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2018 ATP500 2回戦 杉田 対 ティエム 杉田がティエムに完勝! ゲリーウェバーオープン

 6月20日(水)、ワールドカップ真っただ中、ドイツのハレで行われているグラスコートの大会に、日本人では錦織と杉田が参戦しています。

 

 

錦織は2回戦でハチャノフにストレート敗戦

 日本時間の21時過ぎ当りに開始された、錦織対ハチャノフ戦は、昨年の同大会でも同じく2回戦での対戦となり、この時は錦織の手首の怪我による棄権でハチャノフが勝利となりまました。

 この試合は序盤からハチャノフのサーブの威力に押される錦織が、ラリーでもイージーなミスを連発し、6度のブレークポイントのうち2つを奪われて6-2で1stセットを落とします。

 2ndセットに入っても錦織の1stサーブの悪さは治る所か更に悪くなり、2ndを容赦なく叩かれる展開に。また相手の威力のあるサーブに最後まで抵抗する術を見いだせず、このセットも5度のブレークポイントを握られ2つを落とし、6-2とストレートで敗れてしまいました。

 敗れた後は若干の手首を気にする仕草もあり、芝では中々アジャストできない現状が伺えます。

 

杉田選手がティエム相手に常に主導権を握る

 この日メインの試合となった杉田対ティエムの1戦は、多くの観客が観戦する中で行われました。ただし、ほとんどの客がティエム目当てなのか、ティエムが登場すると大きく観客が湧くなど、杉田に若干アウエーな雰囲気があります。

 

第1セット

 第1ゲーム、ティエムのサービスで始まるも、ティエムは1stサーブのコントロールが悪く明らかなアウトを連発する。すると、杉田がこれにしっかり反応すると、200キロを超えるサーブにもしっかりセンター付近へのリターンでティエムの体を起こすなどし、杉田がいきなりのブレークを取る

 1回戦では地元ドイツのマーテラー相手に雨の長い中段もあり、途中中だるみからフルセットになったものの、最後は力強いプレイで押し切って、芝では一味違う所を見せた杉田は、この日、ティエムが相手でも受けに回らずに次々に左右に強烈なショットを打ち込んでいく。

 すると、第3ゲームはティエムの強烈なサーブをリターンエースで沈めるなどしこのゲームだけで5度のブレークポイントを奪うと最後はティエムのリターンがアウトになり、杉田が2ブレークアップとなる

 第8ゲームのサービンフォーザセット。杉田はセンターへのサービスエースを連続で決める貫禄でこのセットをゲームカウント6-2ながらそれ以上に余裕あるセットアップとなる

 

第2セット

 第2セットも引き続き杉田が押す展開でブレークポイントを何度も掴むも、その都度ティエムの強烈なサーブが決まるなど徐々にティエムも調子を戻していく緊迫した展開となる。

 ティエムは237キロと破壊力抜群のセンターサーブや220キロのワイドサーブなどでポイントを取るも、杉田もほとんどのボールに対応していく。

 そして杉田のサーブは203キロを記録し、かつティエムが一歩も動けないバックハンドリターンを見せるなど、やや杉田が支配しながらもキープ合戦で試合は遂行する。

 5-5で迎えた第11ゲーム、杉田は鮮やかなワイドのリターンエースを決めるなどし、2つのブレークポイントを掴むも、狙い過ぎたリターンなどでデュースに持ち込まれるも、ラリーで全く引かないリターンにティエムがネットに掛けるなどすると、最後はティエムのリターンがアウトになり、杉田が終盤のブレークを奪う

 第12ゲーム、杉田のサービンフォーザマッチ。この日の杉田のサーブは非常に優れ、一気に3つのマッチポイントを握る。しかしここでティエムは厳しいラリーから鋭角のリターンを決め、更には杉田のリターンがサイドアウトするなどし、一気にデュースまで持って行かれ、嫌な流れに。だが杉田のセンターへのサービスエースで4度目のマッチポイントが来ると、最後はティエムのスライスリターンがアウトとなり、この瞬間両手を突き上げた杉田選手が今シーズン並びに生涯2度目のトップ10勝利となりました。

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芝の杉田は一味違う

  ソック選手に続いてのトップ10の勝利となりますが、瞬間風速のソックに比べるとついこの間ローランギャロスで決勝を戦ったティエムを破った今回の勝利の方が価値の面でいっても、更には本人の充実度で言っても文句なく格別のものとなったでしょう。

 それを物語るように杉田選手も「人生最高の勝利」と自画自賛しています。

 ただ勝っただけではなく、その試合内容は間違いなく勝利に値するもので、芝シーズンの杉田は一味違うという部分を見せつけています。

 そしてそれは、それまで9試合連続初戦敗退してきた杉田選手に取っては大きな自信の回復、更にはこの勝ちでATP500の大会でQF進出と大きな成果となりました。

 

 プレイぶりを見ますと、まずはサーブの良さ。200キロを超すスピードだけではなく、鋭くセンター付近に落ちるサーブややや抜いた感じのワイドサーブでティエムの的を絞らせませんでした。

 更にはラリーでは常に高速で深いターンを意識しての攻めでティエムの足を完全に止めていました。ティエムがあれほど棒立ちになる場面を見たのはかなり珍しいです。体調不良を疑うくらいでしたが、それだけ杉田選手のリターンが鋭かったのも事実です。

 ピンチになるとサーブでしっかりポイントが取れ、またポイント有利になると、より引き締まった表情でラインを下げずにしっかり前でティエムのボールを捉えるなどの充実ぶりを見せました。ティエムが特攻気味に連続でネットに出たゲームではその上を鮮やかに抜くショットを見せるなど、相手もしっかり見えており、計13度のブレークポイントを奪いティエムにプレッシャーを掛け続け、方やわずか1度しかブレークポイントを握られませんでした。間違いなく完勝です。

 試合後、ティエムはまいったという表情で杉田の胸を叩くと、杉田も笑顔でティエムの肩を叩いていたシーンも印象的でした。

 

アンタルヤ前に失効帳消しの大チャンス

  芝シーズンは杉田選手は大きな失効のため、ランキングの大幅なダウンが懸念されていましたが、この時点で90ポイントの獲得で芝シーズン終了時で100位以下に落ちる事はなくなりました。

 更にはQFの相手は予選勝者のペジャとなりました。チチパスをストレートで破っており油断なりませんが、今日のようなプレイ強度を見せれば、SF進出も見えてくるでしょう。

 その杉田選手のQFの試合は1日置いて、6月22日(金)予定となっています。

 

 

 

 

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