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2018 全米オープン 3回戦 錦織 対 シュワルツマン

 9月2日(日)朝の6時頃からグランドスタジアムで錦織選手の3回戦が開始されます。

 相手は小兵シュワルツマン選手です。

 

過去の対戦成績は2勝0敗も

 

 171cmの公表だが、実際は165cm程と思われるシュワルツマンはテニス選手の中でも飛びぬけて小兵でサーブは入れるだけの場合が多いです。しかし、粘りのストロークとあきらめいない精神力で最後まで相手を追い詰めます。

 基本的にはクレーコートで持ち味を発揮する選手ですが、昨年あたりからハードコートでも活躍が目立ち、現在13位と安定して上位にいる実力者となりました。

 

 過去の対戦成績は2勝0敗、2017年のアルゼンチンオープンとジュネーブオープンで対戦がありますが、どちらも簡単には勝たせてくれませんでした。

 ストロークでは粘り強いため、自分からミスするような展開になると錦織選手の場合はハマってしまう可能性もあり、注意が必要です。

 すでに上位選手を何度も破っており、明確な格下選手とは言えないでしょう。

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試合展開

 

 試合は予定より若干遅れて6時10分ごろ開始される。

 なお、試合開始までのインターバルで錦織の準備が遅いということでいきなりタイムバイオレーションを取られるなど、心を乱す出来事が起きてしまう。

 

 

1stセット

 

 第1ゲーム、シュワルツマンのサービス。シュワルツマンのリターンにアジャストできず簡単にキープを許す。

 第2ゲーム、この日も1stサーブの入りはよくなく、リターンでも押されてブレークポイントを握られると、後手に回るラリーでシュワルツマンに前に出られてフォアウイナーを炸裂されてしまい、いきなりのブレーク先行を許す。

 第3ゲーム、シュワルツマンは落ち着いたプレイでキープする。

 第4ゲーム、お互いがネット際で粘りのプレイで観客を沸かせる。しかしシュワルツマンが早い攻めるもデュースに持ち込む。ここでシュワルツマンの外から巻くショットが決まったかに思えたがチャレンジで髪の毛の差でアウトで錦織にブレークポイント。この場面センターへのラリーで錦織がこらえきれずアウト。錦織はさらにもう1回ブレークのチャンスがあるも、ここもラリーで粘れない。最後はシュワルツマンの2ndサーブを狙いすぎてバックハンドリターンを大きくサイドに外しキープを許す。

 第6ゲーム、シュワルツマンのチャレンジがかなり遅くこれにクレームを入れる錦織。試合直後のタイムバイオレーションの件もあり納得がいかない表情。しかしここでキレずにシュワルツマンのリターンを読んでの片手フォアを炸裂させてラブゲームキープする。

 第7ゲーム、錦織の動きがよくなり0-30とポイントをリードするも、シュワルツマンもネットスレスレのリターンなどで応戦しデュースに。ここで錦織がライン際に鋭いショットでシュワルツマンを崩しブレークポイント。更にはフォアのロングラリーから鋭く攻めてシュワルツマンのリターンがネットに掛かりブレークバックに成功する。

 第8ゲーム、ミスとネットに出るプレイを読まれ0-30とされる。更には激しいクロスの打ち合いから錦織のフォアリターンがアウトになり2つのブレークポイントを握られる。ここはラインギリギリのショットでシュワルツマンを崩しデュースへ。最後はサービスエースで決めてキープする。

 第9ゲーム、錦織は力が抜けてドロップショットを見せシュワルツマンを崩す。更には引き付けてのフォアクロスを炸裂させて15-30とリード。攻めのショットでブレークポイントをつかむと、早いクロスのラリーでシュワルツマンのクロスアウトを誘い錦織が思わずカモーンの雄たけびを上げるブレーク先行を果たす。

 第10ゲーム、錦織のサービンフォーザセット。4ゲーム連取して試合の流れを変えた錦織は、ネットミスを喫すも、再びネットに出ての対応。しかしシュワルツマンにダウンザラインに沈められ15-30とリードされる。ここでライン際にエアKを炸裂させる。しかしフォア逆クロスがアウトになりブレークポイントを握られる。ここでドロップからライン際にロブショットを決めるとシュワルツマンも両手を挙げて天を見上げる。ここで果敢に攻めセットポイント。ここで厳しいクロスショットを連発しシュワルツマンのリターンを許さず、錦織が5ゲーム連取の逆転でこのセットを6-4でとります。

 

 序盤の入りは悪かったですが、徐々にラリーで流れをつかむとドロップやロブなど良いときの多彩の攻め、さらには欲しいときには相手に時間を与えない早い攻めをうまくミックスさせており、徐々に試合を支配しつつあります。

