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2018 後半 錦織のポイント推移、ファイナル進出の現実性の鍵はアンダーソン

最新のファイナルツアー状況

 錦織がイズナーを145ポイントリード。

 錦織 3210(+210+α)

 イズナー 2065(+45)

 エステバンクオープン、イズナーは2回戦敗退、錦織はF進出。

 しかし、錦織のQFの相手は地元でシート1のティエム。今年の全仏オープン4回戦でセットカウント3-1で敗戦した相手。

 *錦織はQF進出の90ポイントでイズナーの2回戦敗退の45ポイントを見ると逆転しているように見えるが、コミットメントプレイヤー規定の上位18大会参加義務の関係により錦織の出場大会のポイントの都合で、90ポイント以下のポイントがノーポイント及び減算の対象により、この時点ではまだイズナーが65ポイントリードとなります。(イズナーのノンアドバンテージポイントは未計算の為、要計算必要)

 

 

 ウインブルドンが終了し、各種小大会を消化してはいますが、トップ選手は7月末からの始動となる選手がほとんどです。錦織選手も7月30日開幕のシティーオープンからハードコートの本格始動となります。

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錦織選手の今後の失効ポイント

 

 シティーオープン ATP500 QF 180

 モントリオール ATP1000 初戦 10

 

 錦織選手は昨年はモントリオールでモンフィスにまさかの大逆転負けを喫した後の練習中に手首を痛めそのままシーズン終了しました。そのため、今後の大会はほぼ加点する大会となり、現在よりランキングを下げる事はほとんどないと思われます。

 

錦織選手の今後の大会参加スケジュール

 

 ・ATP500 シティーオープン

 ・ATP1000 モントリオールマスターズ

 ・ATP1000 シンシナティマスターズ

 ・全米 グランドスラム

 ・ATP500 楽天オープン

 ・ATP1000 上海オープン

 ・ATP500 スイスインドア

 ・ATP1000 パリマスターズ

 

 主にATP500以上のグレードの高い大会に出場が予想されます。これを見る限りですとまだまだポイントは稼げるように思えますが、グレードが高いという事はそれだけトップ選手も出場する大会ばかりという事で簡単にはいかないでしょう。

 

 

現在は1800ポイントの20位

 7月24日現在の錦織選手のポイントは1800ポイント。これは今年復帰した時とほぼポイントが変わっていない事を示します。モンテカルロのマスターズ準優勝や、ウインブルドン初のベスト8があったにもかかわらず、実はそれ程ポイントは伸びていないのが現状です。

 昨年の錦織は終始不安定なテニスに終始しており、怪我で離脱するまでそれ程ポイントを稼げていなかったのですが、その水準とさほど変わらないという事です。

 この原因は、モンテカルロ以外のマスターズでの成績による所が大きいです。不調だったとはいえ、高確率でQF以上まで安定して進んでいた去年と違い、今年はマイアミで2回戦、マドリードでは1回戦からジョコビッチの対戦もありこの2大会でポイントを稼げなかったのが響いています。

 

 

ATP250以下の大会では実質ポイント加算は無し

 では、大会数を増やしてポイントを稼ぐというのも考えますが、錦織選手はトップ30選手でグレードの高い大会の出場義務もあり、ATP500以下の大会でフリーポイントを獲得できる大会が1大会しか残っていません。

 錦織選手のその他の大会の下位ポイントは、芝のハレで行われた2回戦45ポイント、春先に行われたニューヨークオープンSFの90ポイント、チャレンジャーダラス大会の優勝100ポイントです。

 今後出場するATP500大会の予定が3試合あり、ここでそれなりのポイントを取ると、ATP250以下の大会では決勝以上でない限りほとんど意味がありません。従って、大会出場数を増やす必要はないという事がわかります。

 

 

全米ではシード16獲得が現実的路線

 失効が少ないとは言え、ワシントンのSFの180ポイントはそれ程小さくありません。その理由は、今年はシード順位が8番手ぐらいが予想され、トップ選手とQFまでに当たる可能性が高いです。

