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2018 ATP1000 SF準決勝 ジョコビッチ 対 ナダル 22時開始 イタリア国際

 QFで行われたジョコビッチ対錦織は、序盤の錦織の好調ぶりを凌ぎ切ったジョコビッチが技ありの勝利を収めました。

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ジョコビッチ目線の振り返り

 錦織視点はこちら⇒2018 ATP1000 QF準々決勝 錦織 対 ジョコビッチ 惜しくもフルセットで敗れる イタリア国際

 ジョコビッチ視点からすれば、コールシュライバーに完勝していたのは既に見ていて知っていた事から、前回とは違い第1ゲームから力を入れたショットと抑える部分を織り交ぜで質の高いラリーを展開します。しかし、それでも錦織の勢いが衰えません。とりわけ1stセットは1stサービスが要所で決まり、1度もブレークを奪う事ができませんでした。最後の第8ゲームでは少しメンタル的にも落ちてしまった印象すらありました。

 第2セットに入っても先にブレークポイントを握られる展開も、バックハンドの強打で振り回し始めると流れは変わります。1つブレークを奪った後は、バックハンドのリターンで錦織の態勢を何度も崩し、結局第2ゲームの錦織の3つのサービスゲームを全てブレークする事に成功します。また、サーブの感触を確かめるために、セカンドサービスでもダブル1stサーブをするなどし、ブレークを1つ返されても表情には余裕が見えました。

 ファイナルセットになってもジョコビッチ優勢で進むも、今シーズンのファイナルセットでの勝率が0勝4敗が示すように、体力的に厳しいのかエラーが連発してくると、錦第3ゲーム、特に何もない所からトイレットブレークし、ネジをまき直しに掛る。徐々に錦織がジョコビッチのサーブにショートポイントで対応しきれなくなると、ジョコビッチは更に攻勢を掛けていきます。そのプレッシャーからか錦織は1stサーブを厳しく行き過ぎて入らなくなります。最終的には60%台だったものの大事な所でほとんど入りませんでした。そしてそこをジョコビッチは逃しません。

 結局ファイナルセットも3つのブレークを奪い、試合展開には競っていたように見えても内容は完勝と言ってもよかった出来ではないでしょうか。2ndサーブ叩き、バックハンド狙いでのヤマを貼る鋭いショット等は、錦織のやられたくないという所を見事についており、頭を使った勝利に見えました。またそういう攻めをしていたからこそ錦織の1stサーブは狂いました。

 

ジョコビッチの真の意味での現在地を確認する試合

 SFの相手はクレーキングのナダルです。ナダルはQFで地元選手のフォニーニの奇想天外なプレイに惑わされ1stセットを落としてしまいますが、そこからは粘りと強度、それとフォニーニのフィジカルに異常が出たところをついて左右に振りまくり、2nd、ファイナルセットは押し切りました。

 ローマでのナダルは、マドリードでティエムに連続セット記録及び連勝記録を破られた後の大会とあって入りに注目が集まりましたが、その初戦からいきなり力を振り絞るプレイが目立ちました。特に3回戦のシャポバロフ戦はシャポバロフの攻撃的なテニスを全て受け止めると、2ndセットはシャポバロフのメンタルを完全に折るような圧巻のテニスを見せました。

 フォニーニは元々読めない選手という事と地元選手という事もあり、中盤もたついた所はあったにせよ、危機感を覚えるや否やギアを上げてしっかり勝利しております。

 

 対するジョコビッチは、錦織戦では試合中に若干落ちた時でも自分を鼓舞する姿を見せ、しっかりと立て直してフルセットでの連敗記録もストップさせ、気分的にはかなりいい状態で望めます。そして相手はクレーキングです。

 現在尻上がりに見えるジョコビッチの調子は本当に上がってきているのかを確認する意味ではこれ以上の強度の相手はいないでしょう。

 

 試合的にはナダルが有利という見方に疑いはないですが、試合中に考えて対応するジョコビッチが見れるならば、面白い試合展開も予想されます。

 

 試合は5月19日(土)の日本時間22時頃開始です。

 

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