 サーブも今日は悪くなく、1stサーブが連続で入らないということもなく、このままの調子でいければシュワルツマンを抑え込むことができるでしょう。

 

 ここでシュワルツマンは早くもトイレットブレークを取る。

 

2ndセット

 

 第1ゲーム、シュワルツマンのサービス。センターのラリーでシュワルツマンがアウトショットし錦織にブレークポイント。しかしここから錦織が攻め急ぎで立て続けにネットに掛け、シュワルツマンを土俵際に残すキープとなる。

 第2ゲーム、錦織のサービス。ダブルフォルトを喫するなどしデュースへ。ここで錦織のリターンがネットに掛かり浮いたチャンスボールをシュワルツマンが吹かしてしまうと、最後はサービスエースでこちらも辛くもキープする。

 第5ゲーム、集中したプレイでブレークポイントを迎える錦織はそのままこのセット先行ブレークを奪う。

 第6ゲーム、しかしそのリードを守れない。ブレークポイントを握られると、シュワルツマンが渾身のガッツポーズを見せるブレークバックを果たす。

 第7ゲーム、シュワルツマンのダブルフォルトと、アウトリターンで0-30とリード。更にねっとに出てバックハンドリターンをたたきつけ3つのブレークポイントを握る。これをしのがれデュースになるも、シュワルツマンのリターンがネットにかかり4度目のブレークポイント。しかしクロスの打ち合いは錦織がネットに掛ける。結局リターンを錦織がネットに掛けてキープされてしまう。

 第8ゲーム、ここは大事なゲーム、しかし錦織はその心配をよそめに鋭いサーブやショットを連発させ楽にキープする。

 第9ゲーム、ややミスが目立ってきたシュワルツマンはダブルフォルトで錦織がブレークポイントを握ると、シュワルツマンがリターンを簡単にネットに掛け、錦織が終盤でのブレーク先行に成功する。

 第10ゲーム、錦織のサービンフォーザセット。シュワルツマンのミスで転がり込んできたこのゲーム、互いにネットに掛けるなどピリッとしない。更には錦織のリターンが大きく浮く。しかしショートしたボールに果敢に前に出てセットポイントを奪うと、フォアハンドのショットをライン際に沈め、何度も拳をかみしめる錦織はこのセットを6-4でとり、2セットアップとなる。

 

 

 3rdセット

 

 第2ゲーム、錦織が淡泊なプレイで2つのブレークポイントを握られると、錦織のショットがアウトとなり、シュワルツマンが雄たけびを上げるブレーク先行となる。

 第3ゲーム、今度は錦織が2度のブレークポイントを握るも、錦織のショットがアウトやネットになるなどし、ここでもシュワルツマンが声を上げるキープとなる。

 第6ゲーム、このセットは淡泊な出来に終始する錦織は簡単なショットもアウトになると、観客はディエゴコールでシュワルツマンの応援となる。ただ、このゲームは錦織が比較的楽にキープする。

 第7ゲーム、シュワルツマンがダブルフォルトで15-30となる。更にシュワルツマンのフォア逆クロスが大きくアウトとなり錦織にブレークポイント。しかし前に出たバックハンドクロスがわずかに再度アウト。その後も積極果敢なプレイのシュワルツマンが強烈なウイナーを沈める。しかしここからシュワルツマンが連続でショットアウトすると、最後はダブルフォルトで、思わぬ形で錦織がブレークバックする。

 第8ゲーム、シュワルツマンにエアK返しをされるも、サーブからの組み立ててでシュワルツマンに隙を与えずキープする。

 第9ゲーム、シュワルツマンは素晴らしいリターンと盆ミスが同居する。すると錦織はシュワルツマンのギアの上がらないサーブを狙い、1st、2nd共にリターンエースを奪う。しかし最後はラリーで錦織がネットに掛けキープする。

 第10ゲーム、ここで錦織が1stサーブで120キロ台と極端に落ちるとダブルフォルトまで喫する。更にはシュワルツマンの鋭いクロスショットでシュワルツマンにセットポイントが来る。ここで激しい左右の揺さぶりあいでネットに出た上をシュワルツマンが狙うもわずかにサイドアウトでデュースに。2ndサーブを逆方向にリターンエースを決め2度目のセットポイント。シュワルツマンのリターンはバックアウトで再びデュース。最後はサービスエースで錦織も安堵の表情を見せるキープ。

 第11ゲーム、第9ゲーム辺りから互いに死力を尽くす展開に会場は沸く。錦織が大外からスライスショットをライン上に決めると、シュワルツマンも引き付けてのクロスを決める。デュースまでもつれ込んだこのゲームは錦織のリターンが連続でバックアウトし、シュワルツマンがキープする。

