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2018 全仏オープン 2回戦 錦織 対 ペール

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 5月30日(水)、錦織の2回戦が行われます。

 コート センターコート:フィリップシャトリエ

 試合割 第3試合

 

 日本時間の18時から始まる試合を考慮すると22;30以降のスタートとなる可能性が最も高いと思われます。

 クレイコートは他のコートよりサーブの威力が半減し、ラリーが続くため試合が長くなる傾向にあるのが理由です。

 

過去の対戦成績

 

 過去の対戦成績は錦織の3勝2敗ですが、今年、昨年は対戦がありませんでした。

 対戦相手のペールは試合中にフラストレーションをためやすい選手で審判や自分に当たり散らしたり、暴言や小言を言う特徴があります。またそれでいてプレイ精度は思いのほか高いのも特徴で、特に大体の選手が得意でないバックハンドの精度が非常に良いです。

 

 錦織選手は相手の特徴を見てのテニスを披露しますが、ペールに対しては正攻法であまりバック狙いの攻めはしないものと思われます。

 また、ペールは地元フランス出身という事、更にはセンターコートでの試合という事もあり、完全アウエーの中の試合が予想されます。その中で錦織はどのようにメンタルを整えながら戦うかにも注目したい所です。

 

1stセット

 第1ゲーム、ペールのサービス。ペールの出だしがよく簡単にキープする。

 第2ゲーム、錦織のサービス、錦織も負けじとペールに得意のバックハンドショットを打たせながらも負けない強度のリターンでこれに対応し、キープする。

 第5ゲーム、ここまでサービスゲームでポイントを与えていないペールだが、錦織のバックハンドショットが決まると、ペールのリターンがネットにかかり2つのブレークポイントが来る。しかし、ライン際に決めに行ったショットが僅かにアウトになるなどし、ペールがキープする。

 第7ゲーム、錦織はラインの上下にポイント毎に位置を変えてペールに的を絞らせない。更にはペールが優勢な所からフォアショットをネットにかけ2つのブレークポイントを掴む。すると錦織のフォアクロスにペールのバックハンドリターンがネットにかかり錦織が先行ブレークに成功する

 第8ゲーム、錦織は引き続きフォアを意識させながらのバックハンドショットで勝負を優勢に進める。さらには2ndでもいつもよりもスピードのあるサーブで攻め、ラブゲームキープする。

 第9ゲーム、錦織の攻めにペールのリターンがやや雑になり、錦織があっさりブレークし、ゲームカウント6-3で錦織が1stセットを取る

 

2ndセット

  第1ゲーム、錦織のサービス。この試合初めての錦織のサービスゲームでデュースになり、その後もアドバンテージを生かせないでいると、ブレークポイントを握られる。するとラリーからのペールのフォアのショットが鋭くライン際に決まり、ペールがいきなりのブレークとなる

 第2ゲーム、互いに攻めのショットで応酬するも、ペールのフォアリターンがネットにかかり、今度は錦織にブレークポイント。すると、錦織の苦しい態勢からのリターンがネットにかかりながら相手コートに落ち、このボールにペールの反応が追いつかず、ラッキーな形で錦織がブレークバックに成功する

 第3ゲーム、錦織は連続でダブルフォルトを犯すなどピリっとしない。更にチャンスボールを力みオーバーとなり、ペールにブレークポイントが来る。するとペールのドロップショットに錦織が反応するもネットを超えず、ペールが再びブレーク先行する

 第4ゲーム、ペールはルーティンワークを短くして錦織に時間を作らせない。素晴らしいショットとダブルフォルトを繰り返すこのゲームは、最後はワイドサーブで錦織を崩し、このゲーム初のキープとなる。

 第5ゲーム、互いにかわらず攻めのプレイで、ペールはリターンエースを見せるも、錦織もネットに出てのプレイでペールのロブをミスさせキープする。

 第7ゲーム、ペールはドロップショットで錦織を崩す。更には5度目のダブルフォルトを喫し、更には互いに前に出てのボディーの攻め合いでペールの反応が勝りペールに2つのブレークポイントが来る。さらに錦織の2ndサーブに思い切り前に突進してのリターンに錦織のリターンがサイドアウトし、ペールが2ブレークアップとなる

 第8ゲーム、ペールのサービンフォーザセット。0-30と錦織も反撃するも、その後立て続けにサーブの威力に押され、最後はチャンスボールをショットミスし、ゲームカウント6-2でセットオールとなる

 

3rdセット

 第1ゲーム、錦織のサービス。やや意地になりすぎてるのか、単調なミスが増え始める錦織。相手のバックに対抗したり、2ndも攻めのサーブでダブルフォルトを量産する流れに。しかし、ここはペールのリターンが簡単にラインを割りキープする。

 第2ゲーム、ペールはドロップショットと強打を織り交ぜ錦織もやりにくそうな表情。更にはこのゲーム3本のドロップショットを全て決めると錦織も追いかけず、ラブゲームキープされる。

