ぎに凌ぐ展開

 ファイナルの対戦相手は78位、チュニジアのジャジリとなります。ジャジリもATPツアー初の決勝進出で、どちらも勝てばATPツアー初優勝となる試合となりました。

 試合は立ち上がりからダニエル太郎は相手の力強いストロークに押され気味に展開します。序盤はダニエルのサービスゲームで3ゲーム連続デュース及びブレークポイントを握られる展開になるも、これをミスの少ないストロークで粘りキープします。

 しかし、攻勢を弱めないジャジリは第9ゲームもブレークポイントを掴むと、ダニエル太郎の攻めたショットがバックアウトとなり、ついにブレークを許してしまいます。

 第10ゲーム、ジャジリのサービンフォーザセット。ここでポイントを先行させるダニエル。更には主審のラヒアニにサーブ時の時間が長いと警告を受けて苛立つジャジリ。ジャジリはやや強気すぎるショットにより、このゲームを落とし、このセットはタイブレークに持ち込む。

 タイブレークでもイライラが表情から見て取れるジャジリはきわどいショットを強打でアウトにしてしまうなどし、ダニエルに2つのセットポイントが来る。最後はダニエル太郎が粘ってジャジリのミスを誘い、ダニエル太郎が展開的には逆転の形でセットを取る

 2ndセットはダニエル太郎が落ち着いたプレイを見せる中、ジャジリは1stセットを引きずった形でエラーが多い試合展開に。すると第5ゲーム、ダニエル太郎は体力を温存していたかのように攻めのテニスを展開すると、ジャジリがミスを重ねダニエルがブレークを先行させる。

 第9ゲーム、ダニエルの5-3で迎えたジャジリのサービスゲーム。ダニエルはネットに出るなど勝負をかけて2つのチャンピオンシップポイントを握るも、ジャジリも必死に左右に振るストロークで土俵際でのキープを見せる。

 第10ゲーム、ダニエルのサービンフォーザチャンピオンシップ。ここに来てサーブの威力が増すダニエルが早々にポイントをリードする。その後のポイントではオーバーザルールでリプレイポイントになる不運があったものの、最後はジャジリを左右に振り、バックハンドのダウザラインショットを華麗に決め、苦戦続きの中、7-6、6-4のスコアで、ついにダニエル太郎が偉業を達成しました

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 勝利の瞬間顔を覆いながらも、思いのほか冷静な表情に戻り、ジャジリと悪手を交わし、審判との握手を交わす。

 ダニエル太郎がストレートで勝ったにもかかわらず、トータルポイントは、ダニエルが90-80という事で、いかにデュースが多く厳しい試合だったかがわかります。

 

 ダニエル太郎の試合を5試合見た感じでは、190cm 76kgと恵まれた体躯の割には線が細く、チャンスボールが来ても力強いリターンに難がある印象ですが、以前のように集中力を切らし雑なプレイはほとんど見られなくなりました。

 おそらくですがインディアンウエールズでジョコビッチに勝利した事により自分の中で自信がついた事も大きいでしょう。ストロークに関していえばミスはほとんどない安定したものでしたが、勝負所で決めに行きたいショットの精度は高いとは言えませんでした。

 

去年の杉田に続きダニエルの優勝、次は・・

 錦織選手が出てきて彼の活躍が当たり前のように刷り込まれていましたが、昨年の杉田に続き、今年はダニエル太郎と異なる選手が続々とATPツアーを優勝するという日本テニス界にとってはかなり良い風が吹いているシーズンとなっています。

 これに続くのは、怪我明けの西岡選手が最右翼に上げられますが、積極的にチャンレジャーの大会に参加し続けている高橋選手も今後出てくる可能性を秘めています。

 ダニエル太郎はこれで114位から自己最高の85を更新する82位になる事が濃厚となりました。この優勝は大きく、全仏やウインブルドン、全米当りまでに大会ストレート出場の可能性が高くなってきました。

 次のマドリードには出場しませんが、今後ストロークで強いショットがもっと打てるようになれば、現在の杉田選手の近くまで行く可能性はあるように感じます。恵まれた体を生かし、またサーブ力も他の日本人選手よりはあるので、もっと上を目指して頑張っていってほしい所です。

 

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