 第12ゲーム、錦織のリターンがネットに掛かるなどし15-30となる。更にフォアリターンがサイドアウトし2つのセットポイントを握られる。すると2ndサーブを叩いたシュワルツマンのリターンを錦織がネットに掛け、シュワルツマンが7-5で1セット取り返す。

 

4thセット

 第1ゲーム、シュワルツマンのサービス。早い展開から前に出たシュワルツマンのカットリターンがネットに掛かり錦織に2つのブレークポイントが来る。すると互いの強打ラリーからのシュワルツマンのリターンがネットに掛かり、シュワルツマンが思わずポケットに入った2ndサーブ用ボールを投げつける錦織のブレーク先行となる。

 第2ゲーム、錦織のサービス。錦織もダブルフォルトを喫するなどピリッとしない。ここで互いに意地の張り合いの強打ラリーを制し錦織も気合を入れなおす。更にはセンターへのサービスエースで雄たけびを上げる錦織。しかし、サーブが決まったかに思えたがチャレンジで覆り更にはダブルフォルトでデュースに。ここでライナー性のリターンで崩されブレークポイントを握られる。前に出て強打を決め食い下がる錦織。最後はダウンザラインにリターンを沈めキープする。

 第3ゲーム、互いに強度の高いラリーを見せるも、シュワルツマンがまたもダブルフォルトでデュースに。しかしシュワルツマンが失敗をもろともせず強打で押しキープする。

 第4ゲーム、互いに前に出る中、錦織がシュワルツマンのボディーを狙うショットを決める。更にはコーナーを互いにつくラリーからのクロスショットを決める。sらには引き付けてのドロップショットでこのゲームをラブゲームキープする。

 第5ゲーム、錦織の深いリターンにシュワルツマンがチャレンジするもわずかに掛かっており2つのブレークポイントが来る。すると、シュワルツマンのフォアリターンが大きくサイドラインを割り、錦織が勝利を手繰り寄せる2ブレークアップになる。錦織は大きくカモーンと声を張り上げる。

 第6ゲーム、錦織のリターンが大きくアウトになりブレークポイントを握られる。ここで前に出てのボレーがかなり浮くものの、ラインギリギリに入りデュースに。ここで錦織は先ほどから気にしていた足を更に気にするようになり、両手で膝をつく。しかし、ドロップ気味のショットを決めるなどしキープする。

 第7ゲーム、有利な立場ながらもかなり披露の色が見える錦織。しかし、早い展開でも下がらない錦織はスマッシュを立て続けに決めデュースへ。シュワルツマンのリターンがサイドアウトし、錦織にマッチポイントが来る。プレイ毎に足を叩く錦織は4度のマッチポイントをつかむ、左右に振り最後はフォアリターンをコーナーに決め、セットカウント3-1で錦織が勝利しました。

 

 

錦織「非常にタフな試合だったが、今日のテニスはとても楽しかった。攻撃的なテニスが最後までできてよかった。今年の初めはチャレンジャーからのスタートだからここまでこれたのがうれしい、この大会は大阪なおみが流れを作ってくれたのかもしれないね。次戦のコールシュライバーは友人だし、バックハンドショットが良い選手。しっかり休養して挑みたいです。」

 「大変な試合でした。出だしは硬くてよくなかったし、したいテニスができていなかった、1-4から自分のテニスを取り戻して、特に4セット目は良いテニスができてよかったです。最後まで攻める気持ちを持てたのが勝利につながったと思う。1,2セット目は正直どっちに転んでもおかしくなかったけど、4セット目は自分のテニスができたので満足している。自信はついてきている、大事なポイントがまだ取り切れていない部分もあるけど良い感触。コールシュライバー戦はタッチが強く良いバックハンドがある。今日みたいなラリー戦にもなるだろうけど頑張ります。」

 

スタッツ雑感

 

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 今日の試合はともにテニスがかみ合って非常に見ごたえるのある試合でした。ラリーが全くダレずに早い展開でライン際のボールも互いに拾いまくり、それを強打で返す展開は見事でした。セットが進む毎にどんどんギアが上がっており、セット差以上に差のない試合でした。

 試合の中で上下はあったものの、バックハンドは相変わらずの安定度。サーブも2回戦よりは改善されているように見えました。後は足の痙攣があったことにより十分に休養が必要でしょう。

 4回戦の相手はドイツ対決でアレクサンダー・ズベレフを破ったコールシュライバーとなりました。強烈なバックハンドに手堅いラリーを持っていますが、クレーコートでは完勝しており、プレイの相性も良い選手です。

 

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