 第3ゲーム、調子がよくなってきたペールは、しかしうまくいかないショットが続きボールをサッカーボールを蹴るように扱う一幕も。結局全てペールのミスショットによりラブゲームキープする。

 第4ゲーム、ペールのミスで0-30とするも、そこからペールのショットが冴えポイント以上に楽にキープされる。

 第5ゲーム、ペールに立て続けに攻め立てられブレークポイントを握られると、錦織のリターンがネットにかかり、ペールの雄叫びと共にペールが先行ブレークを掴む

 第6ゲーム、集中力を上げるペールに対し、集中力が落ちている錦織はラケットを変えて挑むこのゲーム。ペールのプレイが躍動するも、ミスも多くデュースに。ここで錦織リターンがネットにかかり相手コートにおちブレークポイントが来る。しかしサービスエースで簡単に凌がれる。更にはダブルフォルトで2度目のブレークポイント。しかしここもサーブで押され凌がれる。更には錦織は大きく打ち上げてしまうペールが必死のキープに成功する。

 第7ゲーム、かなり危険な状況の錦織。ペールのタイミングにつきあいルーティンが短いのは錦織のペースのように見えない。しかしながらこのゲームは楽にキープする。

 第8ゲーム、ペールのサーブに錦織は満足にリターン出来ない場面が目立つ。攻めの主導権のほとんどを握られ、更にはドロップショットで崩されて錦織のメンタルをくじくプレイでキープする。

 第9ゲーム、ラリーの主導権を常にペールに握られ苦しい状況。更にはペールのコーナーをついたリターンに翻弄されデュースに。ペールはミスもあるものの素晴らしいショットとドロップショットで錦織の反応が常に遅れる。更にはペールの連続リターンエースでセットポイントを握られるも、リターンミスが連発するなど、全てがペール次第でポイントが決まる展開は、辛うじてキープに成功する。

 第10ゲーム、ペールのサービンフォーザセット。ペールの見事なドロップショットが決まると、更にネットプレイでもアウトしネットを叩きつけそうになるシーンも。更にはサーブで錦織を攻め3つのセットポイントを握ると、間髪おかずにサービスエースを決めて観客を大いに煽り2セット奪取に、錦織を追い詰める

 

 錦織はセットポイントを握られた時にうずくまるなど、精神的にかなり厳しい状況に追い込まれており、何かがないとこの試合勝ち目はない状況となってきています

 

4thセット

 第1ゲーム、錦織のサービス。1stサーブの入りが錦織を苦しめているこの試合。いきなりのリターンエースを決めるペール。更にはペールの態勢を崩しながらも抑えの効いたバックハンドショットがライン際に決まるなど錦織は苦しい。しかしミスとも紙一重のプレイのペールは、結局このゲームもキープはしたものの、錦織のウイナーが0で表情は冴えない。

 第2ゲーム、チャンスボールもネットに掛けてしまう錦織。しかしペールも今度はドロップをミスする。ここで追い込まれながらのラリーながらバックハンドでライン際に決めブレークポイントを握ると、ペールのダブルフォルトで、錦織が待望の先行ブレークを取る

 第3ゲーム、十分に時間を取り落ち着かせる錦織。サーブで崩し、フォアのリターンでのウイナーで自分自身を鼓舞する。最後はラインギリギリのリターンでペールのアウトを誘い錦織がキープする。

 第4ゲーム、徐々にリズムが出てきた錦織だがペールも踏ん張りキープする。

 第8ゲーム、錦織の攻めにペールの雑さが見えてきて錦織にセットポイントが来る。ここでペールがダブルフォルトで錦織がこのゲームを6-2で取り2セットオールとなる

 

ファイナルセット

 第1ゲーム、錦織のサービス。トイレットブレークで気を引き締める。1stポイントは錦織がネットに出てペールのアウトを誘う。更には厳しいクロスでポイントを重ねる。更にはラリーでペールを差し込む場面も見られ、比較的楽なキープで流れを掴む。

 第2ゲーム、ペールの気合が落ちている今を狙いたい所。そのペールの1stポイントはダブルフォルト。しかし連続サービスエースを決める。しかしサーブを拾った時には厳しいラリーでペールを追い込む。しかし次のラリーでは追い込んだショットがアウトになり、更にはサーブで錦織のリターンをウオッチしアウトを見届けキープする。

 第3ゲーム、久しぶりのドロップショットでポイントを奪われるも、厳しいラリーを続けるとペールはリターンをネットに掛けるようになる。最後もリターンエースをねらったペールのショットがネットに掛り問題なくキープする。

 第4ゲーム、ペールの短いルーティーンによりファイナルセットにかかわらずまだ2時間少々の試合となっている。ペールのラリーが徐々に狂い始め、1stポイントもペールが簡単にネットに掛ける。更には錦織のボディーリターンにペールがアウトし0-30に、更には緩急と左右を使った丁寧なラリーでペールのアウトを誘い2つのブレークポイントを掴む。ここでスマッシュを拾う錦織に対しペールがバックハンドの鋭いショットを決め観客を煽る。更にはサーブ&ボレーで錦織のアウトを誘いデュースに。更にはサービスエース、更には錦織の狙ったリターンがアウトになり、ペールが観客を大いに煽るキープに成功する。

