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2018 グランドスラム 西岡の苦悩 1回戦 西岡 対 ベルダスコ

 2017年の年初にツアーの常連レベルの選手を次々と倒し、NEXT錦織に向けての頭角を現し始めた直後のマイアミマスターズのソック戦で悶え苦しむ西岡。

 左膝前十字靭帯断裂であった。

 術後に痛みのために苦しんだ西岡は、しかしその後はYOUTUBEやテニス解説などを通じて外からテニスを眺める。

 そしてリハビリ期間に入ると懸命な努力の結果、今年の全豪オープンにエントリーできるまで回復。

 そしてその全豪オープンではシード選手のベテラン、コールシュライバーに勝利するという復活劇を見せた。

 しかし、ランキングはその間無常にも400位台まで落ち、PRを使えない場合はチャレンジャーの予選からの出場を強いられた西岡。

 チャレンジャー大会で優勝はするものの、予選で敗れる事もあり、なかなかモチベーションが上がっていかないと本人も苦悩を漏らす。

 「早くあの舞台に戻りたい・・・」

 その舞台である全仏オープン。彼は復帰から9か月の限られたPR(プロテクトランキング)を有効に使いこの場に戻ってくる。

 

 1stセットは互いに慎重に入るも、ショット正確性に欠くベルダスコに対してしっかりと逆クロスなどで反応し、西岡がブレークを守り切る形で1stセットを取る。

 2ndセットになるとベルダスコは更に強度の強いショットで西岡の足を止めるようなウイナーを連発する。3rdセットも同じような流れで格の違いを見せつけられる試合展開となる。

 4thセットも西岡は2ndサーブを叩かれるなどベルダスコに押され先行ブレークを許す。しかし、ここから粘りのプレイで食らいつく西岡、これに対してベルダスコは土に足を取られて転倒し、足をテーピングで巻くなどの場面が見られる。この機を逃さない西岡はベルダスコが勝負を焦るのを利用し逆を突くショットを決めブレークバックに成功し、耐えるテニスでこの長いゲームをタイブレークの末に制し、2セットオールとなる。

 迎えたファイナルセットは共に体がきつそうな中、ベルダスコの強打にミスが連発しブレークに成功する。しかし、西岡は体が更にきつくなり座って休む事もできなくなる。すると、ベルダスコのサーブに反応できなくなりブレークを先行される事となる。

 迎えた第12ゲーム、ベルダスコのサービンフォーザマッチ。動かない体を必死に動かす西岡は、しかしマッチポイントを握られると、ベルダスコのサーブに反応できず、4時間42分の戦いに終止符が打たれました。

 

 試合終了と同時に西岡はネットに行こうとするも体がもはや言う事をきかない。

 すると、ベルダスコがネットを跨いで西岡に歩み寄り労をねぎらう。

 西岡の退場の際には一人で帰る事ができずトレーナーを肩を借りて退場するも、その際もベルダスコは西岡に声をかけるという場面も。

 

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残るPRの使いどころ 

 

 惜しい戦いでしたし、実力的にはベルダスコが上回っている中で勝機を探り、勝ちにどん欲な所を最後まで見せつけていました。

 実力的にはしっかりと上位とも戦える事は、全豪のコールシュライバー戦を見ても明らかです。

 しかしながら、その実力がありながらチャレンジャー大会で今シーズンまだ1勝という所から見ても体が完全に戻り切ってはおらず、またモチベーションを保つのにも苦労している印象はあります。

 西岡の場合は相手のテニスをよく見て勝機を探るスタイルで、自らの強烈な武器というのが存在しません。そしてそれが下位大会では勝ち進めない原因にもなっていると感じます。昨日錦織と再戦したジャンビエみたな選手がゴロゴロいる下位大会は相手の特徴を見るよりも自分の特徴を生かす選手が多く、それがため、西岡の読みもハマっていきません。

 

 ここからは現実的な問題として、ランキングは今回の全仏オープンでも10ポイントの獲得にとどまりほとんど変化しません。従ってチャレンジャーの予選周りが今後も続きます。

 残るプロテクトランキングの回数は2回となります。ランキング上昇を望むのであればATP250当りでトップシードのいない大会に出るのも手ですが、恐らくあとの2回はハードコートで使用するのではないでしょうか。ウインブルドンも考えられますが、芝のプレイはまだ今の西岡にはハードルが高いと見ます。

 復帰から9か月と考えると、シンシナティーかモントリオールのマスターズか全米オープンという事になるでしょう。そして10月の楽天ではWCを貰えるでしょう。この3大会までにはチャレンジャーで地道にポイントを重ねるしかありません。

 

 今回痙攣をおこしたとは言え、その翌々日の杉田とのダブルスでは問題なく動けており、怪我の悪化の心配はなく、後は西岡の奮起次第となるでしょう。

 難しいモチベーションでの戦いが続きますが、ある意味焦りよりも開き直りが必要な時期に来てると言えるでしょう。

 

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