 その後のマスターズ2大会も、ここでディフェンドに失敗するとシード権を取れない可能性が出てきます。この2大会のマスターズはシード16までなため、シード権を得る事は重要となります。ポイント差的にもどちらの大会もQFまでは進出する必要はありそうです。その上で他選手とのポイントの兼ね合いによっては全米でのシード16が見えてきます。もちろんSF進出やF進出ともなればそれ以上も狙えます。

 しかし、現状はまずはシード16を目指すのが現実的でしょう。

 

 

 

ATPファイナルツアーランキングは11位だが・・

 

 ファイナルの可能性についてですが、順位だけを見れば現実的な位置にいると言えます。チェッキナートが今シーズン2度目の優勝を飾りポイントで抜かれたとは言え、その差はわずかです。

 しかし、9位以上との差はそれなりに開いています。

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 ウインブルドンでジョコビッチが優勝、アンダーソンが準優勝した事により、ウインブルドン開始前はボーダーの8位が1600ポイント台だったのが一気に跳ね上がりました。これは昨年ジャックソックがファイナルに滑り込んだポイントより既に高いです。

 これからマスターズ大会が4大会とグランドスラムを控えているのも考えると、最低でもここよりも1000以上はボーダーが上がると考えるのが普通です。つまりはほぼ4000ポイントが必要という事になります。

 現在の錦織選手が残りの大会で2400ポイントを稼ぐのは不可能でないとは言ってもハードルとしてはとても高くなります。全米でのSF以上は必須と言って良いでしょうし、マスターズでも連続好成績も必須です。

 昨年がニューフェースが相次いでファイナルに進出したのは上位選手がフェデラー、ナダル、デルポトロ以外安定感を欠いていた事と怪我による欠場により、純粋にテニスの試合の質もそれ程高い物ではありませんでした。

 今年はナダル、フェデラーは健在な上、デルポトロも自己最高の3位を狙っている状況です。更にはアンダーソンやイズナーはハードコートでの相性も良く、キリオスも復活気配があります。そして何よりジョコビッチに復活の気配が漂い、昨年以上に上位陣の調子は上向いており、これに対して錦織選手は悪くないとは言え簡単に勝てるという状況でもないでしょう。

 以上を考えると、グレードの高い大会でほぼSF以上を安定して取り続けるのは現実的とは言えません。

 

上位の様相

 

 今上位にいる選手の誰かを上回ると考えた場合、最も可能性があるのはティエムでしょう。ハードコートの適正がまだまだ備わってないティエムであれば可能性はあります。もちろん成長途中の選手ですし、サーブも強烈なだけに、いつまでもハードコートで不安定さを見せるわけにはいかないでしょう。

 チリッチはハードコートで力強いテニスをここ数年は続けています。今年は序盤で例年以上にポイントを稼いだため、4000ポイントはほぼ超えてくる位置におり、これを上回るのは厳しいです。

 アンダーソンとは1200ポイントと小さくない差がついており、かつ昨年の全米決勝進出が物語るようにサーブが生きるサーフィスなだけに簡単にポイントを縮める事はできないでしょう。しかしながらアンダーソンは時折メンタルが崩れる場面も見かけるので直接対決で叩く事ができれば、今後の大会でプレッシャーを掛ける事はできるでしょう。

 イズナーもアンダーソン同様にハードコートではまずまずの成績を収めます。今年はマイアミで初のマスターズ優勝もあり9位にいます。しかしウインブルドンもSF進出と、この2大会で1720ポイントを稼いだ割には錦織との差の600ポイント差は思いのほか小さいです。メンタル的にアンダーソン以上に不安定な所があるので、これも直接対決で勝つ事ができれば逆転は範囲内です。

 

 このように見ますと、現実的な線としては、ティエムを上回り、アンダーソンとの勝負になる展開に持って行く事ができるかどうかに掛かっていると見る事ができます。

 

 まずはシティーオープン。本格復帰してくるワウリンカやマレーも静かでいるとも思えません、今年は昨年以上の高いレベルのテニスが展開されるのは間違いないでしょう。

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