 第5ゲーム、ペールが復活しだして注意すべきこのゲーム。ここでファイナルセットに入って続けている厳しい左右振りでペールのミスを誘う。ここでダブルフォルトで観客が盛り上がる。40-30まで迫られるも再び深いリターンでペールのアウトを誘いキープする。

 第6ゲーム、ワイドのサービスエースで観客がヒートアップする。更にはドロップの打ち合いもペールのロブがわずかにアウト。サービスエースとダブルフォルトと出入りの激しいペールは、更に錦織のリターンが浮いたもののペールがスマッシュミスし、錦織にブレークポイントが来る。ここでペールを左右に振り、ペールのリターンがわずかにバックアウトになり、錦織が待望のブレーク先行を果たし、会場は大いに静まり返る

 第7ゲーム、2ndを叩くペールに錦織は反応できるようになると、ペールのリターンがネットに掛り、思わずラケットを振りかぶる仕草を見せる。ここで錦織は十分に時間を使う。錦織のショットがアウトになると大歓声が上がるなど完全なるアウエーの雰囲気の中、ドロップにドロップでお返しし、錦織は余裕だといわんばかりにラケットを天井に放り上げてペールを煽る。ここでペールの怒りのバックハンド強打を喰らい40-30に。更には錦織のフォアストレートがアウトになりデュースに。ここで強烈なクロスリターンでペールにブレークポイントが来る。ペールは狙った強打をネットに掛け思わずラケットを投げる。更には狙った錦織のリターンがアウトになり、ペールに2度目のブレークポイント、この場面で錦織のリターンがまたもやアウトとなり、優勢なポイントからまさかのブレークバックを許す

 第8ゲーム、ペールをよみがえらせてしまった錦織は氷を頭に当てて気持ちを鎮める。そして会場は騒然とする。エース級のサーブとダブルフォルトが織りなすペールのプレイ。ここからペールを左右に振り15-30とする。更には錦織のリターンをペールが僅かにサイドアウトし、錦織に2つのブレークポイントが来る。更には足を止めてのバックハンドショットで終盤のブレークに成功する

 第9ゲーム、錦織のサービンフォーザマッチ。静まり返る会場。1stポイントは錦織もダブルフォルトからスタートする。ここでリターンをネットに掛け0-30としてしまう。更には2ndサーブを叩かれ2つのブレークポイントを握られる。ここで足を止めて逆をつくショットでデュースに持ちこむ。錦織はリターンをネットに掛け、3度目のブレークポイントを握られるも、センターへのサーブで凌ぐ。更には2ndサーブのリターンで主導権を握られ4度目のブレークポイント、ここでペールのドロップショットをコーナーギリギリにリターンし凌ぐ。錦織はスマッシュを叩きつけマッチポイントを握る。ここでペールのこの日何度も狙われた2ndサーブからのリターンがネットに掛り、錦織はホットした表情と共にフルセットの戦いを物にしました。

 

スタッツ 

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 間違いなくキツイ試合でした。ペールのエースかエラーかのショートポイントの試合は昨日と同じような展開ですが、ジャンビエとの違いはそこにラリーでもバックハンドの強打がある事と、ドロップショットでしょう。2ndセットからのドロップショット3連発で錦織選手は少し意地になってしまった場面が見られ、そこからバランスを崩しました。ダブルフォルトをこれだけ多く喫したのはペールのペースに付き合った証と言えるでしょう。

 しかし、若干落ち着いた4thセットからラリーでネットに掛るシーンが減ってくると左右にペールを振れるようになり、次第に押されていたラリーで主導権を握れる事になったのが勝因と言えるでしょう。

 やはり強打で来る選手を受けに回るだけでなく、自ら崩しに行くプレイが今後も必要となってくるでしょう。

 危ない試合とは言え、当初から苦戦は予想されていただけに、ここを抜けたのは大きいです。

 

 敗れたペールはかなりショックを隠せない表情を見せ、タオルやリストバンドを観客に捨てるように投げ、サインにも応じずホームにもかかわらず足早に会場を後にしました。途中までは錦織選手をラリーでも凌駕していただけに、その流れのうちにミスを減らせなかったのが最後まで響きました。とは言えペールの持ち味はそこにあるわけで、錦織がよく我慢して対応したとも言えます。

 

 錦織「今日は本当に厳しく、最後まで納得いく出来ではなかったが、なんとか勝てました。試合としても非常にやりづらかったです。4thセットからヘッドが上がってよい感覚になり、ファイナルセットも浮き沈みはあったが何とか勝ててよかったです。ファイナルセットを戦えた事は体力的に暑くてつらかったものの良かったです。

 

3回戦はまたしても地元選手

 

 錦織の3回戦はシード選手のクエリーを3-1で下したシモンに決まりました。これで初戦から3戦連続で地元フランス選手との対戦です。どのコートに振り分けられるかも注目されます。

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